THE NEW LEXUS LX

世界中のセレブが飛びついた一台

September 2022

高級SUVマーケットが賑わいでいる昨今、レクサスのフラッグシップSUVも新世代へと突入した。

高いオフロード性能とステイタスを備えた新型レクサスLXは世界中のセレブを魅了する。

 

 

 

text tatsuya kushima

direction manabu kamata(unit-kompas)

 

 

 

LEXUS LX 600

フルサイズSUVに属すボディは堂々としたサイズ。迫力のフロントマスクとともにアメリカで人気なのがわかる。パワートレインは1種類。最新の安全装備と充実したオプションも魅力のひとつといえよう。全長×全幅×全高:5,100×1,990×1,895mm(Executive)/車両重量:2,600kg(Executive)/エンジン:3,444cc/V型6気筒インタークーラー付きターボ/最高出力:415ps/5,200rpm/最大トルク:650Nm/2,000-3,600rpm

 

 

 

 時代の流れの中で人々の価値観が変わるとデフォルトは変化する。自動車業界でいえばSUV。かつてRVと呼ばれコアなユーザーに愛されてきた背の高いクルマは、今や主人公へ躍り出た。アメリカのモータリゼーションの真ん中にいるあのメーカーも、SUVに押されセダンをラインナップしていないのが現状だ。

 

 そう考えると、“4年待ち”はわからなくもない。なんのことかというと、新型レクサスLXの納車期間。もちろん、そこには半導体不足やコロナ禍の影響があるが、それにしてもすごい人気。世界中のセレブリティが発表と同時に飛びついたと言っても過言ではないだろう。

 

 これまでのLX570はLX600に進化した。モデルサイクルが長く多くのファンを持つモデルではあるが、最新技術満載でのモデルチェンジはビッグニュース。ラダーフレーム+リジッドアクスルという基本構造を踏襲しながら徹底的に手を入れた。

 

 レクサス独自の開発ポイントは走りである。「ドライバーの意図に忠実でリニアな応対を実現するレクサス独自の走りの味」がテーマだ。従来比200キロの減量がそれで、軽量化による軽快な走りを手に入れた。フレーム素材や溶接方法、外板パネルのアルミ化、エンジンのダウンサイジングといった内容だ。

 

 

 

 

 

 エンジンは5.7リッターV8から3.5リッターV6ツインターボへとスイッチされた。最大パワーは415ps。V8よりも38psのアップとなる。これは自然吸気エンジンの6リッタークラスに匹敵するそうだ。新型がLX600と名乗るのは、そんな理由と聞く。

 

 なので、実際に走らせるとパワフルさを感じる。出だしから高速道路の巡航まで実にスムーズ。レクサス独自のサスペンションユニットで、乗り心地も高級感満点だ。200キロのダイエットは見事に成功したといえる。

 

 これ以外にも新型の特徴はいろいろあるが、ひとつのグレードに着目したい。それは4人乗りの“エグゼクティブ”。

 

 その名の通り、成功したビジネスパーソンをターゲットにした仕様で、大きなキャビンの中に贅沢な空間のリアシートを装備する。目玉はリラックスモード。後席手元のスイッチを押すと、助手席が前へ移動しオットマンが現れ、バックレストは深くリクライニングする。その姿はまるでゼログラビティ。自動車の中とは思えないポジションだ。セダンでいうところのリムジンを超えた快適さである。

 

 そんな機構もSUVがデフォルトになった証明かもしれない。軽快なハンドリングと高速走行の安定性、それとリアシートの快適性が今後の高級SUVの指針になることを予感させる。

 

 

 

グレードは3種類で、4名乗車の“エグゼクティブ”の他に、5名と7名乗車を選べるスタンダードと“オフロード”がある。レクサスならではのニーズに合わせた展開だ。全グレード、インテリアは高級感たっぷり。オフロード走行に長けた“オフロード”は前後のデフをロックする機構を有する。ワイルド嗜好の方はこちらを。