The New Ducati MultistradaV4 S

エスタブリッシュされた男のアイテム、新型「ムルティストラーダ」

August 2025

富裕層やハリウッドスターは、いつも大型バイクに魅了されてきた。その中でも、現在、最高級の一台といえるのがドゥカティ「ムルティストラーダ V4 S」だ。走りの官能と快適性、そして冒険への誘いを同時に叶える稀有な存在である。

 

 

text tatsyuya kushima

 

 

 

 

 欧米におけるジェントルマンライフの一角に大型バイクがある。ライダースジャケットで知られる英国ブランド「ベルスタッフ(BELSTAFF)」が存在することからもわかるように、ジェントルマンと大型バイクは切っても切れない関係にある。事実、ヨーロッパには老舗と呼ばれるバイクブランドはたくさんあり、そのバリューは脈々と続いている。特に高性能&高価格帯の大型バイクにはファンが多く、富裕層の指示を得ているようだ。

 

 さらに言えば、ハリウッドセレブもそうで、キアヌ・リーブスやブラッド・ピットといった面々がバイカーであるのは有名な話。バイクに跨ったプライベートフォトがパパラッチされている。デヴィッド・ベッカムもそうだが、大型バイクはエスタブリッシュされた男のアイテムと言えそうだ。

 

 

 

 

 こうした背景があって、イタリアの老舗バイクブランド「ドゥカティ」はマーケットニーズに応えるようなモデルを数多く輩出している。フラッグシップとなるパニガーレシリーズを筆頭に、魅力的なレーシーなモデルを取り揃える。ストリートファイターシリーズやディアベルシリーズなどがそうだ。2023年に登場したストリートファイターV4ランボルギーニもその中のひとつ。日本での価格は739万円だったが、日本割当分を含め世界限定630台はあっという間に完売した。

 

 

 

 

 そんなドゥカティのラインナップに置いてここ数年話題になっているモデルがある。ムルティストラーダだ。

 

 ムルティストラーダはご覧のようなアドベンチャータイプで、ロードクリアランスを確保したそれは名前が示す通り「道を選ばない」走りをする。なので、オンロードはもちろんキャンプ場につながるちょっとしたダート道なんかも無理なくこなす。つまり、マルチな使い方に対応するのがこのモデル。ロングツーリングでの安定した走行や峠道での気持ちのいい走りから、通勤通学のシティユースにまで対応する。

 

 

 

 

 特筆すべきはツーリングでの高い快適性だろう。ツーリングボックスを装備して楽しい旅ができる。北海道あたりでソロツーリングをしたくなる走り心地だ。ヨーロッパではそれがウケて、ここ数年富裕層の支持を得ている。そもそも彼らは冒険心が強いだけに、こういった信頼できるブランドのアドベンチャーモデルは好みなのだ。

 

 今回そのムルティストラーダシリーズのV4 Sを二日間お借りして走り回ったが、確かに見た目よりは遥かに扱いやすかった。信号待ちでは自動車高低下装置が稼働してシートポジションを下げてくれるので足つきに問題はなし。ムルティストラーダV4Sの日本仕様はローサスペンションキットとローフォームシートが標準装備なのも朗報だろう。

 

 

 

 

 走りに関しては170psのエンジン出力と124Nmのトルクがスポーティにもゆったりしたツーリングにも対応してくれる。バンク角90度のV4エンジンのサウンドと振動はかなり刺激的だ。そしてそれをコントロールしてくれる電子制御システムにも抜かり無し。ABS、DTC、DWCといった制御がある程度の安全領域を担保してくれる。

 

 というのが世界中のジェントルマンが憧れるドゥカティのムルティストラーダ。冒険心をかき立てるバイクであることは間違いない。

 

 

新型 Multistrada V4 S

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