THE CAPITOL HOTEL TOKYU
4つの和食の個室を巡る“究極の晩餐”
September 2021
text CHIHARU HONJO
ザ・キャピトルホテル 東急の日本料理「水簾」で昨年開催された周遊スタイルのディナーコース「水彩の余韻」が、進化を遂げて今年も10月の日曜日限定で開催される。
周遊しながら訪れるのは、最高級の食材を揃えた料理人が待ち構える4つのダイニングの個室。わずか一日三組のゲストのみが入ることを許される、至高のおもてなしを拝見した。
ホテルの離れともいえる「水簾」は、ひとつの敷地内で懐石・天麩羅・鉄板焼・寿司を味わい尽くすことのできる特別な場所。なかでも「水彩の余韻」は、各料理が振る舞われる個室を巡りながら、一夜のうちに4種の和食を堪能することができる類稀な晩餐になっており、訪れるゲストの五感を魅了する。ロビーから「水簾」へと続く渡殿は、落ち着いた静けさが漂う洗練された空間。これから始まる究極の晩餐への期待が膨らむ。
女将の温かな出迎えの後、最初に通される部屋は、専用エレベータで案内される特別個室「月」。四季の移ろいを感じる坪庭を臨むこの部屋へは、他のゲストと顔を合わせることなく入る術もあるというのが、いかにも永田町らしい。こちらでは、開業当時から世界中の VIP をもてなしている板長の柘植実氏が芸術的な前菜を披露。こだわりの自家製唐墨やキャビアを添えたずわい蟹など、華やかな旬の懐石をいただきながらグラス片手に語らい、自宅のように寛ぐ優雅なひと時を過ごせる。
専属のサービス係に導かれるまま次に向かうのは、天麩羅が揚がる小気味良い音を聞きながら味わえるカウンター席の個室。活け車海老や松茸など、旬の食材を目の前で手際よく揚げてくれる様子に心躍る。特筆すべき一品は、ここでしかお目にかかれない「雲丹大葉巻」。北海道産の上質な雲丹をたっぷりと大葉で巻き、薄衣で軽く仕上げた料理人自慢の裏メニューだ。天麩羅は、四万十の天然の青のりや一味をブレンドしたオリジナルのカレー塩、沖縄の粟国塩につけていただくのが水簾流。
そして、次なるカウンター席で繰り広げられるのは、ライブ感溢れる鉄板焼。ここでは、兵庫県産但馬牛から選りすぐった神戸牛のフィレや、肉厚で柔らかい国産の黒鮑を華麗な手さばきで焼き上げてくれる。旨味が詰まったフィレ肉には、ステーキソースや塩、ガーリックのほか、すりたての山葵と西洋わさびがサーブされ、味わいの変化を楽しめる。鮑の肝と白ワインで作るバターソースが添えられた黒鮑は、口に含んだ瞬間思わず笑みがこぼれる極上の舌触りだ。
食巡りの締めくくりは、檜の一枚板を設えた重厚感あるカウンターでいただく寿司。赤酢のシャリで握った尼鯛の昆布〆、脂が乗った香り高いのどぐろ、土佐酢のジュレに能登半島の竹炭の塩を効かせた彩り豊かな根室の毛蟹、柚子胡椒とタレでさっぱりといただく対馬の穴子、本鮪のトロなど、大将が仕込みに時間をかけた渾身の五貫が揃う。シャリは、ネタに合わせて赤酢と米酢を使い分け、食材の風味が最大限に際立つよう調整。大きさも控えめで食べやすい。
贅を尽くした美味を存分に堪能した後は池庭に面したホール席でデザートを。目の前でフランベされた旬の果物にアイスを添えたフルーツフランベがいただける。カモミールとペパーミント、ワイルドベリーを特別にソムリエが配合したオリジナルティー「水彩の余韻ブレンド」を、デキャンタ―ジュして淹れるホスピタリティも格別だ。
各個室への案内は、2名から4名までの一組のみ。密にならないよう配慮した、同ホテルの心意気が見える広々とした空間遣いが何とも贅沢だ。イサムノグチのテーブルや棟方志功の版画、美食家であり彫刻家でもあった北大路魯山人の作品など、随所にアートの息づかいを感じる唯一無二の晩餐は、想像を遥に超えた美食体験と言えよう。
<周遊形式のディナーコース「水彩の余韻」>
開催日:10月3日(日)、10日(日)、17日(日)、24日(日)、31日(日)
第1部17:00~、第2部18:00~、第3部19:00~ ※1部につき1組(2~4名様)限定
1名様¥82,225(サービス料・税込)
メニュー:
【懐石】自家製からすみ、蟹身 キャビア、鯛の燻製
【天麩羅】活け車海老、雲丹大葉巻、銀杏、松茸、アボカド生ハム巻
【鉄板焼】国産黒鮑、神戸牛フィレ
【寿司】本鮪、尼鯛昆布〆、のど黒、穴子、毛蟹
【デザート】水菓子
※3日前までに要予約。詳細は以下リンクより。
www.tokyuhotels.co.jp/capitol-h/restaurant/suiren/plan/66674/index.html
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ザ・キャピトルホテル 東急
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TEL. 03-3503-0873(水簾直通)
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