THE INTERVIEW: THE ARMOURY’S ALAN SEE
アーモリーの“アラン・シー”
October 2019
アラン・シーは、有名なクラシック・メンズウェアのストアであるアーモリーの共同設立者だ。
彼はモノのわかる顧客たちは、いまアジアのクラフツマンシップとスタイルを重視するようになってきているという。
text christian barker
———2010年にアーモリーをローンチしてから現在まで、アーモリーのメンズウェアに対するアプローチはどのように変わってきましたか?
「私たちは創業当時より少し肩の力を抜いて、より多くのアイデアを受け入れ、いろいろなテーラーのさまざまなスタイルを取り入れるようになってきたと思います。それでもまだクラシックの範疇ですが・・。
スタートした当時は、私たちはアントニオ・リヴェラーノのようなテーラーから聞いたアドバイスを大切にしていました。そして読んでいたすべての本———アラン・フラッサー、ベルンハルト・レッツェルなどの著作に忠実でした。私たちはそういったことすべてを重要視し、それが私たちのショップのベースとなっていました。クラシック・メンズウェアのルールを、細かいところまでを順守していたのです。
時が経ち、イタリアのテーラーについてより深く知るに連れて、よりファッションというものに親しめるようになり、よりパーソナルなスタイルを追求し始めました。よりリラックスして、自分たちがより快適だと思えるものを選ぶようになりました。私たちのショップと“ルール”へのアプローチは進化し、より柔軟になりました」
———過去10年間で、テーラードに対する男性の評価と理解は変わりましたか?
「多くの若い人がクラシック・スタイルに徐々に興味を持ち、この世界に入ってくるのはとても喜ばしいことです。彼らは必ずしも、すぐにフィレンツェに仕立て服を作りに行くわけではありません。しかし、少なくとも洋服というものを、クオリティの観点から考えるようになりました。
多くの人が、クラシック・ファッションに目覚め、そういった格好をするようになっています。それは本当に素晴らしいことです。男性は一般に、他の人にどのように見えるかに注意を払います。それは非常に重要なことでしょう?
今日、男性はスーツを着た時どう見えるか、スーツがちゃんとフィットしているかどうかに気をつけていますが、かつては、デザイナーのタグさえついていれば、出来合いのものをそのまま受け入れていました」