Small Luxury-Hotel Sengokubara COCON
わずか5部屋のスモールラグジュアリーホテル 箱根「仙石原古今」
July 2024
text tatsuya kushima
「ヤギがいるんですね」
「はい、このヤギにハマって来られるリピーターのお客様も多くいらっしゃいます……」
今年2月にオープンした仙石原古今。古民家をリノベーションした宿“鎌倉古今”の姉妹店として開業した話題のスモールラグジュアリーホテルだ。広大な敷地に5つのスイートルームしかない贅沢な空間がウリ。林に囲まれたそこは日々の疲れを癒してくれる。
ポイントはたくさんあるが、まずはファシリティに目を向けたい。例えば温泉。すべての部屋に湯船とサウナ、それと水風呂を備えながら、大浴場を用意するなど連泊しても飽きないつくりをしている。源泉を大涌谷から引く箱根ならではの定評ある温泉だ。
レストランも充実している。5部屋に見合うよう5つのテーブルを並べながら、別に個室も備えているのだから恐れ入る。小さな子供連れもそうだし、プライベートにこだわりたい方は予約すればそこを使える。通常は小学生以上の利用を原則とするが、毎月第3土曜日と日曜日はファミリーDAYプランがあり、年齢制限なく家族で利用できるそうだ。小さな子のいる家族には個室はありがたい。
レストランでの食事は創作系モダンフレンチといったところだろうか。オープンキッチンで旬の食材を薪焼きを使った料理に仕立てる。薪焼きならではの香ばしさが味わい深い。食通を唸らせること間違いなしだ。
さらに言えば、正面玄関とは別のお部屋への導線もある。足の悪い方は階段を使わずそこから直接お部屋へ入ることも可能。もちろんプライベート度はMAX。
さて、冒頭の“ヤギ”だが、仙石原古今にはなんと3匹のヤギがいる。“織部(おりべ)”、“琥珀(こはく)”、“空(そら)”だ。それぞれ首輪の色で判別できるようになっている。で、宿泊者は所定のエサをやることができ、ヤギを身近に感じられる。手のひらのエサを食べる仕草に一気にファンになる方も多いとか。そのまま部屋に入らず、ずっとテラスでコーヒー片手にヤギに癒やされるのも悪くない。時間によってはエントランスでお迎えもある。
そんな仙石原古今の宿泊プランは様々。近くのレストランを使う朝食だけのプランもあれば、自宅までのハイヤー送迎プランもある。ディナーにドン・ペリニヨン付きも。個人的に気になったのは大人のひとり旅プラン。たまにはそんな気持ちになる。で、ここなら誰にも邪魔されずに一人の時間を過ごすこともできるし、
仙石原古今
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1245-280
TEL.0460-83-9585