SAIC “Wallet & Card Case”
フィレンツェ発 あの人気鞄職人の革小物
July 2021
上2点:フレンチオイルドカーフ×ゴートレザーの組み合わせによる財布。中央の折り目をきっちりつけず、柔らかな雰囲気の仕上がり。写真では見えないが、中も独特の構造。革の配色、ステッチの色使いなど、さりげない遊びが利いている。各¥66,000 中下:アリゲーター×ゴートレザーのカードケース。¥88,000 下:フレンチカーフ×ゴートレザーのカードケース。¥52,800 all by Saic / Afterhours
フィレンツェ在住のビスポーク鞄職人、村田博行氏が手がける「サイク」の鞄は、凜としていながら柔らかな表情を備え、イタリアの軽やかな仕立てのテーラードやカジュアルな服装にスッと溶け込んでくれる(instagram:@saic.firenze)。優雅なデザイン線、素材の組み合わせなど、優しさや上品さに満ちているのが魅力だ。が、氏の鞄を日本でオーダーできるのは年2回のトランクショー時のみ。加えて納期は約1年~と、手に入れるハードルは高めだ。
が、この度、そのサイクの革小物が、ごく少量だが日本でも入手可能となった。こちらも村田氏自身がすべてフィレンツェの工房で作っており、ステッチまでもが氏の手縫い。鞄同様に独特の曲線美やデザイン線が息づいていて、配色、革の組み合わせもらしさ全開。ぜひともオススメしたい逸品だ。
1984年、東京都生まれ。2009年にフィレンツェに渡ってCISEIの大平智生氏に師事。鞄作りを学ぶ。2015年に独立し、フィレンツェ市内に自身の工房を構え、「サイク」を始動。奥様の夕希子さんとふたりでビスポーク鞄を手がけている。革本来の柔らかな表情を最大限に引き出すデザインと、それを高度な技術で形にしているのがサイクの魅力だ。氏は頑なに否定するが、ファッション感度も高く(スーツ姿はレア!)、クラシックなスタイルに自然と溶け込む鞄を手がけている点も人気の理由だ。実家は青梅の天然藍染工房“壺草苑”。
本記事は2021年7月26日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue41