THE RAKE CHINA EDITION LAUNCH
THE RAKE中国版を創刊した男
August 2022
THE RAKEの中国版が3月に創刊した。共同発行人のジョージ・ワン氏にご登場いただいた。
George Wang
ジョージ・ワン
北京生まれ。11歳でカリフォルニアに渡り、大学を卒業後、香港の金融機関を経て、2015年、北京にブリオ ベイジンをオープン。現在はTHE RAKE中国版の共同発行人、そしてアトリエ・ブリオ・ペキーノのオーナーを務める。
スーツは彼のショップ、アトリエ・ブリオ・ペキーノで作ったもの。生地はロイヤルエアフォースブルーのロンドンラウンジ。シャツはサウスウィックのもので、ブルックスブラザーズのモデルをベースに、彼のかつてのショップ、ブリオ ベイジンのために特別に作ってもらったものだという。
「背景のアートは、LA在住のアーティスト、Michael Williamsの作品で、私のコレクションの中でも特に気に入っているものです。北京の自宅で撮影しました」
THE RAKEの発行拠点であるロンドン、ドバイ、日本にもうひとつ新たな拠点が加わった ―中国だ。しかも、その共同発行人が、今までも弊誌やインターナショナル版に度々登場してくれたジョージ・ワン氏だと聞けば、彼以上に今号のポケットガイドを飾るのにふさわしい人物は思いつかなかった。自身のショップ、アトリエ・ブリオ・ペキーノを持つ氏が、なぜ雑誌メディアを手がけるに至ったのだろう。
「私はクラシックなスタイルへの愛着から、2015年にブリオ ベイジン(現アトリエ・ブリオ・ペキーノ)をオープンさせました。殊にクラシックスタイルについては、ファッション以外もとても奥が深いですが、ショップ運営だけでは、できることに限界がありました。それが雑誌だと、より多くのトピックを紹介できます。私にとって雑誌メディアでの発信は、仕事が趣味のひとつとなるような試みなのです」
創刊号のテーマは“イタリアンスタイル”だという。
「男性のライフスタイルへの憧れについて考えるとき、常にイタリアが筆頭に挙げられると思ったからです。洒落者やファッション、クルマ、映画をはじめとする文化や歴史について紹介し、そのスタイルが現在に至るまでどのように形成されてきたかを読者がより深く理解できるようなお手伝いができればと思います」
今後の意気込みについて、こう語ってくれた。
「日本と中国は、あらゆる時代において、互いに文化を讃え合ってきました。これからもそれは変わることはないでしょう。中国と日本の人々の間には、まだ実現されていない多くの可能性があると思います。一番やりたいことのひとつは、日本版のコンテンツを中国版に掲載し、日本のいいところを紹介することです。同時に、日本の読者にも中国のよさを知ってもらえるような情報を提供していきたいです」
そんな彼が愛してやまないものは、どんなものだろう。じっくり見ていこう。
「ブレスレットは、靴職人の福田洋平さんのお兄さんが経営する日本のブランド、ガーデルのものです。シルバーの輪のひとつにブラックダイヤモンドをあしらったユニークなデザインです」
「靴はジョン ロブのロペスで、黒い鹿革です」
「指輪は、プラチナにローズゴールドでオパールの石を囲んでいます。どうしてそうなったのかはわかりませんが、石にヒビが入ってしまいました。おそらく私を悪いものから守ってくれたのでしょう。私がデザインし、ランファーニが作ってくれたものです」
「トレイはエルメス、財布はアフターアワーズで購入したスピーゴラのものです。愛車はポルシェの911 GT3で、クルマのキーホルダーはサイクの村田さんと一緒にデザインを考えました。茶色のヴォー・バレニアでできています。鍵の下に見える小さなてんとう虫のチャームはHISASHI HIDANOのものです」
「大切なコレクションを保管しているゴヤールの時計ケースは、3年前に香港のブティックでオーダーしたものです。8本の時計を収納できます。“AJV”は、私の子どもたちの名前の頭文字をとったものです」
2022年3月創刊のTHE RAKE中国版。季刊誌として年4回発行される。