Ornellaia: How a Super Tuscan Deepens with Age
歴史を重ねるスーパータスカン、「オルネッライア」の深化とは
February 2026
“若いうちから美味しい”と語られるスーパータスカンだが、熟成によって真価を見せる一本がある。最高峰「オルネッライア」の最新2022年と、2012、2005、2001年のバックヴィンテージを試飲し、時間がもたらす深化を追った。
text masato tanoue
ワインに親しみのある方なら、「スーパータスカン」という存在を一度は耳にしたことがあるであろう。イタリア・トスカーナ地方で固有の土着品種ではなく、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど国際品種を使用したトスカーナワインのことで、90年代にその地位を確立した。当時、これらの品種を使ったボルドーワインは長期の熟成が求められるものが多く、一方のスーパータスカンは若いヴィンテージでも美味しく飲めるということで一躍人気となったのだ。
そんなスーパータスカンの中でも最高峰と謳われるのが「オルネッライア」である。フィレンツェから約1時間、トスカーナ・ボルゲリの丘陵地に位置し、地中海からの海風を味方につけた独自のテロワールを持つワイナリーだ。
オルネッライアの畑に植えられた葡萄の樹の平均樹齢は20年を超える。ステンレスとコンクリートのタンクで発酵させて、新樽比率は70%。12か月間の樽熟成後にブレンドしてから樽に戻し、6か月間の熟成を経たのちに、さらに瓶にて12か月間熟成させた後に出荷される。
今回、「オルネッライア」の最新ヴィンテージとバックヴィンテージをテイスティング。“若いうちから美味しく飲める”というイメージのあるスーパータスカンだが、「オルネッライア」が熟成を経てどのような変化を遂げたのか、それぞれの魅力をお伝えしたい。
1981年に創設されて以来、進化を遂げてきた世界最高峰のワインの個性について語ってくれたのはワイナリーのオーナーであるフレスコバルディ家のランベルト・フレスコバルディCEOと技術責任者のマルコ・バルシメッリさん。試飲は最新ヴィンテージの2022年からスタートした。
ランベルト・フレスコバルディCEO(左)と技術責任者のマルコ・バルシメッリさん(右)。
「オルネッライア 2022」はカベルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロー25%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド10%。クラシカルなブレンドだが、味わいはモダン。プティ・ヴェルドの割合が例年より多く、その分、アグレッシブでタンニンもしっかりしている。凝縮度が高く、今飲んでも十分に楽しめるワインだ。
「オルネッライア 2012」はカベルネ・ソーヴィニヨン56%、メルロ27%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド7%。2011同様、乾燥したヴィンテージではあったが、果実味に溢れジューシー。13年経っているとは思えないほど、シルキーでスムースなテクスチャーである。
そして「オルネッライア 2005」はカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー22%、カベルネ・フラン14%、プティ・ヴェルド4%。優良なヴィンテージであり、クラシックではあるが、驚くほどのフレッシュさを残すワインでもあった。20年経っても若々しく、ようやく開きつつワインという印象である。
「オルネッライア 2001」はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、カベルネ・フラン5%。なおプティ・ヴェルドの使用が認められたのは2003年からだ。バランスの取れた味わいで、スパイスのようなニュアンスを感じさせるエレガントな仕上がり。熟成をへてやっと飲み頃を迎えたエレガンスの極地といえよう。
ボルゲリのテロワールを説明するマルコさん。畑は主に石灰岩、粘土、砂、石、鉄の土壌によって構成。夏は涼しい海風、冬は丘陵が北風を遮り、一年を通じて安定した気候に恵まれる。
「伝統は大切だがイノベーションも大事」とフレスコバルディCEO。フレスコバルディ家がトスカーナで土地を購入したのは1100年頃。以来、その土地のアイデンティティを生かしながら、その土地にあった農業を行ってきた。偉大なワインは畑での仕事から生まれる。その信念のもと、ワイナリーは全ての畑を直接管理し、挑戦を繰り返してきた。一方で「革新はいつかは伝統に変わる」とも。「オルネッライア」の過去のヴィンテージから現在までを追いかけてみるとその変化と深化を強く感じることができる。
フレスコバルディCEOは「ワインはとてもシリアスな存在であり、真摯に向き合う必要のある存在だ」と語る。ボルゲリの地に散らばる区画ひとつ一つの個性を大事しながらひとつのワインでひとつのテロワールを表現する。そのワインは若くても十分美味しく飲めるのだが、熟成という魔法によってさらなるエレガンスを纏うのが「オルネッライア」の魅力でもあるのだ。
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