Michael Hill Interview
マイケル・ヒル・インタビュー
シルクの匂いを嗅ぐと
父親を思い出す
June 2018
その後、ブランドへ入り、マイケル・ドレイク氏に師事することとなった。アクセサリーだけではなく、トータル・ブランドへと成長したきっかけも、実はマイケル・ドレイク氏であったという。
「ドレイク氏は私にカスタマーとマーケットについて、すべてを教えてくれました。彼と世界中を一緒に旅していて、彼のワードローブは素晴らしいと思っていました。彼のスタイルこそ“ドレイクス”だったのです。彼は常々『タイはそれだけで独立してはいけない。タイは服装の一部であるべきだ』と言っていました。それが他のアイテムも作り始めた大きな理由です。もちろん、一度に多くのものをリリースする必要はありませんし、品質面で妥協をするつもりもありません。いいものだけを選んで、少しずつアイテムのレンジを広げていこうと思っています」
ドレイクスの製品はメイド・イン・イングランドが多いことでも知られる。英国製にこだわる理由とは何かを聞いてみた。
「どうしても英国製にこだわっているわけではありません。われわれは世界中からベストであるものを探しています。イタリアには素晴らしいシルクがあるし、デニムやインディゴ染めは日本が一番です。しかしそれでも、英国に十分なクオリティのものがあるときは、英国の工場をチョイスします。なにしろわれわれは英国人ですからね(笑)。タイもシャツも、英国にある自社工場で作っています」
自社工場のクオリティは、世界でも有数であると胸を張る。
「英国にあるわれわれの自社工場は、世界でもトップレベルの技術を持っています。とにかく製品のクオリティには、自信があります。例えば、“ハンドブロック・プリント”と言われる技術は、木製のスタンプを使って、シルク地の上に、ひとつひとつ手で模様を押していくのです。昔からある技術ですが、今ではそんなことをしているのは、私たちのところだけだと思います。なぜなら恐ろしく時間と手間がかかるからです(笑)。昔ながらのテクニックを使いつつも、新しいデザインに挑戦しています」