Hermès Collections for the Home

職人が生み出すオブジェ
エルメスの新作ホームコレクション

April 2023

photography maxime tetard

 

 

 

 

 エルメスは、ミラノデザインウィーク2023にて新作ホームコレクションを発表した。エルメスのホームコレクションには、アルカイズム、自然界からの活力、ミニマリズムの精神が反映され、洗練されたものだけでなく、粗野なものにも「美しさ」があると訴える。すべてのオブジェは、引き算の美学を体現している。素材からインスピレーションを引き出し、職人のノウハウによって生み出される堅牢で現代的なオブジェは、時の流れとともに美しく輝きを増すだろう。以下、代表的な作品を見てみよう。

 

 

 

 

《アンセル・ドゥ・エルメス》

 

アームチェア

 

 

 

 デンマークのデザイナー、セシリエ・マンツにより生み出された 《アンセル・ドゥ・エルメス》は、エレガントで構築的な佇まいが魅力的なアームチェアだ。力強い無垢材のフレームに一枚のレザーシートを組み合わせ、軽やかで洗練されたフォルムに仕上げられている。堅牢性とミニマリズムの融合という北欧の伝統を受け継ぐデザインである。

 

 

 

 

《コルデリ・アルソン》

 

ラグ

 

 

 

 ピエール・シャルパンがデザインしたラグにあしらわれているのは、鞍馬とフェンスポール、レーストラック、そして馬の頭のモチーフである。グラフィカルなラインとシンボリックな色使いが呼応している。リネン製の裏地に上質なコットンの紐で綿密に描かれたデザインが素材感を際立たせている。手刺繡による繊細なパターンのテキスタイルは、エルメスのクラフトマンシップを象徴しているようだ。

 

 

 

 

《コントゥール・ドゥ・エルメス》

 

ソファ

 

 

 

 ソファとしての原型を思わせるタイムレスな存在感が魅力の《コントゥール・ドゥ・エルメス》は、テキスタイルにスポットライトを当てたソファだ。ウールコットンのスラブキャンバス地を主役に、皮革工房としてのメゾンの伝統をさりげなく表現している。背もたれのボタンやアウトラインに施されたパイピングはレザー製。ファブリックの下に隠された脚にも光沢感のあるレザーが使われている。

 

 

 

 

《スフル・ドゥ・エルメス》

 

ランプ

 

 

 

《スフル・ドゥ・エルメス》はフィンランドのデザイナー、ハッリ・コスキネンが、ガラスという素材の性質を追求し生み出したランプである。明かりが灯っていても消えていても見る者の心を捉えて離さない。機能的でありつつも、どこか懐かしく親しみやすいフォルムは、シンプルでありながら力強さも感じさせる。カシス、フゼア、オランジュ・ブリュレの3色展開となる。

 

 

 

 

《パティネ・ドゥ・エルメス》

 

 

 

 メゾンの起源、馬具づくりにまつわる素材であるレザーとブロンズを組み合わせたオブジェである。深みのあるブロンズのパティネ(古色)は、日本の伝統技術から生み出されたものだという。蝶番でつないだツートーンカラーの蓋はルージュ・キャプシーヌの色に塗られ、鮮烈なコントラストを生み出している。

 

 

 

 

《コンセルヴァトワール》

 

チェア

 

 

 

 ジャスパー・モリソンは、1930年代にエルメスが生み出したレザーチェアに現代的な軽やかさをもたらした。レッグをやや細くし、全体のプロポーションを刷新することで、モダンなフォルムへと生まれ変わらせたのだ。シートには最上質のレザーを使用し、当時の仕上げを忠実に再現している。このチェアのために、新たに光沢感のあるヘリテージレザーが開発されたという。

 

 

 

 

《ソー・エルメス》

 

テーブルウエア

 

 

 

 陽気にくつろぐ食卓を彩るポーセリンのテーブルウェア・コレクション。フランスのアーティスト、ジョシェン・ギャルネールは、障害飛越競技の国際大会「ソー・エルメス」にインスピレーションを得て、フェルトペンで自由で動きのあるモチーフを描いた。柔らかなトーンに彩られた馬術の世界が、ほがらかでカラフルなひとときを演出する。

 

 

 

 

《カザック・エシキエ》

 

プレード

 

 

 

 メゾンのアーカイブからインスピレーションを得たカシミアのプレード。織り成されたモチーフはカザックと呼ばれる騎手の勝負服を表し、色彩豊かでコントラストの美しい織り糸がユニークな模様を生み出している。パターンによって複数のシャトルやイカットの技術を使い分け、そのすべてが手紡ぎ、手織りで行われている。

 

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