GIORGIO DAMIANI INTERVIEW
「誠実な紳士であれ」という
ファミリーの教えを今に
June 2020
「祖父の時代から受け継がれてきた、ダミアーニの創作テーマは、“伝統と改革のスピリット”にほかありません」。そう語るのは、次男のジョルジョ・ダミアーニ氏。ジョルジョ氏は、兄や姉と共にジュエリー工房に併設された屋敷で暮らし、まさに“宝石に囲まれて”育ってきた。幼少時の想い出と共に、家訓として教えられてきたダミアーニのスタイルというものについて、ジョルジョ氏はこう語る。
「『ダミアーニ』というブランド名は我々の名前であり、私たちの生き方そのものを映し出す鏡である、と教えられてきました。ですから、この名前に恥じぬものを作らなくては、という緊張感はいつも心のどこかに存在しています。かつ私たち3兄弟、グィドとシルヴィアと私はとても仲が良くて。父と母から教えられたジュエラーとしての在り方を、ファミリーが団結して今も護り続けられるということ。それがダミアーニの大きな強みであり、魅力でもあるのでしょう」
同様にジョルジョ氏の胸には、“誠実な紳士であれ”という父の教えも色濃く残っているという。
それはすなわち、最高品質の宝石を世界中の鉱山から探し求め、それをジュエリーにするための職人技と次世代の育成を決しておろそかにしないこと。現在も商品開発部門責任者として、工房の最も近くで職人の姿を見つめてきた、いかにもジョルジョ氏らしい言葉である。
「製作への情熱をなくしては、完璧なジュエリーというものは完成しません。最高峰の技術へと向き合ってきたクラフツマンシップがあってこそ、新たな“モード”は生まれるのです。現代に求められる感性を、デザインや金細工における我々の歴史的な知識と技術をもってして、新たに表現していく。過去から受け継がれてきた伝統と現代の風景を融合させていく、その絶妙なバランスが、ダミアーニにしかないクリエーションとして進化していくのだと思います」