CREDOR “Locomotive Limited Edition”

ジェラルド・ジェンタ デザインの名作が限定モデルとして復活

July 2024

ベゼルの飾りネジは機能ネジに進化。また、文字盤は蒸気機関車の蒸気のような繊細なパターンを生み出すべく、約1600本の線を1本ずつ機械で彫刻。見る角度や光によってさまざまな表情を見せる。世界限定300本。自動巻き、Tiケース、38.8mm。¥1,760,000(8月9日発売予定)Credor(セイコーウオッチお客様相談室(クレドール)TEL.0120-302-617)

 

 

 

 ジェラルド・ジェンタはブランド以上に名声を獲得した唯一のデザイナーだ。数々の傑作を生み、「時計界のピカソ」と称された彼が、実は日本製の時計も手がけていたことをご存じだろうか。「ロコモティブ」―セイコーウオッチによる高級ドレスウォッチブランド、クレドールが1979年に発表した時計だ。六角形ケースと6本の飾りネジを備えたベゼルは、モデル名が意味する「蒸気機関車」がモチーフ。テクニカルな一体型ブレスレットも相まって、ひと目で彼のデザインとわかるユニークな意匠が特徴だった。

 

 クレドールは今年ブランド50周年を記念し、「ロコモティブ」を蘇らせる。といっても単なる再販ではない。1979年のオリジナル開発時のジェンタによるスケッチを改めて解釈し、当時は技術的に不可能だった細部まで実現。オリジナルよりもスケッチに忠実といえる外観となった。一方、現代的な進化も忘れない。ケースとブレスレットはスティールに代わってブライトチタンを採用。また、ムーブメントはクオーツに代わりクレドール専用の自動巻きキャリバーCR01を搭載する。オリジナルと同様のスリムなフォルムはスポーティ過ぎず、あくまでドレスウォッチ然としている。

 

「ロコモティブ」というモデル名には、「牽引力となるもの」の意味もある。グランドセイコーが近年特に国際的な評価を上げたように、このモデルがクレドールを牽引する大きな力の象徴として、ブランドの飛躍的な成長を予見させるのだ。

 

 

オリジナル開発時の、ジェンタによるスケッチ。今回のモデルではスケッチの通り、12時位置のインデックスが1本から2本に変更。またリュウズ位置も4時位置となるよう微調整されている。

 

 

1979年のオリジナルモデル。

 

 

「時計界のピカソ」と称されたウォッチデザイナー、ジェラルド・ジェンタ。2011年に死去。