ラウンドジップのクロコ財布で
装いを格上げする

text KENTARO MATSUO

 

 

 

 

　男の鞄がどんどん小さくなっているという。スマートフォンやペーパーレスが普及し、持ち運ぶべきものが減っているからだ。私の場合も、クレジットカードなどのカード類、領収書（これ大切）、多少の現金（自販機・駐車場に必須）があればいい。

 

　しかしながら、近頃流行りのサコッシュやミニトートなどは、大人の男が持つものとしては、少々気が引ける。そこで提案したいのが、大きめのラウンドジップ式の財布を鞄代わりにしてしまおうというアイデアである。素材はやはり、レザーの王様であるクロコダイルがいいだろう。

 

 

 

 

　ここで紹介するココマイスターの「クロコダイル・パーシモン」は、クロコダイル・レザーのなかでもより高価な鞄用のものを使い、一番価値のある背中部分を切り取って、大判のウロコを持つ財布に仕立ててある。一見小さな鞄のようにも見えるが、それがデザインの狙いなのだ。

 

　素材はフランス産の最高級クロコダイル（通称イリエワニ）で、鞣しの工程はすべてハンドメイドで行われている。鞄用のクロコダイルは育てるのに費用と時間がかかるため、とても希少でハイプライスである。長財布は1枚の革からそれぞれのひとつだけしか取れない。ウロコの模様を均一に美しく仕上げるためである。

 

 

 

 

　クロコダイルの財布は、他の牛革製品を作る職人ではなく、クロコダイル一筋で生きてきた熟練した職人が手掛けているという。ウロコの裏部分などを地道に手作業で削るなど、専門のテクニックが必要なためだ。

 

　内部にはフランス産のボックスカーフ（生後半年以内の仔牛のみを使用）が張られている。細かく繊細な水シボが特徴とし、マットな風合いが上品だ。財布は180度開くことが出来、札入れ、小銭入れ、カードホルダーが機能的に配されている。

 

 

 

 

　これをクラッチバッグのように小脇に抱えて、また無造作に掴んで携行しよう。スーツからカジュアルまで、どんなスタイルにも似合う。クロコダイル・レザーの圧倒的な存在感が装い全体の格を、ワンランクもツーランクもアップさせてくれるだろう。

 

 

ココマイスター“クロコダイル パーシモン”

毎日使う財布がお洒落の格上げアイテムとなる。ブラック、ブラウン、ブルーなど全10色のバリエーション。サイズ：H11.5×W21×D2.3cm／札入れ×2、ファスナー付き小銭入れ×1、カードポケット×18、フリーポケット×2　¥560,000　Cocomeister（公式サイト）