BESPOKE YOUR WORLD: Yasuto Kamoshita

鴨志田康人、春のビスポークを楽しむ

May 2022

クラシックなビスポークスーツは、一度仕立てるとずっと着続けられる。

今回ご紹介する鴨志田氏のビスポークスーツの中には、30年以上愛用し続けているものも。

コーディネイションでその年の気分を表現する氏の装いは、THE RAKEが理想とする姿だ。

 

 

 

text yuko fujita

photography natsuko okada

 

 

 

(左)

最も所有している大定番

オフホワイトのコットンスーツ

2013年にリヴェラーノ&リヴェラーノで仕立てたオフホワイトのコットンツイルのスーツに、シャルベのシャツ、ユナイテッドアローズのニットタイ、シモノ ゴダールのチーフ、アンダーソンズのベルト、パンセレラのホーズ、カルミナのスエードスリッポン。「オフホワイトのコットンスーツは今では4~5着所有しています。グレイのベルトと靴を合わせているのは自分らしいかなと。夏のリッチカラーは暑苦しく見えてしまうので、美しくクールに見える色使いを心がけています」

 

(中央)

マスタードカラーの

コットンギャバジンスーツ

リヴェラーノ&リヴェラーノのコットンギャバジンスーツは2010年に仕立てたもの。「春夏らしい素材を楽しみたいので、スーツはコットンやリネンでオーダーをすることが多いですね。ボーダーのカットソーは2022年春夏のカモシタの新作です。エスニックというかアジアな雰囲気が今カッコイイなと思っていて、こういう合わせが新鮮かなと」。スタンドカラーシャツ¥23,100 Camoshita、スリッポン¥35,200 Benson Shoes/both by United Arrows Roppongi Hills

 

(右)

春夏の装いに欠かせない

ウールソラーロのスーツ

ウールソラーロのスーツは鴨志田氏の春夏のスタイルに欠かせない大定番で、2008年に仕立てた写真のリヴェラーノ&リヴェラーノのほかに、チェーサレアットリーニとソブリンのものを所有しているという。ペールトーンのピンクのシャツにヴィンテージのカラークリップを使ってアクセントをつけているあたりは、鴨志田氏ならではの装いだ。「ソラーロのスーツはもちろん秋に着てもいいんですけど、冬が終わって春になって着るのが毎年待ち遠しくなるくらい大好きなアイテムです。オリジナリティがあって飽きないですよね」。タイはステファノ ビジ、ポケットチーフはヴィンテージ。シャツ¥22,000 Paul Stuart

 

 

 

(左)

単品使いでも楽しむ

ブルーリネンのスーツ

リヴェラーノ&リヴェラーノのブルーリネンのジャケットは2010年にスーツで仕立てたもの。胸ポケットに挿しているのはヴィンテージのバンダナ、ウォレス&バーンズの5ポケットピケパンツ、オールデンのローファー。「スーツで着ることはもちろん、単品使いをしてカジュアルに合わせても愛用しています。中に合わせたのは今季のカモシタのTシャツ。昔から紺ブレに白Tシャツを合わせたりと、テーラードジャケットをシンプルに崩して着るのを楽しんでいます。ちなみにオフホワイトの5ポケットピケパンツも私のマストアイテムです」。ボーダーTシャツ¥16,500 CamoshitaUnited Arrows Roppongi Hills

 

(中央)

愛してやまない

シアサッカースーツ

2013年に仕立てたリヴェラーノ&リヴェラーノのシアサッカースーツ、シャルベのラウンドタブカラーシャツ、ヴィンテージのタイとチーフ。「春夏で最も好きなスーツはシアサッカー素材のものです。学生時代にも愛用していましたが、子供っぽくなりがちでしたから、この歳になってからのほうが自然体で着られて、さらに楽しむことができるようになりました。白シャツ、ネイビーのニットタイといった王道のスタイルから、清々しいトリコロールで自分らしさを演出した、今日のようなちょっぴりヒネリを入れた着こなしまで、いろいろなコーディネイトを楽しんでいます。ヨボヨボになってもずっと着続けていたい一着です(笑)」

 

(左)

これぞイタリアらしい

美しいブルーモヘア

1994年に仕立てたリヴェラーノ&リヴェラーノのモヘア混スーツに、シャルベでオーダーしたシャツ、ラルフ ローレンのタイ、シモノ ゴダールのチーフ、ジョン ロブのローファー。「94年はクラシコイタリアが盛り上がりを見せ始めていた頃で、当時は私自身もイタリアにすごく興味があったので、この鮮やかなブルーに憧れて作ったのを覚えています。それ以前ってこういう色はなかったですから。シャルベブルーとでもいうべきペールトーンのブルーシャツも私の定番です。ネイビー系のスーツにブルーシャツの合わせって、いつ着てもカッコいいですし誰が着ても似合いますし、清潔感もあって、これだけは飽きることがありません。男の永遠の定番ですよね」