A Luxury and Cozy Club Lounge at The Ritz-Carlton, Tokyo
【宿泊記】その土地土地の色がより濃ゆく!進化したザ・リッツ・カールトン東京のクラブラウンジ
January 2024
text the rake
東京近郊に住んでいると、年末や記念日を除いて、都内のホテルに泊まる機会は意外と少ない。しかも帰宅するたびに「我が家が一番」なんて思ってしまったり……。しかし、“自宅のように過ごせるクラブラウンジ”があれば話は変わってくるのではないだろうか。
小腹が空いたら冷蔵庫を開けて食べたいものを取り出し、本が読みたくなったら気になる本を手に取り、仕事モードの時には気持ちを切り替えて集中。そんな滞在が叶う数少ないホテルが都内にはある。それこそが今回ご紹介するザ・リッツ・カールトン東京だ。
2015年に行われた拡張工事に伴うコンセプト変更を経て、「もうひとつの我が家」として過ごせるような空間へと変身した同ホテルのクラブラウンジ。いまもさらなる進化を続けており、その土地土地の色を感じられるサービスが増えているという。幸運にも体験する機会を得たので、詳しくご紹介していきたい。
クラブラウンジの「ダイニングルーム」エリア。目の前を遮るものがないため、天気の良い日には富士山も望める。
クラブラウンジがあるのは、ホテル最上階の53階。ダイニングやバー、そしてホテルロビーがある45階からさらにエレベーターを乗り継ぐと到着する。
他のホテルと同様、到着したらまずはクラブラウンジでのスムーズなチェックインを。特に他のゲストとチェックインが重なってしまう時間帯には、この少しの違いで快適さが格段に変わってくる。もちろんチェックアウトもここで可能だ。
ちなみにザ・リッツ・カールトン東京では、「ザ・リッツ・カールトン スイート」や「プレジデンシャルスイート」「モダンジャパニーズスイート」などの8種のスイートはもちろん、クラブレベルの客室は追加料金不要でクラブラウンジのさまざまなパーソナルサービスを利用できる。
ラウンジ内は、「レセプション」「ガーデンテラス」「ダイニングルーム」「ライブラリー」と4つのエリアに分かれている。どのエリアも大きな窓に面しており、天気のいい日にはどの席からでも富士山を望める。西側に面しているため、普段都内で生活している時には気に留めていなかったサンセットの美しさにも感動するだろう。
クラブラウンジの「ライブラリー」エリア。
席に案内されたら、ホテルオリジナルのウェルカムドリンクがサーブされる。ホテル内でもここでしか飲めないこのウェルカムドリンクは、季節によってフレーバーが変わる。12月に訪れた際には「柚子」のスパークリングジュースだったが、春には「桜」になったりと、季節の移ろいを感じられるようになっている。
なによりも特筆すべきは、フードのプレゼンテーションタイムが1日5回に分かれていること。これは全世界のザ・リッツ・カールトンに共通で、それぞれの時間帯において、各地の魅力を感じられるメニューやサービスが用意されている。
タイムスケジュールは、14時30分から16時30分がアフタヌーンティー、17時30分から19時30分はディナー前のオードブル、20時から22時はコーディアル、そして翌朝7時から10時半が朝食、11時半から13時半が軽食タイムとなっている(12歳未満の子どもは「コーディアル」以外利用できる)。
つまり、16時半までにホテルに到着すれば、アフタヌーンティーを楽しみながらゆったりとチェックインが可能。しかもコーヒーや紅茶はもちろん、シャンパーニュをはじめとするアルコールも終日提供されているため、気分によってはお酒とともに午後のティータイムを満喫できる。
フロア中央にある、ゲストが自由に開け閉めできる大きな冷蔵庫には、小腹が空いたら楽しめるようなちょっとしたスイーツやヨーグルト、ソフトドリンク、さらにはさまざまな種類の瓶ビールまで用意されている。自宅のように好きな時に気軽に利用してほしいとの思いで、あえてこのようなスタイルにしているという。
この日のワインクーラー内のラインナップ。シャンパーニュや白ワインのほか、獺祭のスパークリングまで揃っていた。白ワインと赤ワインは常時4種類ほど、瓶ビールは日本のものから海外の銘柄まで5種類用意されていた。
アフタヌーンティーからもホテルの本気が窺える。メニューは季節をはじめとするテーマのもと緻密に考え抜かれており、約2か月ごとに替わる(タイミングによってはほぼ毎月替わることも)。繊細な技術によって作り上げられたそれは、目でも舌でも楽しめるハイレベルな仕上がりだ。ロビー階のラウンジで提供されているアフタヌーンティーと共通しているものだけでなく、ここだけでしか堪能できないものまで毎回用意されているのも嬉しい。
ザ・ロビーラウンジの人気アフタヌーンティーとテーマが連動することもある。筆者が訪れた時はちょうどクリスマスシーズンであったため、ロビーのクリスマスツリーを彩っていたイタリアの名門ジュエラー「ブチェラッティ」の世界観にインスピレーションを得たメニューとなっていた。
左:ウェルカムドリンク。右:アフタヌーンティー。上段から順に、スイーツ、セイボリー、スコーンが盛り付けられている。フェスティブシーズンを盛り上げてくれるような、色使いや素材使いに心が躍った。
荷物はすでに客室へ運んでくれているため、ティータイムを楽しんだ後どう過ごすかは、その時の気分に委ねたい。宿泊者は46階のフィットネスジムやプールに加え、温浴施設「ヒートエクスペリエンス」へもアクセスできるため、ディナー前に小腹をすかせるためにジムで身体を動かしたり、ジェットバスやサウナでリフレッシュするのもいいだろう。もちろんクラブラウンジで時間の経過とともに移りゆく景色を眺めながら仕事をしたり、ライブラリーエリアで読書タイムとするのもいい。
ちなみに温浴施設「ヒートエクスペリエンス」は、2000㎡を誇るザ・リッツ・カールトン スパ 東京内にありドライサウナやホットバス、シャワーを完備、その他24時間営業のフィットネスセンターや20mの屋内プールが隣接している。一汗流して気分転換するのに最適だ。
20mプールは4レーン用意されている。広々としているため自分のペースで気兼ねなく泳げるだろう。
46階の温浴施設「ヒートエクスペリエンス」ではドライサウナも人気。
「ヒートエクスペリエンス」のホットバスからも東京の景色を一望できる。
気の向くままに時間を過ごしていたら、もう時刻は18時を過ぎているだろう。筆者が訪れたのは12月だったため、窓の外にはすでにビル群の煌びやかな夜景が広がっていた。この時間(オードブルタイム)は、ふたつのエリアでそれぞれ温かい食べ物と冷たい食べ物のプレゼンテーションが並べられる。
温かい食べ物のエリアには、カレーや魚のムニエル、チキンやショートパスタが揃っていた。日によって、そばや米、パスタなど洋や和も日替わりで用意されるという。冷たい食べ物のエリアには、チーズやハム、野菜のテリーヌやマリネ、コンフィやサラダなど、ゲストを飽きさせない充実したラインナップだった。人によってはここだけでも満足できるだろう。もし物足りなければ、客室でルームサービスを頼んだり、好みのダイニングへ足を伸ばしたい。
クラブラウンジにはチェスも。
その後のコーディアルの時間に注目すべきは、国産クラフトジンのセレクション。ロビー階にある「ザ・バー」のヘッドバーテンダーである和田氏がセレクトしたジンが揃うのだ。王道のG&Tもいいし、お任せでカクテルを作ってもらうのもいいだろう。
筆者が訪れた日には、「Roku Gin」や「季の美」、「桜尾」に加え、なかなかお目にかかることがない「トーキョー ハチオウジン」まで用意されていた。チーズやドライフルーツ、マカロンやオリジナルチョコレートとともに、好みのドリンクを楽しみたい。
コーディアルの時間帯には照明も暗めになり、グッと夜の雰囲気に。窓の外に広がる夜景に息を呑む。
スタッフが作ってくれたジンを使ったおまかせカクテル。
「ザ・リッツ・カールトン スイート」のリビングルーム。
お腹も満たされ、心身ともにリラックスできたら、部屋へ戻ってバスタイムもいいし、また「ヒートエクスペリエンス」へ行くものいい。夜のくつろぎタイムを満喫したい。翌朝はゆっくり起きるのもいいが、朝のジムで太陽を浴びながら身体を動かすのもおすすめ。10時半までクラブラウンジでの朝食も可能なため、ゆったりと過ごせるだろう。
朝食イメージ。
朝食は、洋と和が毎日揃う。朝は白米と味噌汁派の筆者にとって、何よりも朗報だった。おかずは納豆や焼き魚、漬物や明太子などに加え、和洋どちらでも楽しめる「お好みの卵料理」のサービスも。出来立てのオムレツや目玉焼きはもちろん、牛頬肉の赤ワイン煮込みとチーズオムレツの「スペシャルオムレツ」や卵白焼きと季節の野菜を添えた「ヘルシースクランブルエッグ」、さらにはクロワッサンワッフル&季節のフルーツのコンポートまで楽しめる。
無論、パンやフルーツ、サラダにハム、ソーセージやヨーグルト、フレッシュジュースの種類も豊富で、洋食も非常に充実していた。メニューには書かれていなかったが、お酒を飲める方には「ミモザカクテル」もおすすめしたい。平日であっても、週末のような優雅な気持ちを満喫できるだろう。
キッズ用のメニューも。使用しているのが平飼い卵のみというこだわりも嬉しい。
その後は、もし時間に余裕があるならば、軽く散歩や仕事をして、ゆっくりチェックアウトしてみてはいかがだろう。広報の方によると、軽食タイム(11:30〜13:30)には“鍋料理”が提供されることもあるとか。ブッフェステーションにはあえて出していないというので、興味のある方はぜひスタッフに尋ねてみてほしい。
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気の向くままに、肩肘張らずに過ごせるザ・リッツ・カールトン東京のクラブラウンジは、定期的に訪れたくなる心地よいサプライズに溢れていた。遠くへ足を伸ばせなくとも、いつもとは少し違うくつろぎ時間を過ごしたくなったら、私はこの場所へ戻ってくるのだろう。
ザ・リッツ・カールトン東京
東京都港区赤坂9-7-1東京ミッドタウン
TEL.03-3423-8000
www.ritzcarlton.com/ja/hotels/tyorz-the-ritz-carlton-tokyo/overview/