VBC360周年を記念した バーニーズ　ニューヨークとのコラボを発表

　世界でも有数の歴史を持つふたつの会社がコラボレーションを行った。イタリアのヴィターレ・バルベリス・カノニコ（VBC）とアメリカ発のスペシャリティストア バーニーズ　ニューヨークである。VBCは1663年創業であり、世界最古のファブリックメーカーのひとつだ。なんと360年間にわたって高品質な服地を製造し続けている。今でも13世代続く創業者一族によって経営され、家業歴200年以上の企業のみが加盟を許される仏エノキアン協会のメンバーでもある。対するバーニーズ　ニューヨークは1923年創業であり、本年で100周年を迎える。

　両社の節目の年に、マイルストーンとなる特別なプロジェクトが発表された。VBCの新たな機能性ファブリック“OFFLIMITS（オフリミッツ）”をメインに使い、現代的で機能的なクロージングに落とし込んだ新しいコレクションだ。デザインはビエラを本拠とするイタリア人デザイナー、ピエランジェロ・ダゴスティン氏率いるPDAが担当した。ダゴスティン氏はかつてhLam（ラム）のデザイナーとして活躍した人物だ。

　コンセプトは「時代背景をとらえたビジョン」と「自然と調和するタイムレスなデザイン」。出来上がったアイテムは、すべてウェアラブルでコンフォートなものだ。年齢や性別にとらわれず、さまざまなライフスタイルに寄り添う。

　去る3月31日、バーニーズ　ニューヨーク銀座本店で、VBCの13世代を継承するCEO、アレッサンドロ・バルベリス・カノニコ氏、バーニーズ　ニューヨークの取締役クリエイティブディレクター、谷口勝彦氏、ピエランジェロ・ダゴスティン氏によるトークショーが開催された。来場者はオリジナル・カクテルを傾けつつ、三者の話に聞き入った。バーニーズ　ニューヨーク銀座本店と六本木店では、このプロジェクトのコンセプトを表現した谷口氏によるウィンドウディスプレイが、約2ヶ月間にわたり展開される（銀座本店：3月31日〜4月25日、六本木店：4月28日〜5月22日まで）。今回のコレクションは、ファッションのみならず、サステナビリティやCSRにも配慮されているという。コロナ禍後の新しいライフスタイルを提案する、注目のラインナップとなっている。

text kentaro matsuo