Saturday, November 9th, 2019
チューダーの歴史を物語る
幻のプロトタイプが遂に復刻
ロレックスの創立者が手掛けたスイスの腕時計ブランド「TUDOR(チューダー)」から、1960年代後半にアメリカ海軍に向けて開発した幻のプロトタイプ「BLACK BAY P01(ブラックベイ P01)」が復刻した。
50年の時を経て現代に蘇った本モデルは、当時チューダーがアメリカ海軍にダイバーズウォッチを提供していた時に開発したもの。政府の基準を満たすため、技術者たちの叡智を結集した最新の機能が導入されていたが、定番化されることなく幻のダイバーズウォッチになったという。復刻モデルは、ダイバーズウォッチとセイリングウォッチの要素を併せ持っており、衝撃を軽減させる4時位置のリューズ、接合部をカバーするとともにベゼル部分を分解しメンテナンスを容易にしたヒンジ仕様のエンドリンクなど、かつてのプロジェクトで生まれた実験的精神と知られざる歴史の一面が垣間見えるデザインになっている。
特筆すべきは、ブラックベイ P01は単なる過去モデルの復刻に終わっていないということ。ダイアルにはルミネッセンスのアワーマーカーが配され、他のブラックベイ同様アイコニックな角型の「スノーフレーク」時針を採用しているほか、12時位置のエンドリンクにより両方向回転ベゼルの回転防止機能を備えるなど、現代的な機械式時計の要素も搭載している。過去と現在の息吹を感じる新作だ。