愛を込めて花束を
Thursday, October 1st, 2020
text shige oshiro
映画『銀の靴』(1951年)にて、デヴィッド・ニーヴン扮するB.G.ブルーノがヴェラ=エレン扮するジャネット・ジョーンズの家を、花束を持って訪れるシーン。Photo by RGR Collection / Alamy Stock Photo
最愛の人への贈り物を考えた時、何を贈るべきか、何を贈れば喜んでもらえるのか、いろいろと悩むものである。ただ、そんなプレゼント選びの時間はとても悩ましい時間でありながら、楽しいひと時でもある。
今回の私からの提案としては、改めてシンプルに「花束」を送ってみるのはどうだろうか、ということだ。相手のことを深く想い、相手のイメージに合った花はもちろん良いだろうし、花言葉や花にまつわる先人たちの美しい詩を参考に選ぶのも良いだろう。
ちなみに、フランスの国王ルイ14世は「太陽王」とも呼ばれるぐらいにヒマワリをこよなく愛し、フランス革命の皇帝ナポレオンはスミレの花を、ココ・シャネルはカメリアを愛していたという。そういった自分の「人生の花」をひとつ決め、大切な人に贈るのもまた楽しそうである。
私が人生で初めて花束をプレゼントしたのは、幼少期のことだ。父親からもらった幾ばくかのお小遣いを握りしめ、ガチガチに緊張し、顔を赤らめながら、近所のお花屋さんへ買いに行ったことをいまでも覚えている。
「これで、たくさんのカーネーションをください」と。到底“たくさん”なんて買えるはずもないのだが。照れ笑いをしながら、母に手渡した。あの時の、いまは亡き母の「満面の笑み」は今でも忘れられない。きっと花束は、贈る方と贈られる方の両者を、ずっと心の中で結びつけてくれるのだろう。素敵な思い出として、いつまでも。
Letter from the President とは?
ザ・レイク・ジャパン代表取締役の大城が出合ってきたもののなかで、特に彼自身の心を大きく動かしたコト・モノを紹介する。