大人のタイムカプセル

Saturday, January 25th, 2020

text shige oshiro photography tatsuya ozawa

　世界的に愛好家が多く、投資としても魅力的な資産として知られる「ワイン」。

　お気に入りのワインは大切な人とすぐにでも分かち合いたいものであり、大切な人とワインを楽しむ時間は、この上ない幸せを与えてくれる。それと同時に、これぞと思ったワインを手に入れ、自宅のセラーでじっくりと経年変化を楽しみながら自分にとってベストなタイミングで嗜むことも、また楽しい。楽しみ方は人それぞれであるが、今回はあらためてプロの保管サービスをお勧めしたい。

　ご存じの方もいるとは思うが、ベリー・ブラザーズ＆ラッドやエノテカ、寺田倉庫をはじめ、各社が提供する昨今の保管サービスは、ますます充実したものになってきている。

　例えば寺田倉庫では、ワインを育てる温湿度の徹底管理だけではなく、預けたワインの情報もデータで管理してくれる。いつでも自分のスマホからワインのコンディションを確認でき、クラウド上に自分だけのワインノートを作ることもできる。さらに預けたワインの飲み頃から、現在の市場相場価格までも事細かく教えてくれる、まさに至れり尽くせりのサービスなのだ。

　今年は、数あるワインのなかから、私にとってメモリアルな年（THE RAKE JAPAN創業年等）の赤ワインを数十本預けることにした。5年、10年先に開けたいと思っている。

　この先熟していくであろうワインの香りや味わい、そしてちょっとだけ大人になった自分を想像すると、なんだかワクワクする。まるでタイムカプセルを埋めた小学生の頃に戻ったように。これから“時を経ていくこと”が、楽しみでしかたがない。