DORMEUIL -The 4 Luxuries-
フランスの名門ドーメル親子がオススメする4つのラグジュアリーファブリック
March 2025
photography tatsuya ozawa
styling akihiro shikata

DORMEUIL “SUPER BRIO”で仕立てたHOUSE STYLE OF DORMEUIL BOUTIQUE
〔ハウス スタイル オブ ドーメル ブティック〕1958年に発売された「スーパーブリオ(270/290g)」が今日まで愛され続けているのは、それだけ完成度の高い服地であり、抜群に仕立て映えがし、涼感、防シワ性など機能性に優れ、上品な光沢が高級感に満ちているという服地の本質が優れているからにほかならない。スーツは国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約6週間。3ピーススーツ¥531,300(オーダー価格)、シャツ¥41,800(オーダー価格)、タイ¥20,900、チーフ¥9,900 all by Dormeuil
1842年に創業したフランスの名門ドーメルは、これまでの歴史の中で数々の名作服地を生み出してきた。最も知られているのは1957年に発表された世界初のモヘア高混紡服地「トニック」だろう。その翌年に登場した「スーパーブリオ」もまた、春夏用モヘア服地の超マスターピースとなった。
「スーパーブリオ」はドーメル社が選定した、世界で最も美しい軽量キッドモヘアを贅沢に使用している。モヘア54%、ウール46%のシャンブレー生地は抜群の張り感と弾力性を備え、清涼感に満ち、防シワ性、ナチュラルで品のある光沢を備える。仕立て上がりの美しさは、多くの一流テーラーと歴史が証明してきた。これぞ、王道の風格!

1960年代の広告ビジュアル。当時のキャッチコピーは「LUXURY in mohair and wool」。真夏のホテルのプールサイドにて、水着の女性にスーパーブリオで仕立てたスーツの男性。生地に光のマジックをもたらすモヘアは同時に風通しが大変よく、ヨーロッパではもちろん、高温多湿な気候の日本でも大人気となった。

エグゼクティブのためのスーパー200’s RWSウール ドーメルを代表するラグジュアリーウールファブリックとしてスーパー160’sの「15.7(フィフティーン・ポイント・セブン」、スーパー180’sの「アンバサダー」が君臨していた中に、2023年、その上を行く「プレジデント」が仲間入りを果たした。スーパー200’s(13.5マイクロン)のウールを経緯とも120番手の双糸で織り上げられた「プレジデント」は、ドーメルのウールの中でも群を抜いてラグジュアリーで、ごく僅かしか流通していない大変貴重なファブリックだ。国家元首など、まさにプレジデントのためのファブリックとして君臨しているが、生地そのものは非常にクラシック。比類なき極上の光沢を纏いつつ、シックで落ち着きのある色柄が揃っている。この手のラグジュアリーファブリックはゴージャス感が前面に出がちだが、「プレジデント」は決してそんなことはなく、しっかりエレガンスを残しているのがいい。

Dominic Dormeuil
ドミニク・ドーメル1958年ロンドン生まれ。79年にドーメル社に入社。1999年、5代目CEOに就任。ヴィキューナ、キヴィアック、キルギスウールなど、数々の特別な原料を発見した。リーズ大学でテキスタイルマネージメントの学士号を取得している服のスペシャリスト。
お問い合わせ先
ドーメル青山店TEL.03-3470-0251
本記事は2025年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 63