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THE RAKEが提案する、オーダーを成功させる今選ぶべき至高の生地

July 2022

THE RAKEのオススメ生地②
Savile Clifford/WINTER HOP SACK
サヴィル・クリフォードの
ウィンターホップサック


秋冬にホップサックを色で楽しむ新提案

春夏を代表するホップサックを秋冬仕様にし、いいところを突いたカラーラインナップによる新提案。

サヴィル・クリフォードとは?英国の生地産業の聖地であるハダースフィールドの名門ミル。デザイナーのジュリー・フィッシュ女史による、ほかの英国のミルにはないツイスト感のある生地コレクションが揃っている。バウワー・ローバックとは創業時から今日に至るまで、深い繋がりがある。

 昨今の著しい温暖化の中で、クラシックの世界で新たに見られるようになった面白い傾向のひとつが、これまで春夏向けとされてきた素材や織り組織が、新しい見せ方で秋冬の生地として提案されるようになったことだろう。わかりやすい例をあげると、アイリッシュリネンは本来春夏の素材だが、黒やダークブラウン系のカラーリング、ウェイトのある生地で秋に楽しむ素材として提案するテーラーが出てきた、といった感じだ。

 そんな流れを象徴する大変面白い生地を打ち出しているのが、英国ハダースフィールドで創業し、現在はスキャバル傘下となっているサヴィル・クリフォードだ。英国のミルにはいわゆる“英国然”とした共通のデザイン・薫りがあるが、サヴィル・クリフォードは英国のほかのミルと比べていい意味で尖ったところがある。程よいツイスト感が生地にモダンな雰囲気を乗せていて、その塩梅が絶妙なのである。

 同社は今季、本来春夏向けで涼感溢れる織り組織のホップサックに、原毛・紡績・仕上げなどのあらゆる要素で変化をつけ、ウィンターホップサックなる生地を打ち出してきた。ユニークなのは、ラムズウールを使用し、先染めの26番双糸という極太番手の糸を経緯ともに用いている点だ。春夏のホップサック以上にざっくりと織り上げられていて組織感たっぷりの見た目でありながら、ラムズウールならではのとても柔らかな風合いに仕上がっている。自然な組織感を生かすため、フィニッシング工程での洗いとプレスを最小限に留めているのもこだわりだ。

 そして、充実のカラーラインナップ。上質なニットとも相性よく、これは楽しめるはず!

ウィンターホップサックで仕立てた逸品
TAILOR CAID(左)
ナチュラルショルダーでフロントダーツを省いた、センターベントのⅠ型がベース。これをミディアムフィットで合わせるのが、クラシックとモダンの両要素が溶け込むテーラーケイドの山本祐平氏のスタイルだ。ブレザーは国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ブレザー¥143,000~(オーダー価格)Tailor Caid / ⒶⒷ シャツ¥22,000~(オーダー価格)Otsubo Shirts、ニットタイ¥19,800 Atto Vannucci、トラウザーズ¥49,500 Dalcuore Trousers / all by Ⓐ

RUBINACCI(中央)美しいライトベージュの色合いと、ウィンターホップサックのざっくりした雰囲気がとても新鮮。ダブルステッチのスポーティな雰囲気をよりリラックスさせるべく、バンドカラーシャツを合わせるのも新鮮だ。国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥170,500~(オーダー価格)Rubinacci / ⒶⒷ バンドカラーシャツ¥22,000~(オーダー価格)Choya Bespoke、トラウザーズ¥59,400 Dalcuore Trousers / both by Ⓐ スカーフ¥16,500 Vincenzo Miozza / Mashimo & Co.,Ltd(真下商事 Tel.03-6412-7081)

SHIGEAKI NAOI(右)直井茂明氏が手がけるシゲアキ ナオイの服には、プライベートタイムで楽しみたい独特の洒落っ気が宿っている。ウィンターホップサックという切り口も斬新だが、英国のミルでこんな美しいレンガ色の生地が揃っているのは、サヴィル・クリフォードならではだ。国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥148,500~(オーダー価格)Shigeaki Naoi / ⒶⒷ トラウザーズ¥59,400 Dalcuore Trousers / Ⓐ マスタードニット¥36,300 John Smedley(リーミルズ エージェンシー Tel.03-5784-1238)

ウィンターホップサックで仕立てた逸品
DEGE&SKINNER(左)
1865年に創業した英サヴィル・ロウのディージ&スキナーは、エリザベス女王の護衛兵や王立騎馬砲兵隊などの服も仕立てており、まさにそのルーツを感じさせる一着。ブレザーは国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ブレザー¥148,500~(オーダー価格)Dege &Skinner / ⒶⒷ タイ¥31,900 Atto Vannucci、トラウザーズ ¥31,900 Drummers / both by Ⓐ シャツ¥27,280 Ascot Chang × Bryceland’s / Bryceland’s Co(ブライスランズ&コー Tel.03-6721-0133) チーフ property of stylist

HIDEAKI SATO(中央)クラシックなミラノスタイルを守りながら、顧客の内面を引き出す服を仕立ててくれる佐藤英明氏が手がけたピークトラペルの2Bジャケット。氏の服には常に控えめなソフィスティケーションがある。国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥165,000~(オーダー価格)Hideaki Sato / ⒶⒷ シャツ¥23,100~(オーダー価格)Choya Bespoke、トラウザーズ¥59,400 Dalcuore Trousers / both by Ⓐ スカーフ¥16,500 Vincenzo Miozza / Mashimo & Co.,Ltd(真下商事 Tel.03-6412-7081)

TIE YOUR TIE(右)前ダーツを省略したフィレンツェスタイルで、丸みを帯びた肩の雰囲気、絶妙なバランスのローゴージが美しい、タイ・ユア・タイの一着。ノーブルでありながらこれほど肩の力を抜いて着られ、絵になる服はそうはない。ウィンターホップサックとの見事なマリアージュといえよう。国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥170,500~(オーダー価格)Tie Your Tie、トラウザーズ¥132,000 Ambrosi / both by Ⓐ タートルネックニット¥36,300 John Smedley(リーミルズ エージェンシー Tel.03-5784-1238)

Ⓐ日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311(大代表)
Ⓑ伊勢丹新宿店 TEL.03-3352-1111(大代表)

本記事は2022年7月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 47

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