DAVID IS GOLIATH

デヴィッド・ガンディが手がける新ブランド

January 2022

デヴィッド・ガンディはおそらく、史上最も影響力のあるメンズファッションモデルだ。
素晴らしい容貌のみならず、卓越した知性と社会に対する行動力を持ち合わせている。
彼が立ち上げたブランド「David Gandy Wellwear」をフィーチャーしたファッションページをご覧いただきたい。
photography arnaldo anaya-lucca
fashion direction grace gilfeather
special thanks to Land Rover

David Gandy / デヴィッド・ガンディ1980年、イングランド出身。英国のモデルコンテストで優勝した後、ドルチェ&ガッバーナのキャンペーンに起用され、大ブレイクした。THE RAKEインターナショナル版をはじめ、数多くの雑誌の表紙や、ブランド広告に登場している。メンズのモデルとしては最も成功したひとりとされ、別格のスーパーモデルとして君臨している。

男のボディを引き立てる
大胆なグレンチェック
大柄のグレンチェックのダブルスーツは、とても英国的な一着。ワイドなショルダーと絞り込まれたウエストが男のプロポーションを引き立てる。デニムシャツを合わせることで、リラックスした表情で着こなせる。

ジャケット ¥338,800、トラウザーズ¥88,000、シャツ 参考商品 all by Ralph Lauren Purple Label
ブーツ 参考商品 Crockett & Jones
サングラス「Tatah」¥37,400 Moscot
時計「ロンジン アヴィゲーション ビッグアイ」自動巻き、Tiケース、41mm ¥445,500 Longines

 メンズファッション業界随一のスーパーモデルであるデヴィッド・ガンディは、いつも自分のペースで活動してきたが、人々に大きな影響を与えてきた。彼は一般的なファッションモデルの枠にとらわれず、独自の世界観を確立してきたのだ。

 2007年、ガンディはドルチェ&ガッバーナのフレグランス“ライトブルー”のキャンペーンでキャリアに火をつける。しかし、そのような大きなチャンスを与えられても、その後活躍を継続できないモデルもたくさんいる。モデル業界では、常に次世代のホットなモデルが控えているということを忘れてはならない。

 ゆえにガンディが過去15年間、第一線で活躍してきたことは、過小評価されるべきではない。例えば、無類の愛犬家である彼は、動物愛護団体「Battersea Dogs and Cats Home」をサポートしてきたし、メンズファッション業界や、職人およびクラフツマンシップを支援したりもしてきた。そういった一連の活動を経て、彼は誰からも好かれ、必要とされる唯一無二の存在となったのだ。

 そんなデヴィッドが今回、久しぶりにファッションモデルとしてTHE RAKEに戻り、エディトリアル・ファッションページに出演してくれた。なぜか? 彼がこの種のプロジェクトでどこかの雑誌に戻るとしたら、その経験と知性に鑑みて、THE RAKE以外のチョイスはあり得なかったからだ。

 さらに嬉しいオマケもある。彼が手がける新ブランド「David Gandy Wellwear(デヴィット ガンディ ウェルウェア)」のアイテムが、これらのルックに組み込まれていることだ。スタイルヒーローである彼が、自らのブランドをプロデュースするのは時間の問題だったのかもしれない。彼はこう語る。

「毎日の生活に欠かせないエッセンシャルなものから、人々の認識を変えていきたい。キャンペーンでは、老若男女、さまざまな人種が参加していますが、これこそが私の考える“ブランド”のあるべき姿です」

 コレクションの価格はリーズナブルだが、デザインや使用する生地には徹底的にこだわっており、高い耐久性とエシカルなリソースを追求している。

 ファッション業界は世界的パンデミックによって大転換期を迎えたが、私たちが習慣を変えざるを得なくなったことで、逆に注目を集めているものもある。デヴィッドは自分のブランドを、そのスイートスポットにしたいと考えているようだ。

 価格は最高でも85ポンドで、生地には防臭・抗菌効果がある。つまり、頻繁に洗濯する必要がなく、環境に配慮した製品となっている。またアロエベラの抽出物を衣服に使用することで、抗炎症、保湿効果をもたらしている。

 この新ブランドはまだ始まったばかりだが、デヴィッド・ガンディは今、彼のキャリアの中でかつてないほどに輝いている。

全身をモノトーンで
シャープなシルエットで
ネイビーのピンストライプ・スーツの上に、ブラックのダブル・チェスターフィールドコートを羽織って。ホワイトのコットンポプリンシャツには、ブラックのネクタイ。全身をモノトーンで、シャープなシルエットでまとめた一例。

コート ¥407,000、スーツ ¥399,300、シャツ ¥62,700、シルクタイ 参考商品 all by Ralph Lauren Purple Label
サングラス「Tatah」¥37,400 Moscot
ブーツ Myrqvist at The Rake

マスキュリンな
シグネチャー・スーツ
ブリオーニのシグネチャー・スーツ「ヴィルジーリオ」は、アーカイブからインスピレーションを受け、現代風に再構築された一着。ビルドアップしたショルダー、絞られたウエスト、シャープなカットは、マスキュリンで華やかな印象に。

スーツ、シャツ ともに参考商品 both by Brioni
タイ ¥28,600 Ralph Lauren Purple Label
帽子「Fairbanks Beaver Trilby」¥184,800 Lock & Co.
時計「ロンジン アヴィゲーションビッグアイ」自動巻き、Tiケース、41mm ¥445,500 Longines

ボンバージャケットと
トラウザーズのミスマッチ
ボリュームのあるムートンのボンバージャケットにテーラード・トラウザーズというミスマッチ感を楽しむ。インナーにはデヴィッド・ガンディがプロデュースしたブランド“デヴィッド ガンディ ウェルウェア”のヘンリーネックシャツをさらりと。

ボンバージャケット Cromford Leather at The Rake
ヘンリーシャツ David Gandy Wellwear
トラウザーズ New & Lingwood at The Rake

テーラードに
パーカを合わせて
カシミア製のプリンス・オブ・ウェールズ・チェックのコートのインナーに、コットン製パーカをコーディネイト。テーラードアイテムにリラックスウェアを合わせるのは、ポスト・コロナ時代の新しい着こなしだ。

コート ¥ 975,700 Loro Piana
パーカ David Gandy Wellwear
トラウザーズ 参考商品 Brioni
靴下 参考商品 London Sock Company
ローファー 参考商品 Ralph Lauren

大定番アイテムに
ジョガーで新味を
キャメル・スエードの“ヴァルスタリーノ”ジャケットは、メンズファッションの大定番アイテム。インナーにはカシミア製ロールネック、ボトムスにはデヴィッド ガンディ ウェルウェアのコットン製ジョガーパンツを大胆に合わせてみた。

スエードジャケット 参考商品 Valster
ニット Private White V.C. at The Rake
ジョガーパンツ David Gandy Wellwear
サングラス「Tatah」¥37,400 Moscot
時計 David’s own

PHOTOGRAPHER’S ASSISTANT: SAM ROBBINS
PHOTOGRAPHER’S ASSISTANT: MATT ALAND
GROOMING: ROB SCOTT AT LARRY KING


本記事は2022年1月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 44

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