VITALE BARBERIS CANONICO — SUPER 150's FABRIC

プロが認めるVBCと名作REVENGEの凄みとは?

September 2024

1663年に創業したイタリアの名門ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)。ブランドを代表する名作服地「REVENGE」と、VBCの魅力に迫る。
text yuko fujita
photography takeshi wakabayashi
styling akihiro shikata

青島 大樹氏(左)日本橋三越本店 アシスタントバイヤー1992年生まれ。2015年、三越伊勢丹に入社。日本橋三越本店のオーダーサロンで仕入れおよび企画を担当。VBCの生地では「リヴェンジ」のシャークスキンが大のお気に入りだという。休日は東京湾や相模湾沖でのルアーフィッシングにはまっている。

長谷川 喜美氏(中央)ジャーナリストヨーロッパのテーラーや職人文化の記事を中心に、多くの媒体で執筆。著書『サルトリア・イタリアーナ』は日本語版、英語版、イタリア語版と、世界で3カ国語版が出版された。日本と韓国と香港におけるVBCのPR&マーケティング アドバイザーを務めている。

稲葉 智大氏(右)イセタンメンズ バイヤー1987年生まれ。2010年、伊勢丹入社。伊勢丹メンズ館のドレスクロージング畑を歩み続けており、2018年よりバイヤーを務めている。豊富な人脈を駆使しながら、さまざまな企画を仕かけており、イタリアを中心とする海外の取引先からも絶大な信頼を得ている。

稲葉 イセタンメンズのオリジナルレーベルのスーツをスタートして3シーズン目になるのですが、上質なものをストレスなく長く着続けられることをそのコンセプトに掲げています。その中でVBCの「リヴェンジ」は、スーパー150’sが生む抜群のしなやかさ、上質感を醸し出しながら経緯双糸によるタフさを備えていることから、選んで間違いない素材のひとつとして私たちは捉えています。上質さとタフさのバランス感、プライスも含め、他にはない素晴らしいパフォーマンスを発揮した生地なんですよね。

青島 日本橋三越本店のメイド トゥ メジャーでスーツをお仕立てされるお客様は、じっくり吟味して本当にいいものを選びたいという方が圧倒的に多いんです。「リヴェンジ」のプライスはVBCの中では高額になりますが、それでも飛び抜けて高いわけではなく、実際にお手に取っていただくと、「これは素晴らしい服地ですね」と、その品質の高さに対する良心的な価格にも皆さん納得していただけます。それもあって、日本橋三越本店でも非常に人気の高い人気と生地となっています。

稲葉 イセタンメンズのスーツで使用している「リヴェンジ」はネイビーとチャコールグレーの無地のサージになるのですが、奥行きのあるメランジ調ですごく雰囲気があって素敵なんです。他の色柄、例えばチェックなどもオーセンティックでありながら色気に満ちているんですよね。

長谷川 そうですね、実際はプリンスオブウェールズチェックなどもラインナップされていますし、無地でも、リヴェンジの特徴としては先染めで色がメランジ調になっているのでファッショナブルに着ていただける。それゆえにネイビー無地でも雰囲気が格段に増すんです。

青島 「リヴェンジ」は個人的にも大好きな生地です。中でもシャークスキンが素晴らしく、製品になるとさらに仕立て映えがして、惚れ惚れしてしまいます。

VITALE BARBERIS CANONICO “REVENGE”同じスーパー150’sの中でも最高品質の原毛を使用し、英国生地同様に経緯双糸で織り上げた「リヴェンジ」は、ラグジュアリーなタッチの中に、ハリとコシも備え、長年の着用にも耐えうる名作だ。先染めの糸を使用し、奥行きのある色合いも魅力!

真のラグジュアリー生地に対するVBCの回答が「リヴェンジ」

THE RAKE そもそも「リヴェンジ」と名付けられた理由は何なんでしょうか?

長谷川 ひとつは、「リヴェンジ」がデビューした当時、イタリアで各生地メーカーともスーパー数値の過当競争になっていたことが背景としてあります。VBCは、それに対して闇雲に数値を高くするのではなく、2プライの経緯双糸にして丈夫さを出し、“実用性を備えた真のラグジュアリーファブリック”として「リヴェンジ」を導き出したわけです。

稲葉 「リヴェンジ」ってネーミングもキャッチーじゃないですか。長い期間扱わせていただいて、お客様の指名買いも増えてきました。生地メーカーの指名買いはこれまでにも稀にあったのですが、「リヴェンジ」を欲しいと、生地そのものを指名されるお客様がいらっしゃったのには大変驚かされました。

青島 「リヴェンジ」は他のメーカーの同じスーパー150’sと比較しても触ったときの滑らかさが明らかに勝っているんですよね。それは、高品質の原毛を買い付けるVBCの力だったり、他に類を見ない恵まれた最新設備のもと一貫生産されている背景も関係しているんだと思います。お客様に実際に生地に触っていただくと、皆さん、その素晴らしさに驚かれます。

長谷川 まさに青島さんがおっしゃっている通りで、それにひとつプラスすると、実はスーパー数値にはマイクロンの幅があって、VBCではスーパー150’sの数値の中で最大限、高品質な細い原毛を使用していて、それもひとつ大きな理由だと思います。だから「リヴェンジ」には、これが真のスーパー150’sだという彼らのプライドがあるのです。

青島 270g/mという目付けもそうですけど、3シーズン着用できる汎用性の高さも人気のひとつの理由だと思います。

稲葉 お客様がスーツを購入される際、機能性を重要視されているのを強く感じます。特にタフさはお客様にとって大切な要素で、クリースが取れない、仕立て映えがする、そういった強さみたいなものは一番求められているところだと思います。あとは、触ったときの風合いで、タッチが柔らかで上質であるというのはすごく大切で、それを両立した生地という点で、「リヴェンジ」の魅力は勝りますよね。

長谷川 ありがとうございます。最後に最新情報をひとつ! 7月のミラノウニカで発表されたのですが、VBCのすべての製品にQRコードが付くようになり、そこからアプリに飛んで、産地から製造工程に至るまですべての生産情報を提示できるようになりました。製品に関する詳細な情報や成分詳細にアクセスできる「パスポート」、製造工程やサプライヤーに関する詳細な情報を記した「ジャーニー」、原材料サプライヤーの所在地を地図上で確認できる「ソーシング」といったページに飛べて、それぞれが楽しくわかりやすく紹介されています。今後VBCの製品を手に取られた際はぜひお試しください。

稲葉 それは素晴らしいですね!

VBC FAIR INFORMATION

10月2日(水)— 10月15日(火)伊勢丹新宿店 メンズ館5階
テーラードクロージング

10月9日(水)— 10月22日(火)日本橋三越本店 本館2階
パーソナルオーダーサロン

VBCのラグジュアリーファブリックの大ベストセラー「リヴェンジ」を筆頭に、これまで本誌で紹介してきた数々の名ファブリックを集めたVBCフェアを上記日程で開催! 伊勢丹新宿店にはVBCの生地を使用したプレタポルテが並ぶ予定だ。