The Ritz-Carlton Osaka Unveils Newly Renovated Guest Rooms

【試泊記】客室を一新!ザ・リッツ・カールトン大阪がより上質なラグジュアリー空間へ

October 2024

1997年の開業以来、大阪・梅田でラグジュアリーの象徴として多くの人々に愛されてきたホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」が、この10月中旬に客室のリニューアルを終えた。本記事では、新客室の全貌に加え、滞在をさらに特別なものにするクラブラウンジやダイニングの魅力についても紹介する。

 

 

text yukina tokida

 

 

ヨーロッパのとある邸宅のような、クラシックで温かい空間が広がるロビー。

 

 

 

 2027年に30周年を迎える「ザ・リッツ・カールトン大阪」は、日本初のザ・リッツ・カールトンとして開業した大阪屈指のラグジュアリーホテルである。開業以来、その重厚でクラシカルなヨーロッパの貴族の邸宅を思わせる優雅な空間と、きめ細やかで温かいおもてなしが多くの人々を魅了してきた。

 

 そんな「ザ・リッツ・カールトン大阪」が今年、客室を大きくリニューアル。全291室のうち、ザ・リッツ・カールトンスイートとジャパニーズスイートを除く287室が新たな空間に生まれ変わった。

 

 今回の改装では「継承と新生」をコンセプトに、既存の魅力を残しつつ、機能性と快適さがさらに高められた。室内は淡いピンク、グリーン、グレーなどの柔らかく温かみのあるアクセントカラーで彩られ、落ち着きと安心感を与えてくれる。チェック柄のソファや、花柄のランプシェードなどのユニークで上品なディテールも相まって、客室はまるで上質な絵画のように美しく調和している。

 

 さらに、ベッド周りやソファ付近にUSBポート(Type-C対応)やコンセントが新設され、機能性も向上。モバイル機器の充電もストレスなく行える。また、ベッド上部に新たに取り付けられた花柄の装飾壁や随所に取り入れられている鏡が、部屋全体に明るさと開放感をもたらしている。

 

 

生まれ変わった客室のひとつ「ジュニアスイート」。

 

 

ベッド上部の装飾壁にあしらわれているのは、開業時から客室で愛されてきた花柄。

 

 

「エグゼクティブスイート」のリビングルーム。クラブラウンジアクセスつきの客室であれば、1日5アイテムまでの無料プレスサービスやウェイクアップコールとともにコーヒーまたは紅茶を客室まで運んでくれるサービスも利用できる。なお、ザ・リッツ・カールトン大阪の全客室にはTHE RAKE日本版が設置されている。すべての客室で弊誌をお読みいただける数少ないホテルのひとつなのだ。

 

 

 

 なお、マリオットボンヴォイクレジットカードの特典によるクラブラウンジアクセス権は、ザ・リッツ・カールトンブランドでは対象外。そのためより充実したホテル滞在を叶えるには、クラブアクセス付きの部屋(なかでもTHE RAKE的にはリビングルームとベッドルームを備えた72㎡のクラブスイートがイチオシ)を選ぶのがおすすめだ。

 

 特にザ・リッツ・カールトン大阪のクラブラウンジでは、朝から晩まで1日を通じて5回にわたって提供される厳選されたフードプレゼンテーションと、心のこもったホスピタリティが魅力。朝食や軽食から、アフタヌーンティー、レストランスペシャリティを含む夕食前のオードブル、そしてスイーツ&コーディアルまで、訪れるたびに異なる料理が並び、至福の時間を過ごすことができる。

 

 なかでも「レストランスペシャリティ」では、日替わりで選ばれたホテル内レストランの一皿を楽しめる。筆者が訪れた日には、イタリア料理「スプレンディード」で人気の「ブラータサラダ 金柑サルサラディッキオ」がふるまわれていた。さっぱりとした白桃とグリーントマト、香り高いオリーブオイルが添えられた一皿は、夕食前のアペリティフとしてぴったりだった。

 

 もうひとつ注目してほしいのが、今年の6月に就任したばかりのペストリーシェフ、フレデリック・モロー氏が手がけるアフターヌーンティー。ピアノの生演奏が心地よい1階「ザ・ロビーラウンジ」でも人気を博しているのだが、クラブラウンジ専用のスイーツとセイヴォリーが用意されている。季節によって内容も変わるので、訪れるたびに変化があるのも嬉しい。

 

 

ホテル34階にあるクラブラウンジ。

 

 

クラブラウンジでの朝食時のプレゼンテーション。和食も洋食も充実している。

 

 

ザ・リッツ・カールトンのアイコンであるライオンがトップについたスタンドで提供されるアフタヌーンティー。このスタンドが利用されるのは館内でもここだけだとか。

 

 

取材時の「レストランスペシャリティ」。ブラータサラダとフォカッチャが用意されていた。

 

 

クラブラウンジでは、営業時間の7時から22時の間、アルコールが提供されている。つまり朝からシャンパーニュやビール、カクテルも注文できる。

 

 

 

 他のラグジュアリーホテルと同様に、ここザ・リッツ・カールトン大阪にも多くの魅力的なダイニングがあるが、THE RAKEのおすすめとしては、中国料理「香桃(シャンタオ)」とフランス料理「La Baie(ラ・ベ)」のふたつを挙げたい。

 

 まず中国料理「香桃」では、料理長の皆上敬司氏と点心師の王勝君氏による独創的な広東料理と、ティーマスター兼ソムリエの小田氏が厳選したワインや中国茶のペアリングを楽しめる。コース料理だけでなく、アラカルトも充実しているため、大人数や家族でさまざまな料理をシェアしたい時に利用するのもおすすめだ。

 

 ワインや紹興酒はもちろん、常時10種類以上ラインナップしている多彩な中国茶は、料理との相性も抜群。大の中国茶好きである小田氏(カルチャースクールの講座で講師を務めているほど)の中国茶への情熱と豊富な知識に触れながら、好みの一杯を見つけるのも醍醐味だ。丁寧に淹れられた中国茶は味わいや風味が豊かなものばかりで、その幅広い個性に感動を覚えずにはいられないだろう。

 

 なお、来店したゲスト全員に振る舞われる温かいお茶も、同店オリジナルブレンドのこだわりのもの。店の名がつけられているそれは、華やかな桃のような香りを楽しめる一方で、どんな料理にも合うすっきりとした味わい。近々ホテルショップでの販売も開始するというから、ぜひチェックしてみてほしい。

 

 

5年前に一度改装したという店内は、店名にもある桃色が効果的に使われた華やかな空間。左奥の壁は桃の木がモチーフになっている。

 

 

前菜の盛り合わせで、刺身が出てくるのが「香桃」の特徴のひとつ。キッチンには同店専用の生簀があるため、捌きたての海鮮が提供される。この日は伊勢海老だった。刺身の右から時計回りに、ごま油であえたくらげの冷菜、アルコールを飛ばした紹興酒で香りづけをしたミニおくら、甘い金木犀のシロップでつけたミニトマト、釜焼きチャーシュー、豚トロのスパイシー焼き、醤油で味付けした蒸し鶏、きゅうりと茗荷とべにくるりという赤い大根の甘酢漬け、小茄子のおひたし。

 

 

鮮やかなオレンジ色がアイコニックなこちらは、エビとホタテを包んだ「海鮮の茶巾包み たらば蟹のソース 燕の巣添え」。

 

 

 

 そして同ホテルを語る上で忘れてはならない名店が、もうひとつのフランス料理「La Baie」。13回にわたりミシュラン一つ星を獲得し続けており、大阪屈指のフレンチの名店としても有名な一軒だ。店内には温かみのある木材が多用されており、こちらにも邸宅のようなエレガントな空間が広がる。

 

 同店のシェフを務めるクリストフ・ジベール氏は、パティスリー専門学校を卒業後、パリやニースで修業を積み、モンテカルロの「スポーティングクラブ・ド・モンテカルロ」やフランス国内の有名レストランで部門シェフを経験した人物。2002年に「La Baie」の副料理長として来日し、2006年から料理長を務めている。

 

 

「La Baie」のテーマカラーは真紅。店内に飾られている花やクッション、ソファ、ランプのシェードまでもが同じ色で統一されている。

 

 

 

 「La Baie」の料理は、フレンチにもかかわらず軽くライトな味わいが特徴。シェフの出身地であるブルターニュ地方や彼が研鑽を積んだプロヴァンス地方に由来する技法や表現を用いているほか、日本の食材を積極的に使っていたり、同店の名前の由来でもある「湾」にまつわるシーフードの食材が効果的に使われたりと、伝統を守りつつも新たな食材を使った独創性に富む料理を楽しめる。

 

 シグニチャーディッシュのひとつは、ドーバー海峡から空輸したオマール海老が主役の「オマールブルー ブランデーと改装のココット蒸し スパイスのきいたソース」。仕上げにワカメとともに蒸しあげたオマール海老を、オマール海老の出汁をつかったアジアンスパイスソースとビスクソースの2種類のソースとともにいただく一皿だ。付け合わせは、青海苔をまとわせたシャキッとした食感の赤蕪。別皿で提供される小皿では、オマール海老のツメが、卵黄とビネガーを合わせたベアルネソースとともに供される。旨みたっぷりのオマール海老をさまざまな味わいで余すことなく満喫できる、贅沢な一品である。

 

 

上3点:シグニチャーディッシュの「オマールブルー ブランデーと改装のココット蒸し スパイスのきいたソース」。

 

 

 

 先述の通り、ジベール氏はパティスリー専門学校を卒業していることもあり、同店ではデザートも充実している。シェフが幼少期によく食べていた一皿を表現した軽やかなデセールから、目の前でフランベをして仕上げてくれるクレープやサヴァランなどのクラシックなデザート、さらには目にも華やかなワゴンで運んできてくれるプティフールまで、非常に多彩なラインナップが揃う。ひとつひとつ丁寧に作り上げられた宝石のようなお菓子は、視覚でも我々の心を満たしてくれるだろう。

 

 ラグジュアリーな空間、心温まるサービス、そして美食の数々。「ザ・リッツ・カールトン大阪」は、ただ滞在するだけでなく、ゲストに忘れられない特別な体験を提供してくれる場所である。大規模な改装を経てさらに進化したこのホテルで、諸兄も日常を離れた贅沢なひとときを過ごしてみてはいかがだろう。

 

 今回の改装を記念して、以下の特別プランも登場した。

 

「客室改装記念プラン~承継と新生~プラン」

・宿泊対象期間:〜2024年12月30日(月)※到着日3日目前の要予約

・料金:1泊¥99,270~(1泊1室2名、税・サ料込み)※部屋タイプ等により変動

・プラン特典:改装した客室のモチーフを採り入れたエグゼクティブペストリーシェフ フレデリック・モローによるウエルカムスイーツ/ホテルクレジット20,000円分(1泊1室につき)/ザ・リッツ・カールトン大阪オリジナル ミスティーク リードディフューザー

 

 

ザ・リッツ・カールトン大阪

大阪府大阪市北区梅田2丁目5-25

TEL. 06-6343-7000

www.ritzcarlton.com/ja/hotels/osarz-the-ritz-carlton-osaka/

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