THE NEW BMW 8 SERIES
“美しさ”と“速さ”の新次元
September 2019
BMWクーペモデルの最高峰「8シリーズクーペ」が新たに登場した。
昨今、ミニバンやSUVなど背が高く広いモデルに人気が集まるが、
スポーティで極めてエレガントなこのクーペには独自の美学が宿る。
text manabu kamata
新しく生まれ変わり、じつに20年ぶりに復活を果たした「8シリーズ」は、洗練されたスタイリングと走りを標榜するBMWブランドのエッセンスが凝縮されたようなクルマだ。
BMW M850i xDrive
初代8シリーズはV12エンジンを搭載していたが、新型は出力と環境性能が大きく進化したV8。M Performance ツインパワー・ターボ・テクノロジーを採用するレスポンスに優れた4WDスポーツだ。全長×全幅×全高:4855×1900×1345mm、エンジン:4.4ℓV8ターボ、最高出力:390kW/5500rpm、最大トルク:750Nm/1800-4600rpm、0-100km/h:3.7秒、¥17,140,000 BMW Japan(BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL.0120-269-437)
全高1345mmと低く流麗なルーフラインとロングノーズが描き出すフォルムは、一切の説明を必要としない圧倒的な美しさを放つ。一方、刷新された駆動系は、ニュルブルクリンク北コースでのテストや過酷な試験を重ねて開発され、高度なパフォーマンスを誇る。
また注目したいのは、直前に前進したルートを最大50mまで記憶し、その同じルートをバックで正確に戻る「リバース・アシスト」という新機能。細い道に誤って迷い込んでしまっても、安全かつ簡単に元のルートに戻ることができるので、ボディサイズをあまり気にすることなく走行を楽しめる。
ところで振り返れば、多彩なラインナップを誇るBMWのなかにあって、ひときわプレステージ性の高いモデルに与えられる数字が「8」だ。30年前に発表された初代8シリーズは、リトラクタブルヘッドライトが特徴のラグジュアリークーペで、20年前に登場したZ8はM5のエンジンを積む贅沢なロードスターだった。そしてi8はプラグインハイブリッドのスーパーカーだ。新型8シリーズは、先輩に引けを取ることなくスタイリングと走りという、クーペの二大要素を堂々と極めてみせた。
クルマというのは、そのステアリングを握るユーザーの生き様や価値観を反映する特別なアイテムである。大人が極上のひと時を共に過ごしたくなる洗練されたクルマの登場を喜びたい。
ドライバーに向けられたセンターコンソールのコクピットは、走りを強く意識させる空間だ。音声やジェスチャー・コントロールにも対応する。
本記事は2019年5月25日発売号にて掲載されたものです。
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