THE DORMEUIL EXCELLENCE
ドーメルだからこそ手に入れられる4つの最高級服地
September 2024
photography takeshi wakabayashi
interview photography yuko sugimoto
styling akihiro shikata
DORMEUILの最高級服地①
Gold Forever〔ゴールド フォーエバー〕世界的に需要が高まっている華やかなパーティシーンに向けて今季新たに登場した「ゴールド フォーエバー」。スペシャルなゴールドのボックスは神々しいオーラを醸し出しているが、生地自体も強烈な個性を放っている。ベースはいずれもスーパー160’sのウール。デザインによってはドーメル社専用に紡がれた1/200番手のフィラメント糸を使用して光らせながら、フィニッシングでゴールドパウダーを含ませて高圧プレスしている。無地、ストライプ、チェックなど、全18デザイン。日本入荷は10セット限定。230g/m。
左から順に、ドーメル 青山店 店長を2011年から務める松田修和氏、ドーメル・ジャポンの創業メンバーでもあり取締役社長の鈴木貴博氏、イタリアの名門生地マーチャントを経てドーメル・ジャポンの営業を務める鈴木 学氏。今回は誰よりもドーメルをよく知るこのお三方に、ドーメルが誇る4つのラグジュアリーファブリックについて語っていただいた。
THE RAKE ドーメルの中でもとびっきりラグジュアリーな生地を紹介したく、4つのスペシャルな生地をご用意いただきました。最近のドーメルはスーパー160’sに相当する15.7マイクロンのウールを4プライの糸にして織り上げた傑作「15.7 4プライ」がビスポークシーンを賑わせていますが、今回のものはそれを超えるラグジュアリー生地なのでしょうか?
鈴木 学 そうですね、これまで『THE RAKE』でご紹介いただいてきた「15.7(フィフティーン・ポイント・セブン)」や、何十年と続いている「トニック」、「スーパーブリオ」といった生地とはだいぶ趣を異にするのですが、今季新たに登場した「ゴールドフォーエバー」が、かなり強烈なインパクトを放っています。
松田 名前からして強烈ですが、こちら、実際に生地に24金ならぬ23.75金を含ませているんです。ゴールドが煌(きら)めくのでビジネスシーンにはあまり向きませんが、華やかなパーティシーンで着るスーツやジャケットとしての需要はかなりあると思います。
鈴木貴博 世界的にはコロナ禍も明けてパーティムードみたいなものが出てきている中で、フラッシーなラグジュアリー生地を提案していこうという流れになったんだと思います。そういった華やかなパーティの場で、こちらの一着はいかがですか、という提案になります。
左上:スーパー160’sに23.75Kのゴールドパウダーを含ませた「ゴールドフォーエバー」は、無地、ストライプ、チェックなど、全18デザイン。右上:「ゴールド フォーエバー」のフィニッシング工程。左下:全獣毛繊維の中で最も繊細で柔らかなビキューナ100%で仕立てられたジャケットは、極上のぬめり感。右下:アンデス山脈の4000m級の高地に生息する「アンデスの女王」ビクーニャ。
松田 糸にして織り込むのではなく、パウダー状にして吹き付ける仕上げもドーメルが独自に開発したのもので、ドーメルの高い技術力があってこそ生まれた生地になります。ゴールドパウダーが入った水の中に生地をくぐらせるのですが、その水は本当にゴールドに輝いているんです(上記写真)。
鈴木 学 フォーマル、ステージ衣装、時間帯でいうと日中よりも夜の需要がありそうです。こちらのバンチは日本には限定10セットのみの入荷となります。
鈴木貴博 ゴールドのボックスに入ったバンチはかなりスペシャル感があります。パーティ用のスーツやジャケットを仕立てたいとお考えの方はぜひいちどご覧ください。
DORMEUILの最高級服地②
Pashmina〔パシュミナ〕かつてドーメルが生地における商標を取得していた「パシュミナ」が、久しぶりに復活。パシュミナとは、ヒマラヤの高標高地に生息しているカシミア山羊の特別な柔毛を指し、こちらはスーパー170’sウールにパシュミナを5%ブレンドした、220g/mのジャケット用ライトウェイトファブリックとなっている。全28デザインがラインナップされており、ベージュからブラウン系の柔らかな色合いの美しいチェックが充実。ドーメルにとって、久々となる秋冬用のラグジュアリージャケットコレクションとなっている。
THE RAKE 次は、久々に名前を聞いた「パシュミナ」です。パシュミナって何かというと、ヒマラヤの高標高地に生息しているカシミア山羊の、冬の間にだけ生える柔毛を指すようです。
松田 そうですね、「パシュミナ」は生地に関しては、以前はドーメルが商標登録を持っていたのですが、今回久しぶりにジャケット用生地コレクションとして登場しました。バスケットっぽいものやトロピカルなどバリエーションがあります。
鈴木 学 ウェイトも220g/mと軽いので、春や秋にも重宝すると思います。「15.7 4プライ」とは異なる、違ったかたちでのラグジュアリーになってくるのかな、と。「15.7」は120番手の糸にしているのですが、これはさらに細い142番手の糸を経緯双糸で織り上げており、さらにラグジュアリーな生地になります。ベージュやブラウン系、面白いところではグリーンがとても上品で美しく、合わせやすいチェックが揃っています。
松田 久しぶりの秋冬のラグジュアリーなジャケット生地コレクションになりますので、ぜひ注目してみてください。
DORMEUILの最高級服地③
Ambassador〔アンバサダー〕スーパー180’sの原毛を経糸・緯糸ともに2プライにして織り上げた「アンバサダー」は、まさにドーメルのラグジュアリーウールの“大使”の役を30年にわたって担ってきた、ドーメルを代表するラグジュアリーファブリックだ。大変しなやかかつ艶やかで極上のぬめり感がありながら、しっかり経緯双糸で密に織られているのでハリ・コシがあり、極細繊維では稀な安定性とパフォーマンスも備えた超名作生地となっている。全38デザインをラインナップ。220g/m。
THE RAKE そして、本誌でも紹介したことのある「アンバサダー」です。これを初めて触ったとき、凄く感動しました。
松田 スーパー180’sのクオリティなんですけど、経緯双糸でしっかり打ち込まれていますので、触っていただくとたっぷりのぬめり感の中にしっかりとハリとコシを感じていただけます。スーパー180’sの生地は繊細すぎて日常使いには向かないのでは、と敬遠される方は多いと思うのですが、安心してオススメできます。
鈴木貴博 ドーメルのトップラグジュアリーを知る人は、1着は持っていたい、そんな生地だと思います。これ見よがしな感じがまったくないのがよくて、着ている自分自身がとても気持ちよくなれて、そのよさを自分がいちばん実感できる、そんな生地です。
鈴木 学 約30年続いているので、本当にドーメルのアンバサダー的な生地になっています。このクラスで経緯双糸の生地というのは他ではなかなかないと思うんですよね。どのテーラーさんからも非常に評価の高い生地になります。今回のリニューアルは、内容もクラシックにまとまっていて、日本の市場にすごく合うと思うので、お客様の反応が楽しみです。
DORMEUILの最高級服地④
Extreme Vicuna〔エクストリーム ビキューナ〕「アンデスの女王」と謳われるビクーニャはアンデス山脈の超高地に生息するラクダ科の稀少動物で、獣毛繊維の中で最も繊細で柔らかく弾力性に富んだ毛の細さはなんと12マイクロン。「エクストリーム ビキューナ」は、ビキューナ100%で、330g/mのジャケット用4色(ブラック、ネイビー、キャメル、グリーン)、430g/mのコート用3色(ブラック、ネイビー、キャメル)が揃う。コート用はウロコ状のウェーブ仕上げになっている。バンチブックは日本には10冊のみ入荷。
THE RAKE 最後は「エクストリーム ビキューナ」です。
鈴木貴博 神からの贈り物であり、「繊維の宝石」といわれているだけあって、そのラグジュアリーさは突き抜けています。
松田 色数は厳選して絞り込まれていますが、やはり触ると圧倒的ですね。430g/mのコートが鱗のあるタイプで、330g/mのジャケット用がクラシックなタイプですが、いずれにしても贅沢ですよね。
鈴木 学 ビクーニャの毛の細さは12マイクロン。あらゆる獣毛繊維の中でビクーニャの毛が最も繊細なんですよね。
鈴木貴博 そのビキューナだから究極のコートやジャケットを仕立てるというのではなくて、青山店で展開しているブルゾンなどのカジュアルアイテムをMTMするのもアリだと思うんですよね。
THE RAKE 確かにビキューナを日常着に落とし込むって究極の贅沢ですよね。そんな服、いちど見てみたいです。
10月16日(水) — 10月29日(火)伊勢丹新宿店 メンズ館5階
メイド トゥ メジャー・オーダーメイド
10月23日(水) — 11月5日(火)日本橋三越本店 本館2階
パーソナルオーダーサロン
ご紹介したラグジュアリーな4つの生地を中心に、ドーメルの生地が一堂に会するドーメルフェアが、上記日程にて開催される。ドーメル青山店以外ではそうそうお目にかかれないドーメルの最高峰の生地に触れることができる、貴重な機会となりそうだ。
シンプルで研ぎ澄まされたアパレルも人気急上昇中!
若きヴィクター・ドーメル氏が中心となって刷新したレディトゥ ウェアのコレクションは、ドーメルのラグジュアリーな生地を贅沢にふんだんに使いながら、デザインも色使いも極力シンプルにまとめられており、今の時代にぴったりなエフォートレスな雰囲気を纏ったエレガンスを漂わせる。英国オックスフォードシャーを拠点とするTWCとコラボレーションしたダブルフェイスのカシミアベスト¥80,300、ウールニット¥44,000、カシミアジョグパンツ¥126,500、カシミアベースボールキャップ¥44,550、ウールとレザーのコンビネーションによるスニーカー¥52,800、「スポーテックス・ヴィンテージ」のコンビネーションによるバックパック¥88,000 all by Dormeuil(ドーメル 青山店 TEL.03-3470-0251)
5代目のドミニク・ドーメル氏の息子で、6代目を担うヴィクター・ドーメル氏が2021年に入社してから、ドーメルはブランドとのコラボレーションに積極的に取り組み始めたり、ブランドイメージのさらなる向上に着手するなど、社にイノベーションが巻き起こっている。
中でも注目したいのが、ヴィクター氏が中心となって取り組んでいるレディ トゥ ウェアのコレクションだ。ドーメルのラグジュアリーな生地を贅沢に使い、上品な色合いで美しくまとめられ、シンプルかつエレガント、それでいてエフォートレスなアイテムが揃っている。こちら、ヴィクター氏によって本格的にスタートしたeコマースで販売されているほか、日本では青山店で購入可能だ。
モンゴルのゴビ砂漠のカシミア山羊の毛を贅沢に使ったダブルフェイスのカシミア100%ブランケットもラインナップ。完璧なリラクゼーションと快適さをもたらしてくれる逸品だ。138×170cm。各¥170,500 Dormeuil(ドーメル 青山店 TEL.03-3470-0251)