SCABAL

スキャバル賢者だからこそ語れる私だけが知るスキャバルの魅力

November 2023

text yuko fujita
photography setuso sugiyama
和泉氏が語るスキャバルの生地
「ダイヤモンドチップ」然り、他には見られない独創性がある

和泉 圭
伊勢丹新宿店 メンズテーラード クロージングバイヤー
1991年生まれ。2014年、三越伊勢丹入社。ビジネススーツから用品雑貨まで幅広い領域でアシスタントバイヤーを務めたのち、シャツ&タイのバイヤーを経て、2022年からメンズテーラードクロージングバイヤー。プライベートブランドの開発にも携わっている。

「スキャバルが提案する生地には、他のメーカーでは出してこない独創性のある提案が感じられます。それは決して突拍子もないものではなく、どれもちょうどいい塩梅なんですよね。デザインは控えめでありながら生地の中に“語り”があるので、結果お客様をしっかり魅了してしまうんです。企業姿勢としてお客様のニーズに応えて生地を作っているのが自分には伝わってきます」と和泉氏。

 コレクションの中で特に面白いと思うのは、ダイヤモンドの破片をちりばめて織り上げた「ダイヤモンドチップ」や、同じくラピスラズリをちりばめた「ラピスラズリ」といった、突き抜けたラグジュアリーファブリックだという。

「まさに『ダイヤモンドチップ』なんかは他の生地メーカーではまず見られないものですよね。“最高のラグジュアリー”を纏いたいという王室やVIPのニーズに応えているわけです。これはさすがに売れないだろうと二の足を踏むのではなく、ニーズがあると踏んだら魅了させるだけのものを作り上げて提案してくる、そこがスキャバルの魅力であると思います」

 ダイヤモンドがちりばめられた生地と聞くと、これ見よがしなものを想像するが、実際はとても品がよく、とても控えめなエレガンスを感じさせる生地である。

「スキャバルの姿勢は『ダイヤモンドチップ』に限ったことではなく、他の生地コレクションにおいても同様です。同じラグジュアリーのゾーンではスーパー180’sの4プライ『ミラクル』なんかも感度の高い生地が揃っていて面白い。本当、お客様のことが見えているんです」

和泉氏が愛するスキャバルの名作生地

スーパー180’sの贅沢な 4プライ スーパー180’sの極細原毛を使用し、贅沢に4プライの糸にして織り上げた300g/mの生地が「ミラクル」。「スキャバルらしいラグジュアリーを感じさせ、シンプルに素晴らしいなって思わせるタッチです。加えて、感度の高い方にも満足いただける色柄・デザインが揃っているのも魅力です」

ダイヤモンドをちりばめた極上服地スーパー150’sのウール80%&シルク20%、それにダイヤモンドの破片をちりばめた260g/mの生地が「ダイヤモンドチップ」。「通常のウールでは出ないような煌びやかな感じがさりげなく出ていて、シンプルにきれいでラグジュアリーだなと思わせる質感です。これでタキシードを仕立てたら、最高に素敵ですよね」

ティッセン氏が語るスキャバルの魅力
ビジネスシーンで愛用しているのは艶やかで高品質な「ロンドナー」

グレゴー・ティッセン
スキャバル エグゼクティブ チェアマン
1938年に創業した、ベルギー・ブリュッセルに本社を置く生地マーチャント、スキャバルの3代目。MBA、金融業界での経験を経てから、1991年よりファミリービジネスのスキャバル社に。2006年よりCEO、2013年よりエグゼクティブ チェアマンを務めている。

「スキャバルというブランドの最大の魅力は、生地コレクション全体における品質の高さにあります。まず原料の段階から徹底してこだわっています。トレーサビリティ・サステナビリティを強く意識し、環境にも配慮したかたちで上質な原毛の使用を徹底し、それを生地にしていきます。スキャバルを語るうえでの基本がまずそこにあり、そのうえで非常に幅広いコレクションを揃えているのが我々の強みです」と話してくれたのは、スキャバル社の3代目でエグゼクティブ チェアマンのグレゴー・ティッセン氏。

 そのスキャバルの膨大なバンチコレクションの中で、テッィセン氏が特に気に入っている生地は何かを訊いてみた。

「オケージョンごとにそれぞれ異なる最適なスーツがあると思うのですが、それの基になっているのは生地であり、その生地こそがよい生地であると考えています。ビジネスでの商談、フォーマルなパーティ、レストランでのデート等、シーンによって適したスーツや生地は異なるわけです。だからこそ、多くの人に満足いただけるよう、バラエティに富んだ高い品質の生地コレクションを揃えているのです。ただ、私のライフスタイルの中で、普段仕事のシーンで最も好んで着ているスーツの生地は、ひとつはスーパー140’sの英国製生地コレクション『ロンドナー』でしょうか。柄域が多く上品な光沢を備えているので、様々なオケージョンで着られます。特別な場で着用するのなら、最上質のスーパー200’sの原毛を使用した『ノーブルフリース』も素晴らしいですね。こちらは格別の着心地を味わえるんです」

ティッセン氏が愛するスキャバルの名作生地もCLASSICSとLONDONER

偶然にも前頁で麻布テーラーの楠本大仁氏が選んだ生地と、テッィセン氏があげた生地はふたつとも同じ「クラシックス」と「ロンドナー」いう結果に。それだけ多くの人におすすめできる名作生地である証ともいえる。「しっかり織られた『クラシックス』は、昔ながらの英国らしい代表的な生地で、大変仕立て映えすることから多くのサヴィル・ロウテーラーから長く愛され続けています」

スキャバルフェア開催!

12月6日(水)~ 12月19日(火)日本橋三越本店にて開催
あらゆるオケージョンに対応できるよう幅広い生地コレクションを揃えているスキャバルの生地を一堂に揃えたスキャバルフェアを、上記日程で日本橋三越本店 本館2階 パーソナルオーダーサロンにて開催。スキャバルならではの大変貴重な高級生地なども並ぶ予定だ。

お問い合わせ先
スキャバルジャパン TEL.06-6232-2755

1 2