SARTORIA TRAMONTO “New Sartoria”
歴史的建造物から生まれるナポリ仕込みのビスポーク
December 2024
text and photography yuko fujita
基本的にマニカカミーチャの服は仕立てないし、バルカポケットも控えめで襟も端正だ。ビスポークで、納期は約1年。右のウールアンゴラカシミアジャケットは、本誌編集部藤田の私物。スーツ¥480,000~、ジャケット¥365,000~ Sartoria Tramonto
2016年から5年間、ナポリのアントニオ・パスカリエッロ氏のサルトリアに住み込んで修業した。ナポリに渡ったのは、『The Rake日本版』の創刊号で組んだナポリ特集がきっかけだったという。ナポリでの生活の中で、師匠の考え方や美意識までをDNAに沁み込ませた佐々木聖男氏が仕立てる服は、彼の年齢からは想像がつかないほど大人っぽく、控えめで、それでいてナポリの薫りそのものだ。
2021年に帰国後、すぐに横浜の馬車道に自身の工房「サルトリア トラモント」を構え、意欲的に活動を開始した。とても小さな工房だったが、これから長いキャリアを歩んでいく中でのサクセスストーリーのスタート地点としては、ある意味とてもふさわしい城だった。
1994年生まれの30歳。端正で美しく、控えめなエレガンスが薫る服を仕立てる佐々木氏のファンは着実に増えていて、サルトリアは軌道に乗り始めた。そしてこのたび、1911年に三井物産横浜支店の事務所棟として竣工した、日本で最初の全鉄筋コンクリート造りのオフィスビル、という由緒正しい歴史的建造物にサルトリアを移転。ここから佐々木氏の新しいサクセスストーリーが生まれるのだ
Nario Sasaki/佐々木 聖男
1994年生まれ。2016年にナポリに渡り、サルトリア チッチオの上木規至氏を育てたアントニオ・パスカリエッロ氏に弟子入りし、サルトリアに住み込みながら修業。2021年に帰国し、地元横浜にてサルトリア トラモントを始動。The Rakeが注目している若手のホープだ。
みなとみらい線の日本大通り駅から歩いてすぐ。とても素敵なサルトリアとなった。
SARTORIA TRAMONTO
神奈川県横浜市中区日本大通14 KN日本大通ビルB1 B-7
Email: sartoria.tramonto@gmail.com