MASERATI GRECALE ESSENZA
“エッセンツァ”という賢明な選択
December 2025
グランドツーリングカーの代名詞的存在である名門マセラティ。洗練のミドルサイズSUVグレカーレに加わった“エッセンツァ”は、ラグジュアリーSUVに新しい風を吹かせるだろう。
text takashi nakajima(UNIT KOMPAS)
photography takahito naito
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抑揚のある曲線でまとめられた流麗なフォルムはまさしくマセラティらしいもの。
アルミニウムの冷たさを感じつつ指を滑らせると、表面に刻まれたローレットがリズミカルな感触を指に返してきた。ステアリングのスポークに備わるエンジンスタータースイッチに軽く力を込めるとあっけなくエンジンが目を覚まし、すぐさま心地よい低音を奏で始めた。
イタリアの名門マセラティは、レースで培った技術力を活かしたラグジュアリーカーで頭角を現すことに成功した歴史を持つ。いたずらにスペックの数字を競うのではなく、余裕と気品を漂わせるデザインを職人の手仕事を思わせる作り込みによって表現してきた。
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インテリアにはブランドを象徴するアナログ表示の時計をデジタルで表現。センターに2枚のディスプレイを備え、多彩な機能を美しく扱いやすくレイアウトしている。
グレカーレのインテリアは、まさしくそのDNAを正しく受け継いでいる。あたたかみを感じさせる曲線美をフルレザーで覆うダッシュボードはそのハイライトで、レザーの表面のスムーズでしっとりとした質感は、自動車というよりも服飾品のよう。ダッシュボード中央に掲げられた伝統のアナログ時計がデジタルで表現されるように、最先端のデジタルテクノロジーを受け入れながらも、どこまでも人の感性を大切にするものづくりがそこには貫かれている。
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上質なプレミアムレザーで覆われた車内。リヤシートも実用的で上質なファミリーカーとしても期待できる。
エッセンツァは、2025年に追加されたグレードで、「本質」、「真髄」を意味するイタリア語から命名されている。990万円という価格に注目が集まりがちではあるが、ネーミングが示すとおり本質的な価値を追求したことに意味がある。上質なフルプレミアムレザーや室内を彩るアンビエントライトといった装備が標準であるのはもちろんのこと、ラグジュアリーブランドに期待するパーソナライズの幅もしっかりと用意。ボディカラーは標準のビアンコの他にオプションとして3色のメタリックペイントを設定。ステアリング位置も左(受注生産)または右から選択可能となっている。
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エンジンは2L直列4気筒とコンパクトであるにもかかわらず、300馬力を叩き出す。この大パワーをダブルウィッシュボーン+マルチリンクのサスペンションと19インチホイールで受け止める。
なによりもエッセンツァに感動したのはドライブフィールだ。
最高出力300馬力を誇るパワートレインは、ドライブモードを切り替えることによってさまざまな表情をドライバーに見せてくれる。標準に相当する「GT」モードではスポーティかつスマートな振る舞いを、「SPORT」モードでは爽快な加速をすばらしいサウンドを響かせながら披露してくれた。マセラティを操る喜びが、まさしくここにある。
グレカーレ エッセンツァを選ぶということは賢明である。なぜならば、そこにはマセラティの本質があますことなく凝縮されているからだ。
MASERATI GRECALE ESSENZA
(マセラティ グレカーレ エッセンツァ)
「毎日が格別」をコンセプトとするグレカーレは、マセラティらしさを扱いやすいサイズで実現したラグジュアリーSUV。「グレカーレ エッセンツァ」は、エントリーグレードでありながらもマセラティのDNAに息づくクラフトマンシップとイタリアンラグジュアリーを凝縮した注目モデルだ。
全長×全幅×全高:4,845×1,950×1,670mm
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ 8速AT
最高出力:300ps@5,750rpm
最大トルク:450Nm@2,000rpm
車両総重量:2,165kg
¥9,900,000 Maserati

















