世界最高のコニャック「ルイ13世」、10年ぶりの奇跡“レア・カスク 42.1”降臨

セラーで眠るたったひとつの熟成樽から、10年ぶりに目覚めた逸品「レア・カスク 42.1」。特別なデキャンタとコフレに納められたアートピースとしての魅力も格別だ。

 

 

text yasuhiro okuyama（POW-DER）

 

 

非常に複雑な味わいと鮮烈なアロマを持ち、しかも42.1%という予想外のアルコール度数を誇る「ルイ13世 レア・カスク 42.1」。ブラック・クリスタルのバカラ製デキャンタに納められた様は、まるで大きな黒い宝石のよう。20人の熟練職人による50以上のハンドメイドでの作業が施されている。芸術とサヴォアフェールが表現されたコレクション価値も高いコニャックである。世界限定775本 ¥7,150,000 Louis XIII（レミー コアントロー ジャパン TEL.03-6441-3025）

 

 

 

 

　コニャック地方最上級のグランド・シャンパーニュ地区の葡萄から生まれた原酒（オー・ド・ヴィー）は、樹齢100年以上のフレンチオークから作られた熟成樽に納められ熟成に入る。そして、100年という長い時間眠り続けた1200種類ものオー・ド・ヴィーは、数世代のセラーマスターによって巧みにブレンドされ、ようやく「ルイ13世」が誕生する。

 

　そんな至高のコニャック「ルイ13世」が眠るドメーヌ・デュ・グロレの貯蔵庫から2023年、「レア・カスク 42.1」が発見。クラシカルなルイ13世よりも度数が高く、唯一無二なアロマが特徴的なレア・カスクだが、意図して造り出すことはできず、偶発的な産物であり、“究極のルイ13世”と賞賛される。極めて希少なレア・カスクは、2009年の「レア・カスク 43.8」、2013年の「レア・カスク 42.6」のみ。つまり、今回は10年ぶり3度目の奇跡となる。

 

 

テロワールとルイ13世の遺産の伝達によって育まれた「レア・カスク 42.1」。10年ぶり3度目となる奇跡の発見だ。

 

 

 

希少性にふさわしいデキャンタとコフレ

 

　その希少性とプレミアム感に相応しく、「レア・カスク 42.1」はバカラ製のブラック・クリスタルのデキャンタに納められている。バカラの熟練の職人の手により丁寧に仕上げられ、ネック部分は貴重なロジウム仕上げのホワイトゴールドに細かくクアドリローブパターンが彫刻されている。さらにフランス産認定のリムーザンオークにクアドリローブパターンの彫刻が施されたコフレに収納され、まさにアートピースとしての存在感を放っている。

 

　販売は世界限定でわずか775本だが、世界各地の厳選されたバーではグラス単位でのオーダーの機会も与えられている。世界中の愛好家たちが羨望する悠久の時間と大いなる自然によってもたらされた奇跡の雫を、グラスさらにはデキャンタでぜひご堪能いただきたい。

 

 

芸術とサヴォアフェールが表現されたアートピースとしての価値フランスを代表するクリスタルグラスメーカー、バカラ社によるブラック・クリスタルのデキャンタがよりプレミアム感を醸成している。ボディ中央のメダリオンにはアルコール度数を示す「42.1」が表記。セラーマスターのバティスト・ロワゾーの署名入りブックが入ったコフレに収納され、コレクションとしての価値を高めている。

 

 

 

左：ネックにはゴールドとロジウムの装飾が施され、フランス王家の紋章として知られるフルール・ド・リスをイメージした四角形のパターンがあしらわれている。右：ガラスがまだ必要な温度のうちに熟練職人が作業を行う。