LET’S TAKE A TRIP

ホテルや街角、会員制クラブからクルーズ……世界のラグジュアリーシーンの今

January 2025

NEW YORK

ニューヨークのセレブがこぞって集う会員制クラブ

 

クラシックなファサードが特徴的な「Casa Cruz」の外観。屋上にはアッパー・イースト・サイド初となる通年営業のルーフトップテラスも備えている。

 

 

 

 今日のニューヨークで遊ぶセレブたちは、街に出かけるのはもちろんだが、例えば「Casa Cipriani」「Zero Bond」「Ned Nomad」などの会員制クラブの扉の向こうで過ごすことにも満足しているようだ。なかでも注目を集めている、2005年に誕生した「Core Club」は、最近5番街へ移転した。入会金は最大で10万ドルとされ、スイートルーム、図書館や専任キュレーターによるアート展示、シアタールームや劇場、バーやレストラン、広々としたビューティーバーとウェルネススタジオ、テラスを完備している。

 

 しかし、マイアミ、パリ、香港、ドーハなど、多くの都市で賑やかなレストランを展開し、高い評価を受けているメジャーフードグループが運営するセレブ御用達スポットほどの吸引力を持つ場所はほとんどない。そのため、同社はハドソン・ヤードに「ZZ’s Club」をオープンした。このクラブは、ケン・フルクによるムードのある豪華なインテリアが特徴で、入会金と年会費の合計は3万ドルだ。

 

 なお、会員制クラブに匹敵するほどのプライベート感と高級感に溢れるレストラン「Casa Cruz」にもぜひ注目してほしい。ここでは、ミシュランスターシェフ、ジョン・フレイザーが考案した料理やカクテルを堪能できる。

 

 

歴史的な6階建てのボザール様式のタウンハウスを利用した「Casa Cruz」は、ダイニングルームやバー、屋上テラスなどを備えた注目のレストラン。カクテルや厳選されたワインとともに、ジョン・フレイザーの料理をプライベート感溢れる空間で堪能できる。

 

 

ニューヨークにある高級な会員制クラブのひとつとして知られる「Core Club」の、市内最大級のテラス席から眺めるマンハッタンのパノラマビュー。建物全体では11階建てのビルの最上階4フロアを占めており、60000平方フィートもの広さを誇る。©LORENZO PENNATI

 

 

 

<Interview>

THE INTERIOR DESIGNER

Martin Brudnizki

マーティン・ブルドニツキー氏 インテリアデザイナー

 

 ロンドンでの活躍や、ポルトフィーノからトロントにおけるプロジェクトで知られるスウェーデン出身の彼は、いま世界中で引っ張りだこである。

 

2024年はどちらへ行かれましたか?

 まず、若い頃に少し住んでいた日本を訪れました。久しぶりにどんなふうに変わっているのかを見るのは興味深いものでした。また、パートナーのジョナサンと一緒に、ギリシャのイドラ島で素晴らしい1週間を過ごしました。家を借りて、食事を楽しみ、海で泳ぎました。ここはお気に入りの場所のひとつで、毎年夏に訪れるようにしています。友人たちとイタリアのローマとティヴォリにも行きました。宮殿や遺跡をたくさん訪れることができ、ちょっとしたグランドツアーのようでした。ローマではいつも新しい発見があるので、飽きることがありません。

 

現在どういったプロジェクトに取り組んでいますか?

 2023年は5つのホテルをオープンさせるという、非常に忙しい年でしたが、ありがたいことに、2024年はもう少し落ち着いています。夏には、ニューヨークの「The Surrey, A Corinthia Hotel」がオープンし、フィレンツェの「The Westin Excelsior」もようやく完成しました。また、ポルトフィーノにある「Splendido, a Belmond Hotel」との5年がかりのプロジェクトの第2段階にも取り組んでいます。ロンドンとニューヨークの住宅デザインチームは、世界各地の個人住宅の設計に忙しく取り組んでおり、私とニコラスで設立したプロダクトデザインスタジオである「And Objects」では、新しいアクセサリーの発売準備に追われています。

 

旅のトレンドとは?

 私個人としては、よりパーソナルで、昔ながらのホテルへの回帰を望んでいます。ホテルにとって個性は非常に重要です。ホテルに自分の人生と魂を注ぎ込みたいと願うオーナーが必要です。もちろんデザインも重要ですが、サービスも同様に重要だと思っています。まるで家族の友人宅に滞在しているかのような気分になりたいものです。

 

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