Four Seasons Hotel Osaka in Dojima, Osaka

【宿泊記】国内4軒目のフォーシーズンズホテル大阪、日本の美とモダンが織り成す至福の空間

October 2024

2025年の大阪万博まで1年を切り、ビジネスと観光の両面で国際的な注目が集まる大阪。その中で、8月にオープンした「フォーシーズンズホテル大阪」は、モダンなデザインと日本の美を融合させたラグジュアリー空間として、ひと際注目を集めている。グループ初の大阪進出となるこのホテルで、フォーシーズンズホテルが提供する新たなラグジュアリー体験とはどのようなものなのか。その革新的なコンセプトと魅力を徹底紹介する。

 

 

text yukina tokida

 

 

 

 

「フォーシーズンズホテル大阪」は、国内で4軒目のフォーシーズンズホテルとしてこの8月にオープンした一軒だ。JR大阪駅から徒歩9分の堂島エリアに位置し、堂島川にもほど近く、「水の都」大阪の特徴を存分に感じられるロケーション。周辺の利便性の高さも魅力である。

 

 ホテルから徒歩10分ほどの場所には船着場もあるため、リバークルーズで堂島川を巡ることもできる。船から見上げるホテルの外観は、船の帆をイメージしたデザインが際立ち、大阪の街並みと美しく調和している。

 

 特に注目すべきは、ワンフロア限定の特別コンセプトフロア「GENSUI(玄水)」だ。エレベーターを降り立つと、ぐっと照明が落とされた、壁や天井、絨毯もダークトーンの静寂の世界が広がる。他のエレベーターフロアを彩る、鳥居や大阪のパッションを表現した鮮やかな朱色とのギャップに、誰もが驚きとともに、その落ち着いた雰囲気に心を奪われるだろう。

 

 廊下を抜けるとたどり着く客室は、白塗りの壁が施された、光が包み込む明るい空間。このフロアにある21室はすべて畳敷きで、靴を脱いでくつろげるモダンな旅館風の設えとなっている。フォーシーズンズホテル初の布団スタイルを採用しながらも、マットレスタイプの特注の敷布団を用い、緻密な設計によって高い遮光性を実現するなど、快適さを追求。“スリープトラベル”を求めるゲストはもちろん、すべてのゲストがくつろげる空間作りが工夫されている。

 

 同階には、このフロア専用の日本茶サロン〈SABO〉も用意されており、チェックイン・チェックアウトはもちろん、日本ならではの茶道体験、夕方の5時から夜8時までは日本酒やウイスキー、ワインなどのお酒、軽食も楽しむことができる。

 

 

特別コンセプトフロア「GENSUI(玄水)」のエレベーターホール。

 

 

「グランド畳スイート」。

 

 

上2点:日本茶サロン〈SABO〉。

 

 

 ちなみに他のフロアの客室も、広い窓から自然光が差し込む明るく開放的な空間。洗練されたモダンなインテリアのなかに、和紙を使った照明や組木細工を思わせる仕切りなど、和のエッセンスが随所に取り入れられている。

 

 

上2点:262㎡の広さを誇る「プレジデンシャルスイート」は、リビングルームやダイニングルームに加え、書斎やバーカウンター、特大のバスタブも擁している。

 

 

 

 館内には、日本を拠点に活動する新進気鋭のクリエイターたちの現代アートが多数展示されており、訪れたゲストにインスピレーションを与えてくれる。ホテル全体が、ただの宿泊施設を超えた“アートギャラリー”のような趣を持っているのだ。

 

 定評のある充実したスパエリアは、ここフォーシーズンズホテル大阪でも健在だ。16メートルのプールに加え、24時間営業のジム、そして男女別の日本式風呂にはサウナを完備。また貸切風呂も用意されているため、プライベート空間で大阪に古くから根付く銭湯文化を満喫できる。

 

 

ロビーフロアを彩る、石塚源太氏によるアート作品《Inner Cyde》。

 

 

プールからも大阪の街並みを一望できる。

 

 

貸切風呂は大人2名(お子様は4歳以下1名までであれば一緒に入浴可)まで利用可能。ふたつあるプライベート浴室のうちひとつ(上写真)は、西に面しているため、サンセットを楽しめるだけでなく、関西最大の淀川花火大会も観られるという。

 

 

 

 続いてはダイニングについて。数あるダイニングのなかでも、注目したいのはシグネチャーレストランである中国料理「江南春(ジャンナンチュン)」と「バー・ボタ」だ。いずれもホテル最上階の37階に位置している。

 

「江南春(ジャンナンチュン)」で楽しめるのは、香港のラグジュアリーホテルで長年腕をふるってきた料理長レイモンド・ウォン氏による本格的な広東料理。広東料理における高級食材として愛されている魚の浮袋を使った「50年熟成の陳皮入り魚の浮袋と鶏肉のとろみスープ」や、「揚州炒飯 江南春スタイル」、さらには豆腐に細かく包丁を入れて花のように見立てた「鏡花水月 豆腐花のデザート」など、本場香港の味わいを大阪で味わえる。その繊細で奥深い味わいに、誰もが魅了されるに違いない。

 

 

37階に位置する中国料理「江南春(ジャンナンチュン)」。

 

 

中国料理「江南春(ジャンナンチュン)」の料理長レイモンド・ウォン氏。

 

 

 

 そして毎年「Asia’s Best 50 Best Bars」にランクインするバーを数多く擁するフォーシーズンズグループにおいて、非常に力が入っているであろう一軒が、「バー・ボタ」だ。バーマネジャーとして抜擢されたのは、ルーマニア出身のアンドレイ・マルク氏。彼は、英国バーミンガムのゲンティン ホテルの「スカイバー」や、2019年の『世界のベスト・バー50』で第23位に選ばれたロンドンのクーペット・アンド・アトリエル・クーペットなど、数々の名だたるバーで研鑽を積んだ人物。当時は年間500種類以上の新しいドリンクを創作し、バーの評判を確立させた実力の持ち主である。

 

 そんなマルク氏渾身のボタのカクテルは、実に多彩でユニークなものばかり。オリジナルカクテルには、大阪を代表する繁華街のひとつ“ミナミ”の賑やかさを表現した「道頓堀スライダー」や日本ならではのフレーバーを組み合わせた「抹茶&柚子ハイボール」から、日本産の材料だけを使った「梅干しマティーニ」やエスプレッソマティーニにインスピレーションを得た「味噌とコーヒー」まで揃い、大阪のエネルギッシュな文化や日本の素材を活かした創作カクテルを楽しめる。

 

 さらにユニークなのが、ウェルカムドリンクが定番のシャンパーニュではなく、「ウェルカムかき氷」だということ。小豆にうまみ成分を含む醤油と香ばしいウーロン茶を合わせたオリジナルフレーバーのかき氷でゲストをリフレッシュさせてくれる。

 

 

「バー・ボタ」。フロア中央には、目を奪われる、アイコニックな円形のバーカウンターが鎮座。

 

 

シグニチャーカクテル「スモーキング・チェスナッツ」。

 

 

「バー・ボタ」のバーマネジャーを務めるアンドレイ・マルク氏。

 

 

 

 ホテルから徒歩圏内には、大阪の歴史と文化が感じられる名所も点在していることもあり、コンシェルジュが実際に体験して考案したユニークなアクティビティも豊富に用意されている。先述したように近隣の船着場からはリバークルーズが出航しており、堂島川をめぐりながら大阪の水辺の景観を楽しむことができるだけでなく、少し足を伸ばすと、「大阪だし文化体験ツアー」や「ユニバーサルスタジオジャパンVIPツアー」、大阪・堺で自分の名前を彫った世界にひとつだけの包丁をお土産として持ち帰ることができる「包丁作り体験」など、特別なガイド付きツアーが目白押しだ。

 

 何度も訪れたことのある大阪でも、フォーシーズンズホテル大阪は新しい発見と感動をもたらしてくれる。アート、伝統、モダンが見事に融合したこのホテルは、滞在するだけで特別な体験が叶うだろう。

 

 

フォーシーズンズホテル大阪

大阪府大阪市北区堂島2-4-32

TEL. 06-6676-8682

www.fourseasons.com/jp/osaka/

 

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