カシミアを凌駕する至高のファブリック「エスコリアル」で仕立てるという究極の贅沢

Ciccioチッチオの中でも高い人気を誇る、2プライのエスコリアルウールで仕立てられたビスポークスーツ¥869,000〜、シャツ￥72,600〜（以上オーダー価格）both by Ciccio　タイ￥29,700〜 Seven Fold for Ciccio / Ciccio Japan（チッチオ ジャパン Tel.03-6433-5567）

ラグジュアリーを追った先に辿り着く究極のエスコリアルウール　エスコリアルウールは、極めて細くクリームのように柔らかな毛をもったエスコリアル種の羊から採取されるウールだ。ニュージーランドの南島とオーストラリア南部の牧草地でのみ放牧されており、原毛の軽さはカシミアの約半分。繊維はコイル状でバネのようなシュリンク性を備え、独特の滑らかな手触りのドレープと、見事な弾力性が備わった生地を生み出す。

　どこまでもしなやかで、中にたっぷり空気を含んで膨らみ感があり、耐久性も備える。が、収獲量はカシミアの1％にも満たない、大変貴重なウールである。エスコリアルウールの昨今の人気ぶりも大いに頷ける。

　16世紀にスペイン国王フェリペ2世は、北アフリカのマグレブを起源とする、クリームのように柔らかな毛をもった羊を、エル・エスコリアル宮殿にて“王家専用”として飼育させた。エスコリアルの“純血種”は長い歴史の中でさまざまな奇跡を経ながら生きながらえ、今日ではオーストラリアの南部とニュージーランドの南島の牧草地で飼育されている。1998年、「エスコリアル」は世界的なブランドとして商標登録され、2002年には世界で最も繊維が細いウールとして認定された。

　収獲量はカシミアの1％にも満たないエスコリアルウールの希少性の高さからか、また、約13マイクロンという極細の原毛が生み出す生地が限りなくラグジュアリーだからか、また錚々たるメゾンブランドがエスコリアルを打ち出しているからか、さまざまな要素が重なって、エスコリアルの知名度は飛躍的に高まっている。昨今、その人気はビスポークの世界においてうなぎのぼりだ。

　エスコリアルと他の上質なウールとの決定的な違いは、自然にコイル状に巻かれたバネのような繊維が生み出す強いシュリンク性にある。この特性が、柔らかなタッチを備えたドレープと、他にない豊かな弾力性を備えた生地を生み出すのだ。

　バンチブックとしては、スーツ用ファブリックをまとめた「トレド」と、ジャケット用の「エスクード」の2種類がラインナップされている。また、同バンチには含まれていないさらに貴重なものになるが、4プライや6プライのエスコリアルウールもラインナップされている。それだけ糸を贅沢に使用したこちらもまた、ビスポーク愛好家の間では絶対的な人気の生地となっている。今仕立てるなら、「エスコリアル」は大いにありだ。

TOLEDO（トレド）

ラグジュアリーを極めたスーツファブリックエスコリアルの中でスーツ用の生地コレクションを揃えているバンチが「トレド」である。ラグジュアリーでありながら経緯双糸でしっかり織られていて、それなりに耐久性も備えているのがエスコリアルの魅力である。色柄は控えめでありながら大変美しく、ビスポークの最高峰の生地として君臨するのにふさわしいものといえる。生地が肌に触れたときにラグジュアリーの極みを味わえる。260g/m〜330g/m。

ESCUDO（エスクード）

ジャケット&コートの生地コレクションエスコリアルのジャケット生地コレクションが「エスクード」である。原毛は極細の13〜15マイクロン（スーパー170’s〜210’s）相当といわれているが、耳にはESCORIAL WOOLの表記のみ。それだけで世界最高のウールという証明になるのが、エスコリアルである。温かみのあるヘリンボーンやチェック地なども揃っている。フランネルやコート用生地も含まれており、見応えはたっぷりだ。290g/ｍ〜550g/ｍ。