Culinary Delights at Hyatt Regency Seragaki Island Okinawa
「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」で叶える、美食と琉球の贅沢なひととき
December 2024
沖縄の青く美しい海に囲まれた瀬良垣島に位置するリゾートホテル「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」は、本島にある低層階の「ザ・ビーチハウス」と、瀬良垣島にある高層階の「ザ・アイランド」の2棟が一本の橋で繋がる、ユニークなロケーションの楽園だ。今年に入り、同ホテルのレストラン「シラカチ」で初のメーカーズディナーを開催し、トスカーナの名門ワイナリー「アンティノリ」と共演したほか、琉球料理伝承人による琉球和会席もスタートし、本格的な美食体験を提供するダイニングへと進化を遂げている。そこに広がる、新たな美食の世界を堪能した。
text chiharu honjo
シックなカラーで統一されたモダンな空間の「シラカチ 鉄板焼」。
琉球語で「瀬良垣」を意味するシラカチの名を冠したハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄のスペシャリティレストラン「シラカチ」は、炉端、日本料理、鉄板焼、鮨、バーといった5つのカテゴリーからなる美食の空間。店内には明確な仕切りや境目が少なく、旅の途中で路地を歩きながら店を見つけるかのごとく、レストランを巡るうちに今日のフィーリングに合う食を決められる。
なかでも「シラカチ 鉄板焼」は、カウンター席でシェフの神業を眺めながらゆっくりと食事を楽しむことができる心地よい場所。沖縄県産の牛や豚、島野菜、全国各地から厳選した旬の食材など、素材そのもの美味しさを引き出しながら、目の前で焼き上げるライブ感が好評を博している。
アンティノリ社 エクスポート・エリア・マネージャー レオナルド・カジーニ氏。隣の写真はアンティノリ家一族(中央左が25代目、当主ピエロ・アンティノリ侯爵。両脇は26代目の方々)。
同レストランで、イタリア・トスカーナの名門ワインメーカー「アンティノリ」のレオナルド・カジーニ氏を招聘した、初のメーカーズディナーイベントが一夜限りで開催された。アンティノリは、フラッグシップである「ティニャネロ」や「ソライア」を生みだし、その実力を世界に知らしめた歴史あるワインメーカー。現在27代目まで脈々と家族経営を続けており、トスカーナ、ウンブリア、ピエモンテなどイタリア各地に10以上のワイナリーを所有。自社畑にこだわりクオリティを追求した多彩なワインを造り出している。
当日は、イタリアンワインの歴史を変えたともいわれるアンティノリ初のスーパータスカン(※)「ティニャネロ」をはじめ、名家が誇る数々のワインがラインアップ。ソムリエが選び抜いたワインと最高のマリアージュを奏でる、全7品の特別コースメニューも登場した。
※イタリアのトスカーナ州で誕生した、ワイン法の伝統や格式にとらわれず、自由な発想で造られた高品質なワイン。若いうちからすぐ愉しめるワインである一方で、熟成ポテンシャルも大いに持ち合わせているのが魅力。近年世界的に注目度が高まっている。
丘の中に建設された、イタリアの老舗「アンティノリ」本社ワイナリー。
まずは、イタリアのロンバルディア州東部フランチャコルタのスパークリングワイン「NV マルケーゼ・アンティノリ・キュヴェ・ロワイヤル」で乾杯し喉を潤す。シャンパーニュと同様、瓶内二次発酵したきめ細かい泡が特長で、淡い黄色に柔らかな泡が立ち上り、豊かな果実味と調和したバランスのとれた味わいだ。
スープ「スノーホワイトチェリーバレー・フィレとコンソメシークワーサー」。
海鮮料理「活鮑 鮑肝 プロヴァンスバター ごぼう ピューレ トルチコーダ赤ワインソース」。
肉料理「“神内和牛あか”フィレ肉旬野菜 和牛のジュ 生胡椒 屋我地島の塩」。
メーカーズディナーで用意されたワインの数々。イタリアワインの伝統と歴史を牽引してきた「アンティノリ」ならではのワインが豊富に並ぶ。
スープには、フレッシュでミネラルバランスのとれた「2022 サンタ・クリスティーナ・ジャルディーノ・ロゼ」(左から4番目)を。また、魚料理には、しっかりとした熟成感がありながらフレッシュさも併せもつ濃厚な白ワイン「2021 チェルヴァロ・デラ・サラ」(右から4番目)をペアリング。そして、赤ワインソースの鮑には、しっかりとしたボディで芳醇かつまろやかな「2021 トルチコーダ」(右から3番目)が好相性。メインの肉料理に合わせるのは、濃いルビーレッドに力強い香りの「ティニャネロ」(右から2番目)。アンティノリを代表するフラッグシップワインで、イタリアのスーパータスカンの先駆けとして知られる。
同レストランのシェフが腕によりをかけて創る食の世界観と、イタリアトップワイナリーとの贅沢なマリアージュは、ここでしか味わえない唯一無二の共演。イベント後も、本イベントで登場したメニューの一部を提供しており、豊富なワインリストから要望に合わせてアンティノリのワインやソムリエによるマリアージュを愉しめる。
木の温もりを感じる「シラカチ 日本料理」。16名まで利用できる個室もある。
続けて紹介したいのは、「シラカチ 日本料理」。ここでは、琉球料理伝承人の資格を持つ統括料理長の嘉数 順(かかず じゅん)氏による、「琉球和会席~TEEDA~」が本格的に始動した。琉球王朝時代の宮廷料理を継承しながらも、現代的な解釈を加えて再現した会席スタイルの料理で、食材と器、職人の技にこだわり抜いた、おもてなし料理をいただける。
「スペシャリティレストラン シラカチ」統括料理長 嘉数 順氏。琉球料理伝承人、泡盛マイスターの肩書も併せ持つ。
医食同源の意識が根付いたブルーゾーン(世界5大長寿地域)の沖縄では、琉球王朝時代から「クスイムン、ヌチグスイ(食べものは薬であり、生命を創る第一のもの)」という考えが生活に根付いている。人々の間で受け継がれ大切にされてきた沖縄の伝統を、食を通じて表現。統括料理長の嘉数シェフは、琉球伝統文化への思いを次のように語る。
「私の育った沖縄には、たくさんの素晴らしい伝統文化が根付いています。そのひとつである琉球料理の継承に貢献できる喜びを、“琉球和会席”というお料理で表現させてもらいました。後世を担う若い料理人には伝統を継承し、訪れるお客様には伝統を味として伝えられるよう努めておりますので、お料理から沖縄の『守礼の心」を少しでも感じていただけたら幸いです」
「琉球和会席 ~TEEDA~」¥20,000(税・サ込、1日10食限定、要予約)。左上:前菜(長命草と苦菜・葡萄の白和え、シシかまぼこ、和三盆カステラ玉子、花烏賊、ミヌダル、沖縄県産車海老とキャビア、クーブマチ)。右上:蒸し物(テビチとイラブの玉地蒸し、イラブシンジ餡かけ、雲丹、青パパイヤ、芽ネギ)。下:御食事(琉球すっぽんの沖縄そば 酢橘、焼餅、九条葱)。
前菜は、宮廷行事や儀式、接待の場で提供されていた華やかな伝統料理を、鮮やかな朱色と艶のある黒色のコントラストが美しい琉球漆器で提供。「花鳥賊(はないか)」は、身の厚い烏賊に細工を入れたもので、料理人の個性が光る包丁技が見事だ。また、抗酸化作用のある薬草として昔から風邪薬に利用されてきた香り豊かな長命草、沖縄食材の代名詞でもある島豆腐、生産量日本一の新鮮な車海老など、彩り豊かな沖縄の食材で歓待してくれる。
全8品を食べ終えた後でも心地よい満腹感で満たされるのは、日本遺産にも認定された琉球料理が医食同源の意識に基づいたものだからだろう。ソムリエに泡盛とのペアリングもオーダーできるので、旨い酒と食を通じたウェルネス体験を味わい尽くしたい。
シラカチバー テラス。
シラカチバーのシグニチャーカクテルの一部。瀬良垣サンセット(左)と沖縄本部町産シークワーサー スピリッツァー(右)はいずれも ¥2,200(税込・サ別)。
食事の後は、「シラカチバー」に立ち寄ってはいかがだろう。ヘッドソムリエ 屋良 勇作氏が創るカクテルや、ジャパニーズウィスキー、世界の銘酒を愉しめるほか、沖縄の泡盛やラム、季節のフルーツを使ったカクテル、モクテルなど豊富に取り揃えている。
「瀬良垣アイランドスイート」。
滞在する際の客室は、約157㎡ものオープンエアバルコニーから青い海を一望できる「瀬良垣アイランドスイート」が格別だ。同ホテル最上級のスイートで、洗練されたリビング&ダイニングエリアと、優雅なバスルーム&ベッドルームがプライベートな通路を挟み繋がっており、別荘のようにゆったりと寛ぐことができる。リージェンシークラブへのアクセス権もあり、ブレックファスト、午後のティータイム、カクテルタイムなど、ビールや泡盛を堪能しながら思い思いの時間を過ごせる。
瀬良垣島には、同リゾートのみが建つため、島に足を踏み入れるとエレガントな極上空間が待っている。リゾートでのダイニングシーンをさらに特別なものにする美食体験で、心に刻まれる島時間を過ごしたい。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄
沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1108番地
TEL. 098-960-4321
www.hyatt.com/hyatt-regency/ja-JP/okaro-hyatt-regency-seragaki-island-okinawa