Autumn Course of Gucci Osteria da Massimo Bottura Tokyo

銀座のグッチ オステリアでこの季節だけ楽しめるコース

November 2022

開業から約1年が経つ今もなお注目を集め、数々の食通が足繁く通う「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」。今回は、同店で秋から初冬の間だけ楽しめる特別コースをご紹介する。

 

 

text yukina tokida

 

 

 2021年10月のグランドオープン以来、そのユニークな世界観と繊細な味わい、そして丁寧なサービスで多くのゲストを魅了している「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」。つい先日発表されたミシュランガイド東京 2023では、開業1年にして一ツ星にも輝いた。

 

 ヘッドシェフを務めるアントニオ・イアコヴィエッロ氏は、フランス・サントロペ「Byblos(ビブロス)」のアラン・デュカス氏やデンマーク「Noma(ノーマ)」のレネ・レゼピ氏、そしてマッシモ・ボットゥーラ氏など、世界的なシェフの下で研鑽を積んできた人物だ。

 

 

ヘッドシェフを務めるアントニオ・イアコヴィエッロ氏。

 

 

 

 この10月から3ヶ月限定で提供されているコースも、どれも想像のはるか上をいくクリエイティビティに溢れている秀逸揃い。

 

 この時期ならではの旬を堪能できるだけでなく、ひとつひとつに、イタリアの伝統に基づく揺るぎないストーリーがある料理の数々は、固定観念にとらわれることのない彼の世界観を存分に味わえる仕上がりとなっている。

 

 

異なる緑が基調となった空間。メニューとしてテーブル上に置かれるピンクが差し色となってグッチらしい世界観を演出する。

 

 

 

 例えばひと皿目に提供される前菜「Risotto “Mare e Monti”/海と山のリゾット」は、イタリア料理として有名な「リゾット」のなかでも特に有名な「Risotto ai frutti di mare(海の幸のリゾット)」を“前菜”として捉えるとともに、80年代からイタリアでよく作られるようになった海と山の幸を合わせた「Mare e Monti」にインスピレーションを得た一皿。

 

 日本ならではのエッセンスをプラスするために、和牛のタルタル、富山の白エビ、そしてイクラの上に、紅葉を模した米粉のチップスが添えられており、仕上げに醗酵を経て作られたキノコのブロード(出汁)が注がれる。それぞれの食材が持つ甘味と旨味、そして異なる食感を楽しめるだろう。“リゾット”と名前にはあるが、米粒ではなく、“米粉”のチップスがその役割を果たしている。

 

 

「Risotto “Mare e Monti”/海と山のリゾット」。

 

 

 

 もうひとつのメインである、イタリア料理のポルケッタに日本のツイストを加えた「Porchetta of NODOGURO/のどぐろ ポルケッタ仕立て」は、日本料理の炭火焼きの技術を取り入れた一品。

 

 今が旬のノドグロを炭火で炙り、表面は米を膨張させた、いわゆる“ポン菓子”でコーティング。そして本場のポルケッタを作る際になかに入れるハーブ「フェンネル」のソースでいただく一品。カリカリの食感と、ノドグロの柔らかく引き締まった身のバランスが絶妙だ。

 

 

「Porchetta of NODOGURO/ノドグロ ポルケッタ仕立て」。添えられているのは銀杏。

 

 

 

 また、発酵の技術をふんだんに使用したもうひとつのメイン「Grilled eel cacciatora style/うなぎ カッチャトーラ」は、バルサミコ酢を「たれ」のように塗り炭火で焼き上げたウナギに、イチジクやタマネギを添えたもの。いちじくの果肉感や甘み、シナモンなどのスパイス、そしてチコリの苦味もほのかに感じられる、味わい深い一品だ。

 

 この一品は、一匹の、日本のウナギイタリア北部のコマッキオから南部へと川を流れて旅したとしたら……ということを思い浮かべて構成された一皿だとか。ぜひ店でそのストーリーを詳しく聞いてみていただきたい。

 

 

「Grilled eel cacciatora style/うなぎ カッチャトーラ」。

 

 

 

 最後の「Ravi Oro/ラヴィオーロ」は、言葉遊びのようにラビオリとオーロ(イタリア語で金)を組み合わせたデザート。ホタテをアマレット風味のカボチャをライスペーパーで包み、上には金箔が添えられている。最後にバジルシードが入ったトマトウォーターを注いで完成だ。使用されている材料をすべて聞いたとしても、到底当てられないような、緻密に計算されたアントニオのアイディアが炸裂した一品といえよう。

 

 日本の旬の食材をふんだんに使用すると同時に、彼自身にゆかりのあるイタリア各地の名物料理がインスピレーション源となった、日本にいながらにしてイタリアを旅しているような気持ちにさせてくれる料理ばかり。あえて派手な演出を表には見せないことで、食べ進めるにつれて驚きと感動に巡り合わせてくれる、そんなヘッドシェフ アントニオのこだわりが随所に感じられるコースである。

 

 ランチは全5品の『Italy From Tokyo』(¥12,000 ※日曜のみ7品 ¥18,000)、ディナーは全8品の『Come to Italy with me』(¥17,000)もしくは全9品の『Japan through the eyes of Antonio』(¥27,000)から選べる。

 

※記載の価格はいずれも税込み・サービス料抜き

 

 

個室「Rooms of Mirrors」。最大10名まで同席できる。そのほか館内には、イタリアの可愛らしいヴィンテージランプも配されている。ぜひ見つけてみてほしい。

 

 

開放的なルーフトップテラスでは、青空や星空の下、アペリティーボ(16時〜18時)も楽しめる(季節天候によりクローズ)。

<本連載の過去記事は以下より>

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