A Relaxing Hideaway at ANA InterContinental Beppu Resort & Spa

日本一の温泉と絶景:「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」で大人の隠れ家リセット旅

February 2025

温泉の源泉数と湧出量が共に日本一。奇跡の温泉郷として世界的に名高い別府温泉に、大分県初の外資系ラグジュアリーリゾートホテルが2019年にオープンした。それが別府湾を見渡す高台に位置する「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」。静閑の地で休息を取り、心身を癒してリセットしたい、そんな気分のときに訪れるべく随一の隠れ家温泉リゾートはどの季節も折々に素晴らしい。

 

 

text maiko takeda

 

 

 

 

 部屋のテラスから一望できる大パノラマを見渡す。陽光に輝く別府湾の海、湯けむりが盛大に立ち上る別府の街、そして扇山。鎌倉時代より湯治場として愛された由緒正しき温泉の街をこんなふうに眺望できる高台のホテル「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」。天気のいい日は四国まで望める日も。

 

 

 

 

 大分空港から車で約50分。天井吹き抜けの開放的なロビーにて、TWGのホテルオリジナルティーにザボンの砂糖漬けを添えたウェルカムドリンクを供され、ゆったりしたソファで頂きながらチェックイン。大きな窓から広がる眼下の絶景、館内の竹アートに心惹かれつつ、部屋へ案内された。贅沢モダンな空間にナチュラルなマテリアルを組み合わせたホテルの空間デザインは、橋本夕紀夫氏によるもの。火山噴火から生まれたイタリア産のラバストーンや別府石、大分産の竹、間伐材などを効果的に配し、ラグジュアリーなのにリラクシーな雰囲気のインテリアが心地よい。

 

 

 

 

 とくに竹は、大分県が生産量日本一。竹工芸の専門学校が別府市にあり、技術者の育成が盛んなため竹工芸のローカルアーティストも数多い。ホテル館内にも見目麗しい竹アートが存在感を発揮している。竹のような硬い材質の素材を使って柔らかさを表現する技法には驚かされた。カッコいい!

 

 

 

 

 今日はたまたま部屋の準備ができているとのことで、予定より早めに部屋に入れることに。案内されたのはベーシックなタイプの「クラシック」ルーム。思わず、わっ!と声が出るほど広々とした空間に、床から天井まで全面ガラス張りの窓の外は海と山。ダブルの絶景に圧倒される。スタンダードな部屋の広さは62平米。絶景を見渡せるテラスも広く、明るく解き放たれた部屋がとにかく気持ちいい。印象的なのは、石やウッド、竹が随所にあしらわれた部屋のインテリア。福岡県大川の職人が仕上げたルーバーの壁や竹のライトスタンドには温もりが感じられる。また驚くのは大理石を使用した広く贅沢なバスルーム。大きなバスタブに独立したシャワーブース、ゆったりしたツインシンクがラグジュアリーで使いやすい。クローゼットには、大小の竹かごバッグ。温泉大浴場に行くのに重宝だ。

 

 

 

 

 広々とした部屋のテラスに備えられたソファに座り、予定のないこれからの時間について考える。とにかくここにいる間は、体の声を聞きながら自分と向き合い、ゆっくり過ごすことに。寒い時期こそ、熱々の温泉が存分に楽しめる。

 

 今回ご紹介する「リトリートプラン」は、心身の癒しと充足感をテーマに、アーリーチェックイン(14時)&レイトチェックアウト(14時)で丸々24時間ステイできることに加え、スペシャルルーム付き家族風呂を1時間利用でき、夕食と朝食の2食付き。たとえ一泊しか時間が取れなくても、存分に身体を温め、休めることができるという、忙しい人へおすすめのスペシャルおこもり温泉プラン。

 

 

 

 

 今朝は大分空港にam10時に到着し、タクシーで11時ごろホテルにたどり着いた。荷物を置いて、まずはランチを! 九州には海の幸、山の幸、と美味しい食材が豊富だから、九州旅は美食の旅でもある。このホテルにはレストランが2軒。オールデイダイニング「エレメンツ」、メインダイニング「アトリエ」、そして大人がくつろげる「ザ・バー」も。そして、6月には鮨店がオープンする。近海の海で獲れる地魚の寿司とは…。これはまた再訪しなくては!

 

 

 

 

 ランチは「エレメンツ」にて、季節ごとに楽しめるオーダー式メインディッシュとセミビュッフェのコースを頂いた。前菜とサラダ、デザートはビュッフェ。メインは、7種の中から、大分ブランド「米の恵み豚」のサルティンボッカ・レモンバターソースをチョイス。オレイン酸を多く含み、なめらかでしっとり、さっぱりした豚肉は軽やか。ドリンクは大分県の「梅酒造おおやま」で作られる南高梅を使用した完熟梅ドリンクを。野菜をたっぷりいただけるサラダバー、そして、小さめサイズのデニッシュやスイーツはバラエティに富んでいて、ビュッフェはヘルシーにもチートデイ的にも楽しめるのがありがたい。

 

 

 

 

 午後は、温泉とスパでリラックス三昧という、これぞ別府の王道な過ごし方。別府は、別府八湯と呼ばれるように、8つのエリアにて異なる泉質の温泉がさほど広くないエリアで湧き出ているという奇跡の温泉都市。さまざまな地質の様子によって、どんな泉質なのかは掘ってみないとわからないそうだが、こちらの敷地内から湧き出るのは、透明で無臭のナトリウム塩化物温泉。やわらかく美肌の湯とされており、筋肉・関節の痛みやこわばりにも効果が抜群だという。

 

 

 

 

 このプランに含まれるプライベート温泉の家族風呂(1時間分予約制)に行ってみると、ゆったり広い個室リラックスルームの先に、別府市街を眺めながら入れる絶景露天風呂があった。大きなベッドにソファ、そしてシャワールーム。個室露天風呂から出たり入ったり、昼寝をしたりTVを見たりルームサービスで軽食をつまんだり。誰にも邪魔されない、絶景独り占めの温泉時間はこの上ない贅沢だ。1時間なんてあっという間なので、追加料金を払ってでも時間を延長予約してもいいかもしれない。今日の温泉は70年前の雨ともいわれることがあるが、温泉はなんとも不思議でロマンがある。また、なにより地球のパワーや「気」を感じる。こちらの家族風呂や温泉大浴場は、ステイせずとも立ち寄り湯として利用できるので、別府温泉めぐりのひとつに加えるのもいい。

 

 

 

 

 温泉大浴場も素晴らしい。別府石で仕上げられた露天風呂は別府湾と市街地を一望でき、夜はきらめきの夜景を、朝は別府湾からの朝日を望むことができる。スペースが広く、階段式にいくつか石風呂が連なる棚湯の形状と壺湯なので、プライベート感があり、落ち着いて温泉時間に没頭できる。内湯は檜と石造りの2種類で、ドライサウナとスチームサウナ、露天風呂も含め、男女湯が日替わりで楽しめる。

 

 

 

 

 体をしっかり温めてから、もうひとつのお楽しみ、「ハーンヘリテージスパ」へ。タイ・バンコク発祥の極上なウェルネスブランドであるハーンのスパブロダクツやタイ伝統の技術、東洋医学を取り入れたトリートメントで定評があるスパ。エントランスの長いアプローチが美しくも静謐なムードを醸し出す。今回は、メニューの中から、サイアムアロマ・ボディセラピー60分をチョイス。足浴から始まり、ストレッチを含むタイ式マッサージとアロマオイルマッサージの組み合わせ。4種類から選べるアロマオイルは、「別府オリジナルブレンド」というラベンダーと柑橘の爽やかなオイルに。アジアンテイストが感じられるアロマとやや強めなマッサージに東洋的なスパらしさがあり、60分は天国だった。温泉に加え、ハイレベルのスパがあり、セットでボディメンテナンスができることは大きな魅力だと思う(※ちなみに今回のリトリートプランにはスパメニューは含まれていないため、ご希望の方はオプションでの追加が必要)。

 

 温泉とマッサージでふわりと体がとろけたあとはお楽しみのディナー。大分県産の地元食材をバラエティ豊かに頂ける「エレメンツ」では、メインが選べるディナーコースのほか、アラカルトもチョイスでき、豊後牛を使用したステーキ丼や姫島産車海老と野菜の天ぷらセットなど和食も頂けるのが魅力的。

 

 

 

 

 6種類のメイン料理から選んだ豊後鶏のトマト煮込み・湯布院チーズフォンデュをメインに、アミューズ、湯布院サーモンのサラダ・カリフラワーピューレ、ちりめんキャベツの田舎風スープ、佐伯産真鯛と味一葱のスパゲティ カラブリア風、チョコレートテリーヌと苺ミルクのソルベとコーヒー、といった、野菜がたっぷり盛り込まれたコース。

 

 温泉のせいか、いつまでも体がほかほかと温かい。部屋のテラスからの夜景や夜空の星も宝石のごとくきらめいて、部屋での時間をもっと堪能しようかと考えている間にいつのまにか深い眠りへ。こういう眠り方がいちばん気持ちがいい。

 

 次の朝は、明るくなると同時に目が覚めた。テラスに出ると、朝陽が別府湾の上空に真っ赤に光り輝いていた。市街地にある無数の温泉は湯けむりを盛大に放出させている。朝イチで入る温泉は、ぐんと体に効く気がしたので、まずは温泉浴場へ。湧き上がるお湯のエネルギーを満たし、体と脳がクリアに目覚めたところで朝ごはんへ。ラグジュアリーなホテルの朝食というものは、滞在中もっとも楽しみな食事だ。

 

 

 

 

「エレメンツ」は、広々としたテラスの気持ちよさが秀逸。暖かくなってきたらこちらの席を朝イチでキープするのが正解。なぜなら朝日が昇っていくのを正面に眺めることができるから。心が浄化されるような神々しさである。

 

 さて朝食は、卵料理は10種類からオーダーでき、前菜ビュッフェはサラダや野菜料理の豊富さ、デニッシュや湯布院の「風曜日」スプレッド、デザートの充実度など、洋食系が素晴らしいのは、もはやランチで経験済みだけれど、さらによかったのは和食! 大分名物のとりめしやとり唐揚げ、大分県産・「安心院」の白米、ビーフカレー、野菜の煮物や湯葉など、大分を味わいつくせる内容である。

 

 メインは、イチ押しのエレメンツシグネチャーオムレツに。こちらは、豊後別府湾ちりめんと大分味一ねぎの和風オムレツに、大分「田中醤油店」の大人気商品であるジェノベーゼ風大葉ソースが添えられていて相性抜群。爽やかな味わいがたまらない絶品に。

 

 

 

 

 今回の宿泊プランは14時まで部屋をキープできるので、せわしなくチェックアウトする必要がなく、1泊2日でものんびり過ごせるのが最高だ。暖かい季節なら、リゾート気分たっぷりのインフィニティプールで、タイムアップぎりぎりまでゆっくりしたいところである。プールで飽きるほど泳いだり、大分で生産されている水中ハンモックに揺られながら脳内を空っぽにしたり、プールサイドカバナで絶景&アルコールを堪能したり、温水ジェットバスで脱力したり…。もっとも、プールの水温は冬でも入れるよう27〜29℃に、ジェットバスは35℃に設定されているから、通年泳ぐことは可能なのだが、それは次回のお楽しみに。朝食後は、ホテルからタクシーで約10分の、湯けむりが立ち上る鉄輪(かんなわ)温泉街を散策することにした。

 

 鉄輪温泉は、別府八湯のひとつで、地獄めぐりや街歩きを楽しめる風情漂う温泉街。地獄めぐりの「地獄」とは、自然に湧き出る源泉の噴出口のこと。1000年以上も前から100℃前後の噴気、熱泥、熱湯が地中深くから地面に湧き出て、ぼこぼこと熱でうねる熱湯の様子やもくもくと視界をさえぎるほどの真っ白な湯けむり、危険なほどのマグマの熱気などを指して、地獄と呼ばれるようになったとか。7ヶ所ある別府地獄のなかで5ヶ所が徒歩圏内に密集する鉄輪(かんなわ)温泉は、別府八湯の中でも中心的存在。地獄は温泉の含有物の化学反応によって青や赤、白など色や効能が異なる。その様子は美しくも畏怖を感じるほど神秘的でもある。立ち寄り湯なので、各湯を巡るのも楽しく、また効能をより有益にするための回り方なども多々指南されているようだ。奈良時代に編纂された「豊後国風土記」には鉄輪(かんなわ)・亀川には1000年以上前から地獄があったとの記述がある。各地獄には足湯や展望台、土産店などがあるので、観光だけでも楽しめる。

 

 

 

 

 また有名なのは、温泉蒸気を利用した調理法「地獄蒸し」!食材を受け取り、蒸し場で15分ほど蒸して、その場で頂くという、まさにこの地ならではの料理。塩味がうっすら付き、温泉のミネラルも同時に頂けるということなので、野菜蒸しを体験してみたが、高温ならではの温泉パワーを感じてとても美味しい。昔ながらの地獄蒸しだけでなく、最近では地獄蒸しイタリアンや薬膳スチームレストランなども。気軽に無料で試せる足の蒸し湯は、タイツのままでも体験可能。坂道の街歩きで疲れた足がふわーっと癒された。

 

 オーブンで焼かれたシフォンケーキを、店頭の蒸し器で熱々に蒸していた「ケーキショップ サリーガーデン」では味見をさせていただいたら、あまりに美味しくて思わず店内へ。シフォンケーキに加え、ホテルの朝食でいただいたオムレツに添えられていた瓶詰めの大葉ソースや大分県産のドレッシングをお土産に購入!

 

 

 

 

 それから絶対に立ち寄り忘れてはいけない名店が、ホテルから車で5分ほどのところにある。それは明治8年創業の明礬(みょうばん)温泉にある別府を代表する老舗温泉旅館「岡本屋」の美味しいものを頂ける「岡本屋売店」!苦味が効いたカラメルと濃厚な卵の味わいが絶品の「地獄蒸しプリン®」や「地獄蒸したまごサンドイッチ」、香川のなかむらから生麺を仕入れてつくるコシが強い「温玉うどん」、「とり天カレーライス」、「湯の花まんじゅう」など、ランチやおやつにぴったりの美味しいものがズラリ! テイクアウトもできるので、旅の最終日、お土産を買いに立ち寄るのがベスト。午後には売り切れてしまう品もあるので、なるべく午前中に訪れたい。創業150周年を迎えるにあたり、ドッグラン併設のカフェを春以降にオープン予定だとのことで、そちらも期待値大!

 

 さて、街を満喫してホテルへ戻り、14時にチェックアウト。タクシーで大分空港へ。別府は、福岡空港からも車で約2時間。福岡と別府をめぐる旅なんかも楽しいはず。また近くにはゴルフ場も多々あるので、もう少し暖かくなったら、ゴルフ&温泉という旅も魅力的だ。

 

 素晴らしき温泉パワーとラグジュアリーなリゾートステイ。心身共に活力をチャージできる「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」のリセット旅は、忙しい人にこそオススメしたい特別な旅である。

 

 

 

 

ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ

大分県別府市鉄輪499番地18

TEL. 0977-66-1000

https://anaicbeppu.com/24h-stay-2024/

 

 

IHGホテルズ&リゾーツ

世界100以上の国々に、インターコンチネンタルやクラウンプラザ、ホリデイ・インやホリディ・インエクスプレスなどの19ブランド、約6,600軒以上のホテルを展開する世界有数のグローバルホスピタリティ企業です。

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