5 Reasons to Stay at the Four Seasons Hotel Seoul
フォーシーズンズホテルソウルに滞在する5つの理由
March 2025
ラグジュアリーホテルが数多くあるソウルでは、宿泊先選びで迷うことも多いだろう。立地や快適さ、サービスの質の高さ、景色や食など、重視するポイントは人それぞれ。そんな悩める読者にTHE RAKEが推薦するのが、そのすべてを兼ね備えた「フォーシーズンズホテルソウル」である。本記事では、フォーシーズンズホテルソウルに滞在するべき5つの理由を紹介する。
text yukina tokida
日本人に人気の旅行先、韓国・ソウル。東京と同様、世界の名だたるラグジュアリーホテルがひしめくソウルでは、宿選びに迷う人も多いだろう。数あるホテルの中でも、今回紹介する「フォーシーズンズホテルソウル」は、まさに満足度の高い一軒だ。
1.ソウル屈指の歴史的な場所
ホテルがあるのはソウルの中心、光化門エリア。明洞や東大門といった賑やかな観光地とは異なり、市庁があり、オフィスが集まるエリアであるため比較的落ち着いている。
さらに、紀元前18年にまで遡る韓国の歴史を象徴する景福宮や仁寺洞があるため、ホテルから少し歩くだけで、広い空の下、韓国の伝統と文化に触れられる。忙しない大都会の中で、どこか落ち着いた空気感を味わえるのもこのエリアならではといえよう。
さらに、地下階に位置しているレストラン「ザ・マーケット・キッチン」内では、ホテル建設中に発掘された古代遺跡も展示されており、ガラス張りの床によっていつでも見ることができる。ホテルの中がまるで博物館のようになっているのだ。
光化門広場に鎮座する世宗大王銅像。ホテルからは徒歩5分もかからない場所にある。
2.韓国の伝統を感じるモダンな客室
フォーシーズンズホテルソウルの客室は、ゆとりのある空間と洗練されたデザインが魅力。
韓国の伝統美をモダンな感覚でアレンジしたインテリアは、非常に居心地がよい。床から天井まで広がる大きな窓の外は、ソウルの街並みや南山タワーも望むことができ、昼と夜で異なる景色を楽しめる。客室内のバスルームは広々とした仕様で、日中の疲れを癒やすのにぴったりだ。客室をはじめ、館内の至る所には、韓国の伝統を感じさせるアート作品も多数飾られている。
ホテルのデザインは、建設中に発掘された16世紀ごろの陶器、瓦、金属工具などから着想を得たもの。無垢の木材の骨組みとスチールの接合部、漆塗りのフレームと繊細なシルクスクリーンを合わせるなど、この土地の歴史に敬意を表したディテールがホテルの随所に表現されている。
一部の客室からは、景福宮を望むことができる。
アメニティはDiptyque(ディプティック)のもの。
3.一流で、本格的な韓国式サウナ
このホテルの魅力のひとつが、本場韓国式サウナ「チムジルバン」を現代的にアレンジした施設が備わっていること。ドライサウナやスチームサウナ、プライベートの垢すりルーム(予約制)、温度の異なるふたつの温泉など、ウェルネス施設も非常に充実している。
このフロアには、ゆったり時間を過ごせるTVルームや、複数のリクライニングソファが備えられた休憩スペースも。滞在中に一度はぜひ訪れてほしい、おすすめの施設だ。
温度の異なるふたつの湯船を擁しているスパ。日本と同じく、衣服は身につけずに利用する。予約制の垢すりを受ける前に、サウナや湯船に浸かってしっかりと身体を温めておくのがおすすめ。
4.韓国の文化を取り入れたカクテルバー
フォーシーズンズホテルソウルでは、個性の異なるふたつのバーが特別な夜を演出してくれる。ひとつは、ホテルの地下階に位置する「Charles H(チャールズH)」。世界的なバーのランキング「アジアのベストバー50」の常連であり、クラシカルで西洋的な雰囲気が漂う空間で、ここでしか味わえない独創的なオリジナルカクテルが楽しめる。
香港のBar Leoneのロレンツォ・アンティノーリ氏や東京のVirtuのキース・モッツィ氏など、現在アジアのベストバー50にランクインしている多くのバーテンダーたちを輩出しているバーでもある。
韓国の伝統的な装飾と西洋のエレガンスが融合した「Charles H(チャールズH)」。
もうひとつは、大きな窓に囲まれた、カジュアルでリラックスできるバー「OUL(オウル)」。2022年にオープンしたこのバーの名は、ホテルが位置するソウル(Seoul)と、夜更かし好き(Owls)が集う街であることに由来している。ここでは伝統的な韓国料理をモダンに、そして洗練された一品にアレンジした軽食とともに、韓国全土で作られたリキュールや、韓国に古くから伝わるのものから着想を得たお酒を楽しむことができる。
ドリンクのコンセプトは、「TRADITIONAL」「TURN OF THE CENTURY」「TODAY AND BEYOND」の3つのカテゴリーに分けられており、過去・伝統から時代の変わり目、そして今日・未来を飲み物で表現している。
韓国で親しまれている、お米を使った甘いジュースをヒントに、ソジュを使ったカクテル「SIKHYE」、お風呂上がりに飲むバナナミルクに由来したカクテル「BANANA MILK」、そして韓国料理に頻繁に使われるにんにくを使ったガーリックモスコミュール「SEOUL MULE」の甘くない一杯まで多彩に揃う。他にも、韓国産のスパークリングマッコリやウイスキー、さらにはジンまでカクテル以外の選択肢も豊富だ。
ぜひ味わいたいシグネチャーメニューは、「HANWOO YUKHOE(ユッケ)」と「LOBSTER TTEOKBOKKI(トッポキ)」の2品。ロブスターや自家製のさつま揚げ、タンミョンを揚げで包んだ巾着が入ったトッポギは程よい辛さで、2〜3名でシェアして食べるのにもおすすめの一品。ユッケは、チリペーストソースや胡麻油に、細かく刻んだ梨やキヌア、ラッキョウやニラを加えたあと、その場でよく混ぜ合わせて提供してくれる。モダンに洗練された一品で、適度なピリ辛がここちよい味わいだった。
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上:目の前でよく混ぜて提供してくれる「HANWOO YUKHOE(ユッケ)」。モダンなプレゼンテーションが美しい。左:大きなロブスターの爪が入った「LOBSTER TTEOKBOKKI(トッポキ)」。ガスコンロと一緒に提供されるため、常に熱々のトッポキを楽しめる。右:「SEOUL MULE」の氷の上には揚げたガーリックがのっている。サクサクで軽やかな、飲み物のおつまみにも最適なガーニッシュだ。
同店のメニューを考案したヘッドバーテンダーのアイク氏が語る「ただのバーではなく、文化の発信の場所でありたいと思っています。だから、カクテルに加えて韓国の伝統を感じられるような食事のメニューにも力を入れています」という言葉を表現した空間、そして充実したメニューのラインナップは、ゲストを飽きさせることがない。
バーの入り口には、アイク氏が祖母から受け継いだ、韓国の野菜(しそやコリアンシナモンetc)や金柑、人蔘、ハーブを使った自家製リキュールも並んでいる。この店ほど韓国の伝統と今を存分に感じられる一軒はないだろう。
5.充実した朝食ブッフェ
朝食がホテル滞在における大きな楽しみのひとつなのは、私だけではないだろう。フォーシーズンズホテルソウルのレストラン「ザ・マーケット・キッチン」で提供される朝食ブッフェも、期待を超えるほどに充実している。
定番のコンチネンタルブレックファーストをはじめ、日替わりの麺料理、7種類にも及ぶ多彩なキムチやビビンバ、キムチチゲ、キンパップ、カンジェンセウ(エビの醤油漬け)などの韓国料理、10種類以上の焼きたてパンやフレッシュなフルーツ、さらには韓国の伝統菓子や巨大なチョコレートファウンテンにチュロスやパンケーキまで揃う、これぞ世界のフォーシーズンスグループの真骨頂。
隅々まで細やかなホスピタリティが行き届いており、ちょっとした会話からその日の観光のヒントになるようなサポートもしてくれる。小さな子供連れから、両親、祖父母まで一緒に楽しめる、年齢を問わずに楽しめる要素に溢れている。
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左:巨大なチョコファウンテンは子供も楽しめるよう、子どもの目線に合わせた高さで用意されている。中央に電車が走っている可愛らしい演出も。右:日替わりのスペシャル麺料理も登場。自分で好きな食材を入れて、麺の種類をリクエストすれば注文できる。
取材時に提供されていたキムチとナムル。韓国の伝統料理を含む多彩なビュッフェメニューは、地元の旬の食材を使用しており、一日のエネルギーを蓄えるのにぴったりだ。
ソウルの中心で、歴史と文化、そして現代の贅沢が融合した空間を提供するフォーシーズンズホテルソウル。韓国旅行の玄人も、初心者も満足できるソウル随一のラグジュアリーホテルだ。次回のソウル旅行では、ぜひこの特別なホテルを訪れてみてほしい。
ホテルロビー。開放的な空間がゲストを迎えてくれる。
フォーシーズンズホテルソウル
97 Saemunan-ro, Dangju-dong, Jongno District, Seoul
TEL. +82 2-6388-5000