Friday, June 19th, 2026

驚異の70日間パワーリザーブを誇る、革新のツインビートを発表

 ヴァシュロン・コンスタンタンは、2019年に時計界を震撼させたコンセプトウォッチを進化させ、最新作「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」を発表した。1755年の創業以来、卓越した技術革新と不変の美意識を融合させてきたマニュファクチュールが、実用複雑時計の定義を再び塗り替える。
 本作の核心は、特許を取得した革新的な「ツインビート(ふたつの振動数)」システム。着用時の精度を担保するアクティブモード(5Hz)と、時計を外した際に動力を最小限に抑えるスタンバイモード(1.2Hz)という、ふたつの調速装置をひとつのムーブメントに共存させたのだ。ケース側面のプッシュボタンによって、時刻やカレンダー表示を狂わせることなく、瞬時にモードチェンジを行うことが可能だ。
特筆すべきは、手巻きキャリバー「3610 QP」に施されたさらなる最適化である。瞬間ジャンプ式パーペチュアルカレンダーのカム機構を見直し、日付変更にかかる駆動トルクを従来の4分の1に低減。これにより、スタンバイモードにおけるパワーリザーブをさらに5日間延長させ、最大70日間という驚異的な駆動を実現した。2100年まで調整を必要としない永久カレンダーが、これだけの日数動き続けることは、真の意味で“永続的”に近づいたといえるだろう。実用性における新たな金字塔を打ち立てた、アヴァンギャルドなこの意欲作は、本物を知る愛好家の腕元でこそ、その真価を静かに誇示する。

 

 

text Nobuhiko Takagi