Wednesday, December 27th, 2023
斬新な構造と遊び心
レッセンスの最新作
ベルギーの時計メーカー「レッセンス」をご存じだろうか。2010年に、工業デザイナーだったベノワ・ミンティエンス氏が創業したブランドだ。ベルギーデザイン、スイスメイドの機械式時計であり、2013年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でHorological Revelation賞を受賞する実力を持つ。
彼の時計製造へのアプローチは、非常に斬新でユニーク。まずは時計の外部(ケースおよび文字盤)をデザインしたのちに、それを実現するためのムーブメントを設計する。できる限りピュアに時刻表示を表現するため、伝統的な時計の構造を大胆に見直しているのだ。
従来の時計の針は回転ディスクに置き換えられ、時・分・秒・曜日表示が互いを追いかけるように回転していく。したがって、文字盤は時間を見るたびにレイアウトが変わる。一枚の紙に書かれたようにフラットな表示は、どの角度から見ても情報が読み取りやすい。また、リュウズは取り払われ、ケースバックを回転させて時刻合わせや巻き上げを行う構造となっている。
そんなレッセンスの最新作は、「Type 1 Round M」だ。2023年春に登場した「Type 1 Round」のグラフィカルなマルチカラーバージョンで、時・分・秒・曜日ディスクにグリーン、ブルー、イエロー、レッドが配されている。針とインデックスはホワイトのペイントで仕上げ、各針の先端は鮮やかなカラーとなっている。
これまでの時計には見られない、ユニークなグラフィックの美学を楽しみたい時計愛好家にとって、要注目のブランドである。
「Type 1 Round M」
自動巻き、Tiケース、42.7mm
¥2,772,000
DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン
text: the rake編集部