Wednesday, October 19th, 2022
夜の闇に浮かび上がる“デコトラ”
秦 淳司の15年に渡る作品が写真集に
ボディにペインティングや電飾を施した、世界のどこにもない唯一無二のクルマ、「デコトラ」は、近年日本のポップアートとして世界から注目されている。1970年代には映画『トラック野郎』で一大ブームを巻き起こしたデコトラだが、もはや絶滅の危機だ。
そんなデコトラを、雑誌や広告などの第一線で活躍するフォトグラファー、秦 淳司氏が15年撮り続けて完成した写真集『DEKOTORA』が発売された。氏は15年前にデコトラを撮影したときにその魅力に引きこまれ、以来その姿を撮り続けてきた。特に夜の闇に浮かび上がる電飾を点灯したデコトラたちに焦点を当てて撮り続けた、幻想的かつ未来的な世界観が写真集には収められている。
写真集は絵本などに使われる厚紙を使用した分厚い一冊。厚さは5センチ、重さは2.4キロ。各ページを飾る写真ともども重量感あふれる写真集となっている。また同封されている別冊には都築響一氏、鈴木正文氏、安藤夏樹氏が寄稿し、デコトラや秦氏のことを語っている。
また写真集の発行にあわせて、メタバースのギャラリーで作品展示も企画され、作品はNFTでの販売も計画されている。12月9日~25日にはRoll(神楽坂)で写真展も開催予定だ。
text: MIKI TANAKA