Friday, May 18th, 2018
日本の伝統工芸・京手描友禅を讃えた
100万円のボンバージャケット
ダウンジャケットで絶大な人気を誇るTATRAS。クリエイティブ ディレクターの坂尾正中氏は日本人としてのアイデンティティを見つめ直し、今年2月、18-19AW ファッションウィーク中のパリで、新ブランド「REVEAL PROJECT」を発表し話題を集めた。キーとなるのは「日本」。伝統工芸とその高い技術を生かしたコレクションを世界に向けて発表することで魅力を再認識し、未来に伝承していく目的を含んでいる。
第一弾として手を組んだのは、京手描友禅だ。日本が誇る「キモノ」の刺繍や紋を含めた染めの技術を全面に生かし、洋服に落とし込んだ。多岐にわたる製作工程を統括する京都・木村染匠の指揮のもと、発表されたのは7タイプのシルクのボンバージャケット。いずれもブラックのシンプルなボディをベースとし、背にそれぞれ異なる日本画が浮かび上がるデザインで、日本らしい繊細さが見事に表現されている。誰もが息をのむ美しさは間近で見ればもちろんのこと、そうでなくともただならぬ雰囲気を感じさせるオーラは芸術作品そのもの。1着100万円の価格にも納得である。
4月某日、このコレクションが日本でも初お披露目となった。舞台に選ばれたのは、京都が誇る世界遺産・二条城。プロジェクトに賛同するゲストたちがボンバージャケットを纏って登壇し、その魅力について熱く語った。TATRASを通じて培われたクリエイションが、日本の歴史・文化と融合したこの新プロジェクト。真のラグジュアリーのヒントがこんな身近に存在していたのだから、「REVEAL PROJECT」の今後に目が離せない。
(写真1〜3枚目)
京都・二条城を舞台に発表された第一弾コレクション。雨が降り注ぐ中、モデルたちが和傘をさす姿もまた幻想的な雰囲気を高めていた。普段は一般公開されていない「台所」内では、京手描友禅の着物とともにボンバージャケットが展示された。
(写真4枚目)
プレゼンテーションには、プロジェクトに賛同するゲストたちが異なる柄のボンバージャケットを着用して登壇。左から、レスリー・キー氏、土屋アンナ氏、北島康介氏、TATRAS JAPAN 代表取締役社長の坂尾正中氏、とよた真帆氏、窪塚洋介氏、国木田彩良氏。
(写真5枚目)
ライトアップされた二条城の「台所」。
背の画は、『YUZEN ON ROOSTER』(伊藤若冲の軍鶏)、『YUZEN ON DRAGON』(龍)、『YUZEN ON SKULL』(河鍋暁斎の髑髏と蜥蜴)、『YUZEN ON PRINCESS』(姫)、『YUZEN ON YUI』(熨斗)、『YUZEN ON RAKUJU』(袱紗)、『YUZEN ON MATSU』(影向の松)の全部で7タイプ。TATRAS & STRADA ESTほかの店舗にて取り扱い。受注販売で6月より受付開始予定。
ボンバージャケット各¥1,000,000(税別予価)
Reveal Project
お問い合わせ先
タトラス ジャパン
TEL:03-5708-5188