Monday, June 26th, 2017
山代温泉 あらや滔々庵378年続く老舗宿で五感を満たす
北陸の名湯、山代温泉にて1639年に創業し、加賀大聖寺藩前田家歴代藩主入湯の宿として湯番頭「荒屋源右衛門」の命を受けて以来、当代で十八代続く老舗宿「あらや滔々庵」。湯元ならではの豊富な湯量は一日約10万リットルを誇り、大浴場や露天風呂、9つの客室に備わる半露天風呂まで源泉掛け流しの湯で満たされる。
さらなる魅力は山庭に面した全18の客室。窓の外に広がる四季の風情を感じたあとに、食事処にて九谷焼や山中塗に盛り込んだ美器佳肴の料理を愉しみたい。食後は山庭にある築百数十年の木造のバーラウンジ「有栖川山荘」にて、地酒とともに思い出深い旅のひとときを過ごすのもいいだろう。
館内には、大正時代に同館に逗留したことでも知られる北大路魯山人の作品や館主好みの現代アートが数多く展示されている。まるで美術館のような空間は、知的好奇心をも刺激し、満たしてくれるに違いない。
今年の山代温泉では、6月4日に『菖蒲湯まつり』、7月29、30日には中世に流行した謎の芸能「田楽」を甦らせた『山代大田楽』、8月26、27日には温泉街を歩行者天国にした『やましろアートマーケット』と、イベントが目白押し。ぜひこの機会に足を運びたい。
(写真1枚目)露天風呂付き客室のひとつである「九谷・兼六」。客室で源泉掛け流しの源泉を愉しめる。テラスにはデザイナーチェアも。
(写真2枚目)自慢の料理。
(写真3枚目)内湯「瑠璃光」。地下わずか十数メートルから湧く珍しい温泉だ。
あらや滔々庵
住所:石川県加賀市山代温泉湯の曲輪
TEL:0761-77-0010