Thursday, March 9th, 2017
アメカジを謳歌したすべての人に贈る
渋カジ世代の回顧録
ファッションジャーナリスト増田海治郎氏による、日本のファッション史の貴重な記録であり、渋カジ世代の青春時代の“回顧録”でもある『渋カジが、私を作った。』が発売された。
本書は、1985~87年のアメカジから1988~89年の渋カジ、1990年~91年のキレカジ、ハードアメカジ、1991~92年のデルカジまでの、約7年間にわたるアメカジをベースにしたファッションを「渋カジ」と定義し、その誕生の経緯、スタイルの変遷を詳細に記録したもの。当時主流だったDCブランドに対するカウンターカルチャーとして、アメカジに身を包んだ若者集団“チーム”が渋谷に現れ、いつしか渋谷カジュアル=渋カジと呼ばれるようになり、POPEYEやHot-Dog PRESSなどの雑誌の後押しを受けて、全国的な流行に発展した歴史を辿る。
「団塊ジュニア世代は“不遇の世代”ではなく“七転び八起き世代”である」という著者のメッセージを込めた、シンプルで力強いあとがきも必読。当時の雑誌でもイラストを書いていた、綿谷寛氏が表紙のイラストを飾る。著名人の貴重な逸話も、生き生きとした言葉で語られており、渋カジ世代を楽しんだ人なら誰しも懐かしい時代を思い出す、必読の一冊である。
(写真2枚目)
当時流行したレッド・ウィングのエンジニアブーツ、バンソンのTJP、リーバイスのセカンドなどを掲載。
(写真3枚目)
キレカジ期の扉。キレカジは紺ブレをアイコンに、1990年春〜91年春にかけて流行。
(写真4枚目)
女優の田中律子さんら、16人の渋カジ関係者のインタビューを収録。田中さんの撮影は、当時も今も通っている原宿のゴローズで行った。
増田海治郎(ますだ かいじろう)
「GQ JAPAN」、「SWAG HOMMES」、「Fashionsnap.com」、「東洋経済 ONLINE」などで健筆をふるうファッションジャーナリスト。年2回の海外メンズコレクション、東京コレクションの取材を欠かさず行っており、年間のファッションショーの取材本数は約250本。モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをカバーする守備範囲の広さは業界でも随一。仕事でもプライベートでも洋服に囲まれた毎日を送っている。
サイズ:四六版
ページ数:308ページ
価格:¥1,600
発行元:講談社
発売日:2017年3月9日