これまでの100年、
これからの100年に想いを馳せて
Tuesday, January 29th, 2019
text shige oshiro
One century in a bottle(1世紀が詰まった究極のコニャック)–––まさにそれが記念すべき第1回にご紹介する『ルイ13世』だ。この眩いほどに美しい琥珀色のコニャックは、100年も前に造られた1200種もの原酒が、熟練のセラーマスターの手によって絶妙にブレンドされ、ひとつひとつの瓶にボトリングされている。
最初のひと口では、フローラルノートや砂糖漬けのフルーツ、そして微かなスパイスが広がり、ふた口目には、パッションフルーツのニュアンスが漂うジャスミンのノートに、ジンジャーとナツメグが溶け合う。ゆっくりと少しずつ時間をかけて味わうそのひと時は、何ものにも代えがたい自分だけの時間となるだろう。飲み終えたあと1時間も続く余韻の長さは、まさにブレンドの芸術のなせる業。瞬く間にその世界へと引き込まれるはずだ。
ルイ13世が人々を魅了する理由は、そのデキャンタにもある。11人ものクリスタル職人がタイミングを合わせながら共同作業で息を吹き込み作り上げるそれは、オートクチュールの作品さながらに、ひとつとして同じものはない。まさにクリスタルの芸術作品なのだ。
だからなのか、ルイ13世を嗜むことは、最愛の人から受け継いだものを大切にし、また次の世代に「継承」していくことと、どこか似ていると私は感じる。とても文化的であり、前進的で有意義なものなのだ。歴代のセラーマスターの言葉に、こうある。When you discover LOUIS XIII, you become a different man.(ルイ13世に出合ったとき、あなたは生まれ変わる)。コニャックは初心者だからちょっと……などと思わず、まずはぜひ一度その世界に触れてみていただきたい。日常的にスーツや靴、家具をオーダーするように、ボトルに詰め込まれたこれまでの100年、そしてこれからの100年に想いを馳せながら、ルイ13世を愉しむ自分だけの豊かな時間を嚙み締めて、酔いしれていただきたい。きっとあなたも生まれ変わるはずだ。
Letter from the President とは?
ザ・レイク・ジャパン代表取締役の大城が出合ってきたもののなかで、特に彼自身の心を大きく動かしたコト・モノを紹介する。