THE RAKE JAPAN from Yuko Fujita

THE RAKE JAPAN副編集長、藤田雄宏が取材した、
世界中の友人たちや気になるウェルドレッサーたちをご紹介します。

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Kenji Mihara(リシュモン ジャパン)

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  • On Mar 22nd, 2017
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三原健治(Kenji Mihara)

 

text & photography yuko fujita

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suit  Dunhill

shirt  Dunhill

pocket square(around on neck)  Dunhill

document case  Dunhill

shoes  Justin Deakin

bracelet  Thomas Curtis

watch  Girard-Perregaux

 

 

リシュモン ジャパンのマーチャンダイジング マネージャー、三原健治さんです。

三原さんは僕と同い年。根っからの服好きで話が本当に面白く、

「うんうん!」と頷きっぱなしで気が付いたら2時間ずーっとワクワク聞き入ってました。

三原さんは大学を卒業後、バーニーズ ジャパンに新卒で入社。

大学時代のサークルにはUAのMD部長 太田勝也さんを筆頭に今日のファッション界の第一線で活躍している

お洒落な先輩たちがゴロゴロいたそうで、周囲に感化されて高いテンションで入社したからか、

1年目に服を買いすぎて人事に呼び出されたことがあるそうです(笑)。

三原さんって僕と同じ匂いのする方だなって強烈なシンパシーを感じてしまいました

(失礼! 今なおナポリでのス ミズーラ地獄から抜け出せない僕は、もっとタチが悪いかも)。

 

 

「バーニーズに入社した当時、休日になると先輩たちがアメ横、原宿、代官山を一緒に回ってくれて、

それこそ毎週のように玉美、プロペラ、マルセルラサンスなどに通っては、買い物をしまくっていました」

ちなみに毎週の買い物行脚の際、アメ横でのランチの定番だったのは僕も大好きな中華料理屋「新東洋」。

洋服屋さんの趣味が同じなだけでなく、中華屋の趣味まで一緒ときたから、強烈なシンパシー5割増しです。

 

 

三原さんが最初に配属されたのは、ネクタイやタイを扱う新宿店のメンズファニッシング部門。

売り場ではベルヴェストやカスタンジア(懐かしい!)のスーツ、フライやボレッリのシャツ、

エドワード グリーンの靴などでバリバリに決めていたそうです。

2年目のときに「それだけ服が好きなら、服を買うのを我慢してお金を貯めて俺の海外出張に付いてこい」と

先輩に言ってもらい、三原さんはそれを本当に実行。

ピッティ ウォモやミラノ コレクションの出張に自腹で同行したというなんとも素敵なエピソードの持ち主です。

その熱意が通じたのか、3年目にしてデザイナーズブランドを扱う部門のMDチームに抜擢されます。

その後スポーツファニッシング部門のMDを経て、2007年に独立。

バーニーズ ジャパン時代の上司とともに、ニッポンのブランドを海外に発信する「アリカ」というプロジェクトに携わったのち、

2010年にリシュモンジャパンに入社し、今日に至ります。

 

 

 

ドニゴールツイード製の3ピーススーツはダンヒル。ベストは追加で同じ生地にてオーダーしたそうです。

フランネルっぽい素材感のシャツもダンヒル。

「これはイタリア製ですけどダンヒルのシャツが面白いのは、ギンガムチェックなどの一般的なチェックではなく、

タッターソールやタータン、ガンクラブ等から派生した、地域や家柄、職業に根差した英国らしいチェック地が揃っているところです」

ポケットチーフもダンヒルで、こちらはポケットに挿ささずに首に巻いているのがポイント。

「タイドアップすると必然的にドレス感の強いスタイルになるので、インディアンジュエリーをつけるときはいつもノータイです。

かといって何もしないのも寂しいので、チーフを首に巻いているんです。

これは、ダンヒルの本国スタッフの友人に教えてもらったテクニックです」

 

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靴はジャスティン・ディーキン。

「イーストロンドンにあるお店で、お店に行くとジャスティンにウイスキーを飲まされて靴を買わされます(笑)。

これはメダリオンがゴールドになっているのですが、そういう遊びの利いた靴が揃っているんです。

ちなみにシューポリッシュは、マエストロの松室真一郎さんにお願いしています」

 

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時計はお父様から譲り受けたジラール ペルゴ Ref.9050のSSケース。

「母が父にプレゼントした時計を、もうしないというので譲ってもらったものです。

今、見ると小ぶり(ケース径34㎜)かつシンプルで凄く気に入っています」

個人的にもこれ、すごくカッコいいなって、自分でも欲しくなってしまいました!

 

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そして、三原さんのこだわりが何よりも凝縮されているのが、こちらのブレスレットです。

「大変貴重なターコイズを揃えているお店が軽井沢にありまして、バーニーズにいた当時はみんなで毎月のようにそこへ行って、

ビールを飲んだ勢いでターコイズを買って帰るということを繰り返していました(笑)。

もちろん、往復のクルマの中はずっとターコイズの話です。貴重な石でも昔は今よりずっと安かったんですよね。

このブレスレットは、軽井沢で購入した石を上野のブレーブストレーディングに持っていき、

今は亡きトーマス・カーティスに作ってもらったものです。

キングマン鉱山のイサカピークのターコイズで、金っぽい色や水晶の入ったスパイダーウェブ

(クモの巣状にマトリックスの入ったもの)がお気に入りです。石の両サイドには三原の“M”を彫ってもらいました」

 

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あと、ダンヒルのドキュメントケースにも注目です。

ウォルサムストウにある自社工場製の「トラディション」というハンドクラフトシリーズのもので、

10年以上前になりますが、実は自分もここの工房を訪ねたことがあり、「サドルレザーのバッグを手掛けるファクトリーの中でも、

群を抜いて高いクオリティを誇っているなぁ!」って感動したのを覚えています。

同シリーズの鞄や革小物は、「ホーム」といわれるロンドンのボードンハウス、上海のツインヴィラ、東京の銀座本店の、

世界3店舗のみで扱っているそうです。

本当に素晴らしいクオリティの製品ですので、ぜひいちど銀座本店に足を運んで、実物をご覧になってみてください。

自分もいつかは購入したいなと思っている憧れの鞄のひとつです。

 

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ちなみにトラディションシリーズには、手掛けた職人の名前が刻印されたタグが入っています。

ここまでこだわっているブランドって、そうはないと思います。

 

 

 

そんな三原さんに自身のスタイルに対するこだわりを訊いたところ、返ってきた答えは至極明快!

“イタリア的な要素をなるべく排除すること”だそうです。

「今、皆さんカッタウェイのシャツを着ていますが、私からするとカッタウェイはよくも悪くもイタリアの匂いが強すぎるんです。

1910~20年代の映画を観ると、皆ロングポイントのレギュラーカラーシャツを着ていますし、

そこに抑制された色気を感じるんです。

それは決して古めかしいものではなく、今の自分の中ではそういうレギュラーカラーが気分なんです

着丈が短めで内に肩が入ったイタリアのトレンドであるタイトなジャケットも、自分の中では何かが違います」

 

 

以前はアメリカの『スティング』『フィラデルフィア物語』など

1930~60年代を舞台にした映画を好んで観ていたそうですが、

リシュモン ジャパンに入って英国と関わるようになってからは、

『眺めのいい部屋』『シューティングパーティ』『炎のランナー』など、

1910~20年代のイギリスにフォーカスした映画を片っ端から観て、イギリス文化に傾倒していったそうです。

「映画を通して自分の行ったことのない風景と時間と色を体験できたし、

そこから本当にたくさんのことを学べました」と三原さん。

 

 

「私がいた頃のバーニーズはアメリカ、フランス、イギリス、イタリアの要素があって凄く面白いなって思っていたんです。

それと同じような匂いがダンヒルにはあって、売れるかわからないものでもずっと展開し続けていて

ブランドの世界観を表現しています。

どのアイテムも、イギリス、イタリア、フランスと、そのジャンルにおける世界の一流の生産者が手掛けていて、

名前こそオリジナルだけど、これが本当のセレクトショップだと思うんです。

ライターがあって、パイプがあって、よほどのニッチなファンの方以外は食いつかないかもしれませんが、

時計もジャガールクルトが手掛けているし、ビスポークスーツもボードンハウスの3階で製作しています。

鞄や革小物もウォルサムストウ製のものをビスポークできて、こだわりも凄いんです」

 

 

「ブレイシーズもリシュモンに入ってから愛用するようになりました。普段は見えるものではないけれど、

ネクタイとのコーディネイトで遊ぶとすごく楽しい。

イギリス人はネイビーのスーツに赤いソックスをふつうに合わせますし、

デイヴィッド・ホックニーなんかは左右違う色のホーズを履いたりもしています。

ブレイシーズもソックスもこんなに面白いんだってことにも気づかされました。

イタリア的にはパンツと色を合わせるとか靴と色を合わせるとか、あるいは靴下は履かないのがセオリーだと思うんですけど、

イギリス的には色も素材も、そのへんの遊びが違うんです」

 

 

基本的にひとつのブランドでまとめていながらも装いに独特の空気を感じるのは、

三原さんがお話ししたようなダンヒルというブランドの立ち位置もあるだろうし、

イタリアンクラシックも、モードも、アメカジも、そしてヴィンテージもすべて通過してきた

三原さんの経験が生んだ美意識が詰まっているからだと思います。

流行をそのまま着ることを否定はしませんが、もっと大切なのは自分の気分、自分らしい装いを大切にすることです。

それが自分らしければ取り入れればいいし、自分らしくなければ、それを意識的に避けることも大切なんだなって、

三原さんの装いは気づかせてくれます。

ウェルドレッサーだと言われている人たちは、きっとそこが違うんだと思います。

 

 

3月24日に発売される『THE RAKE JAPAN』Issue16では、「THE 10 RAKISH MEN 2017」という特集を組んでいますが、

そこに登場する世界の10名も、トレンドとは適度な距離を保ちながら自分のスタイルを大切にしている素敵な紳士ばかりですよ!

クラランス・ウォン(Clarance Wong )

 

text & photography yuko fujita

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suit  Clarance Wong(Bespoke)

shirt  Minami Shirts(Bespoke)

tie  Viola Milano

shoes  Roberto Ugolini(Bespoke)

watch  Patek Philippe

 

 

広州で自身の名を冠したテーラーをもっている実業家のクラランス・ウォンさんです。

 

今年の6月、フィレンツェの宮平康太郎さんのサルトリアへ仮縫いに伺った際、

香港の生地エージェントの友人たちと工房の見学にやってきたクラランスさんと鉢合わせ。

聞けば広州にテーラーショップをもっていて東京にも頻繁に来ているとのこと。

以来、東京に来るたびに連絡をくれるようになり、ハシゴ酒をするほどの仲よしになりました。

「広州にも遊びに来てください」と言われ続けてきたので、

偉大なる広州グルメを堪能がてら、彼のテーラーショップを視察してきました。

 

 

今、アジアのクラシックブームを牽引しているショップオーナーはスーパーお金持ちの家庭に生まれ育った人ばかりですが、

クラランスさんはちょっと毛色が異なります。

 

彼は1985年に広州で生まれ、ずっと広州で育ってきました。

中学時代は常に学年トップの成績で、広州でいちばんの名門高校に入学するも、

親を病気で亡くしてしまい、経済的苦境に立たされ1年生で中退。

その後は自宅に引き籠ってネットゲームに明け暮れ、

アルバイトで最低限の生活費を稼ぎながら貧しい生活を送ってきたそうです。

 

その当時の胃袋を支えていたのが、地元の美味しい餃子屋さん。

今回、そこに連れていってもらったのですが、これがもうメチャ旨!

取り皿にニンニクをドバッと盛って食すので顔から汗タラタラですが、病みつきです。

4日間で3回も行ってしまいました。

ちなみにその店では200円ほどでおなかいっぱい食べられます。

 

あ、話が脱線してしまったのでもとに戻しましょう。

高校をやめてからネットゲーム→餃子→バイト→ネットゲーム→餃子→バイトという生活を送り続けてきたクラランスさんですが、

このまま何もしなければ貧しい生活からいつまでたっても抜け出せないのではという不安に駆られ、

19歳のときに独学で日本語を学びはじめます。

東大受験生のごとく猛烈に勉強したそうで、日本語はメキメキ上達。

外語短大にも合格し、在学中に見事日本語検定1級を取得しました。

 

卒業後は日本の大手メーカーの広州支社で営業アシスタント、商社の営業、アメリカの大手メーカーのマーケティングと

キャリアを積んで、2013年に起業。

ここから彼の人生は大フィーバーに沸きます。

 

エジプト航空の中国総代理店の権利を取得し、2014年に広州に自身の名を冠したテーラー「Clarance Wong」をオープン(現在3店舗)。

同年、香港にコーヒーショップ「Brew Bros」をオープンさせ(現在2店舗)、

今年の5月にはベーカリー「藤王」(パン職人の藤田圭亮さんが焼いていて、めちゃウマ!)を

広州の中心地にオープンさせました(現在2店舗)。

 

「今日の中国は目まぐるしく変化しています。

街はエネルギーに満ちていますが、ビジネスの競争は大変厳しく、勝ち負けが非常にはっきりしています。

それでも自分次第で大きく成長させられる可能性を秘めているから、仕事のやり甲斐はありますね。

特に発展途上の段階にあるテーラーの世界にはすごく可能性を感じます」とクラランスさん。

 

世界中を飛び回っているときにヨーロッパを中心とする紳士の文化に触れ、ファッションやライフスタイルに興味をもちはじめ、

それらの文化を生まれ育った広州にも広めたいという思いのもと、自身のテーラーショップをオープンさせました。

彼の夢は中国全土の大都市に自分のお店をもち、たくさんの中国人をお洒落にすることだそうです。

そのためには中国社会にテーラード文化を広めていかねばなりません。

そういえば今回、広州ではネクタイをしている人はあまり見かけませんでしが(もちろんいることはいますが)、

それは北京も上海も一緒でした。

 

「ネクタイをビシッと締めることのカッコよさを知ってもらい、それを理解してもらえれば、

この国の若い人たちにテーラー文化が爆発的に広まっていく可能性はあります」

 

僕の滞在中、クラランスさんのお店には毎日ひっきりなしにお客さんが訪れ、

日本円で25万円ほどする高価なオーダースーツの注文がポンポン入っていく様子に唖然とさせられました。

もうすでに革命は起き始めているのかもしれません。

 

とにかくスピード感と実行力のあるクラランスさんですから、3年後の彼がどうなっているのか、

そして中国のテーラードシーンをどういう方向へと導いていってくれるのか、今からとても楽しみにしています。

 

 

_mg_0715_01_f01香港から招聘したマスターテーラーの賴 亜鐵さん。73歳の氏がテーラーの道に入ったのは11歳のときだそう。

 

 

_mg_0738_01_f01bこの日の時計はパテックフリップ「5146J」。

僕が20年愛用している時計と友情の証に交換しようとナイスな提案をしたら、困った顔をされて断られました(笑)。

 

 

_mg_0748_01_f01靴はフィレンツェのロベルト・ウゴリーニ

 

 

_mg_0825_01_f01Clarance Wong Bespoke Tailoring

107, 6#, Hua Jiu Road,Zhu Jiang New Town, Guangzhou

廣州市珠江新城華就路6號107號鋪  Tel. +86-(0)20-3833-6330

 

Noriyuki Ueki(Sartoria Ciccio)

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  • On Nov 7th, 2016
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上木規至 Noriyuki Ueki 

Sartoria Ciccio

text & photography  Yuko Fujita

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Jacket  Ciccio

Trousers  Ciccio

Shirt Les Leston for Ciccio

Tie Sevenfold per Ciccio

Shoes   Il Micio

 

僕の数少ない飲みトモでもあるサルトリア チッチオの上木規至さんです。

 

2003年から3年間ナポリで修業された上木さんに、僕は前から勝手に妙な親近感を抱いていました。

フツウはナポリに長く住んでいたら、中身も「俺が俺が」なナポリ人と化していくものですが、

上木さんの場合ナポリ人化するどころかいつも控えめで飄々としているので、

この人は「鈍感力」に勝るからナポリで長く修業できたのかなぁと勝手に想像していたのですが……。

お酒の席で修業時代のエピソードを聞き出すと、出てくるわ出てくるわ。

当時相当な苦労をされていて、腕を磨くためにストイックな生活にずっと耐えてきたことがわかってウルウル。

以来、上木さんに対しては常にリスペクトの眼差しです。

 

 

さてさて工房で仕事をしているときの上木さんは、まるで仕立ての神様がのり移ったかのような芸術的な手捌きを見せてくれます。

単に仕事が早いだけじゃなくて所作が大変美しく、縫いひとつをとっても正確且つちゃんと甘さ & ムードがあるんですよね。

今までたくさんのサルトの仕事を見てきましたが、彼の手捌きを初めて見たときはオーラのようなものさえ感じ、

“本物のナポリ感”に惚れ惚れしてしまいました。

 

 

そんな上木さんと去年の11月、ちょうどイタリアにいる時期が重なったこともあって、ナポリで合流してサルトリアを一緒に回る機会がありました。

午前中に一緒に理髪店のBOELLISに行って髪を切ってから、サルトリア巡りをしたのはとても楽しい思い出です。

自分はこれまでナポリだけでもおそらく100を超える工房を回ってきましたが、初めてのところに行くと、今でもやっぱり胸が躍ります。

上木さんの師匠Antonio Pascariello氏は本人の風貌もさることながら、穴蔵みたいなところにあるサルトリアがまた衝撃的で、超ワクワク。

それでいてとてもきれいな服を仕立てていたので、上木さんの仕事の美しさは師匠譲りなんだなって思ったのを覚えています。

素敵な写真も撮れたので、いつか彼のこともご紹介したいところです。

 

それともうひとつワクワクしたのが、モンテサント地区のアパートに工房を構えている

とあるパンツ職人(アンブロージでもモーラでもチェッラートでもありません)。

実は去年、僕は毎朝モンテサント駅で降りてイタリア語の学校に通っていたので、

「えっ、毎日通っていた道にこんなパンツ工房があったんだ」って、かなりのサプライズでした。

本来、街のどこにでも一流の仕立て職人がいるのがナポリなので、驚くべきことでもないのですが。

 

ちなみにモンテサントはこんな感じのところです(YouTubeから拝借)。

ピーニャセッカの市場は野菜も果物も新鮮な魚介もとにかく安いし、レストランもバリバリの下町価格。

ちなみにピッツェリアだったらDa Attilio、トラットリアだったらLa Taverna del Buongustaioが下町風情全開のディープな食堂でオススメです。

トレド通りにぶつかるCeraldi Caffè のエスプレッソはナポリでいちばん好きかも!

 

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と、話が脱線しちゃいましたが、本題です。

 

今回の撮影時に上木さんが穿いていたチッチオのトラウザーズは、実はナポリ製のプレタポルテなんです。

正確には型紙と裁断までを上木さんが手掛け、それをナポリに送って、先のモンテサントのパンタロナイオが縫製しています。

(10月からスタートしたばかりで、11月24日に発売されるTHE RAKEのISSUE13でもご紹介しています)

 

ここのメインの職人さんはおじいちゃん2人。

かつてはアントニオ パニコのトラウザーズを請け負っていただけに、腕はめっちゃブラーヴォです。

ただ、ナポリのこの手のハンドメイドトラウザーズって、日本に仕入れるとどうしても個々の製品のばらつき問題が生じてしまうので、

サルトが常駐していないセレクトショップで扱うのはちょっと難しいんですよね。

でもチッチオのトラウザーズは裁断までを上木さんが手掛けているからバラつきが少ないし、

フィッティングしたうえで補正するのが前提なので、そういった問題はすべて解決してくれます。

ちなみに納期は約10日ほど。

生地は全3種で、グレーフランネル(チャコールとミディアム)が¥79,000、ベージュのコットンツイルが¥74,000です。

ちなみに僕はちょうど上木さんにオーダー中のツイードのジャケットに合う、グレーフランネルのトラウザーズを購入しました。

 

今までのナポリのトラウザーズって、作り手の主張が色濃く反映されているものがほとんどでしたが、

こちらのトラウザーズは極力主張を抑えた作りになっています。

正確にいうと、この洗練されたスタイルこそが上木さんの美意識でもあるのですが。

極端にテーパードさせることもなく、股上はやや深めのクラシックタイプで、全体的なシルエットも限りなく中庸。

ディテールもシンプル化が徹底されています。

いろいろオーダーを経験されてきて「やっぱり最高のフツウがいいよね」という結論をお持ちの方たちには、

チッチオのナポリ製トラウザーズは最上の選択と言えるのではないでしょうか(最高のフツウって探すとなかなかないんですよね)。

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そういえば、上木さんのこんな言葉がすごく印象に残りました。

「自分はナポリで3年間修業をしてきて、いろいろな職人さんからたくさんのことを学ばせてもらいました。

ここ数年、ナポリの仕立てが世界的に注目されるようになって、名の知られたサルトは裕福な生活を送れるようになりましたが、

下請けの職人さんは昔とさほど変わらない生活をしています。自分が彼らに少しでも恩返しをできたらなと思ったのが、

彼らと取り組みを始めたきっかけです」

 

 

サルトリア仕立ての文化を、国の垣根を超え、お互いが協力しあって継承していくのって本当に素晴らしいことだと思います。

ここのトラウザーズ工房でもパチパチ撮ってきたので、機会を改めていつかご紹介できればと思います。

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ルカ・グラッシィア & サルヴァトーレ・グラッシィア Luca Grassia & Salvatore Grassia(Luca Grassia)

text & photography  Yuko Fujita

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グラッシィアファミリーのルカ(左)&サルヴァトーレ(右)兄弟のご紹介です。

 

彼らの工房を初めて訪ねたのは、去年の11月。

創刊1周年記念パーティで着るソリートのタキシードの仮縫い・中縫いをし、

一気に納品までしてもらおうと、弾丸でナポリに行ったときのことでした。

 

僕の滞在情報をどこで手に入れたのか

「面白いサルトリアがあるから一緒に見てほしい」と

見ず知らずのナポリ人女性から連絡が来たんですね。

 

女性で美人かもしれないけどカモッラ絡みで誘拐されちゃうかもしれないし、

オフで来てるんだから断ろうかな、と思いつつ、

新鮮な情報は押さえておきたいという編集者魂が勝って

彼らの工房があるカザンドリーノまで一緒に行ってきました。

 

結果、半日潰すことになっちゃったけど、わざわざ行って大正解。

いろいろな意味で大満足でした。

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まずは こちらの写真をご覧ください。

 

彼らの工房に入った瞬間にまず思ったのは、

「うわーっ、そっくりさんがたくさんいる!」ってことでした。

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聞けば、ここで働いているのは子供から若者、ベテランのおじさん・おばさんたちまで

ほぼ全員がファミリーだそう。

どうりで皆そっくりなわけです。

工房では中学生の男の子までがいっぱしのサルトとして働いていて、

ナポリ慣れしているはずの自分も大きな衝撃を受けました。

「この感じ、新しいぞ!」って。

 

3代目のルカ(30歳)はなかなかやんちゃそうな雰囲気を醸し出しているけれど、

実はとってもいい奴で、仕事に関しては超真面目。

物心がついた頃に家族から仕事を学びはじめ、

その後アットリーニで1年経験を積んだほか、

パニコをはじめとするナポリ中の錚々たるサルトリアで学んで、

今ではファミリーの工房を支える頼もしい3代目として毎日夜遅くまで働いています。

弟のサルヴァトーレ(26歳)も同様に超仕事熱心。

 

「グラッシィアファミリーは皆ここでサルトとして働いています。

親戚皆がそうであるように、私も幼少の頃から針を握ってきました。

小学校から帰ると、両親に仕事を教えてもらうのが楽しくて仕方がありませんでした。

親戚を含めて家族みんながここで働いているから、

自分も早く仕事を覚えて一人前のサルトとして認めてもらいたかったんです。

私の娘も4歳にして、サルトの仕事を覚えようとしています。

グラッシィア家に生まれたということは、

皆サルトになる宿命なんです」

 

初めて会ったとき、彼らはアジアでの新しいビジネスを求めていました。

腕は文句なしに素晴らしいし、いろいろ器用にできそうだし、

可能性は凄くあるなって思ったのですが、

アジアで展開するには彼らの素晴らしさを最大限に引き出す

ディレクター的役割を担える人を見つけないと難しいかなというのが自分の感想でした。

彼らはあくまでス ミズーラの工房だから、

マーケットを熟知したパートナーは必要不可欠なんです。

それでも、グラッシィアのような工房の服が日本で展開されたら

マーケットに一石を投じることになるんだろうなぁと思っていたら。

なんと来春夏から「ルカ グラッシィア」の名前で日本での展開が決まったんです。

エージェントは元UAの木下ジェリーさんが立ち上げたアンディアーモ。

 

というわけで、6月のピッティのあとに、今度は取材という形でジェリーさんと一緒に彼らの工房を再訪してきました。

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ス ミズーラしかやっていない工房を日本で展開するのは

メリットがある一方で、非常に難しいことでもあります。

それは、ほとんどが手仕事なので製品にばらつきが生じやすく、

また、そのばらつきを日本のマーケットはよしとしないからです。

ここはジェリーさんの製品管理能力の見せどころです。

サンプルを見て着た感じはすこぶるいいし、生地の提案力もサスガのひとこと。

20万円台でこれだけ手の入ったサルトリア仕立ての既製服は、

日本ではほとんど見かけなくなってきてしまっているので、

潜在的需要は高いのではと思っています。

 

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初代は30年代にロンドンハウス(現ルビナッチ)で腕をふるったサルトでした。

 

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1963年から3代続くサルトリアで、彼がルカの父で2代目のロッコ。

 

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こちらはロッコの弟ジュゼッペ。

アットリーニで10年間働いていたこともあり、袖付けとか抜群に上手かったです。

 

というわけで発売されたばかりのTHE RAKE日本版ISSUE 12で

彼らのことをいち早くご紹介していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

Kenji Cheung(Bryceland’s Co)

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  • On May 17th, 2016
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Kenji Cheung(Bryceland’s Co)
張 振威

text & photography  Yuko Fujita

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Suit  Dalcuore for Brycleland’s

 

Shirt  Ascot Chang for Bryceland’s

 

Tie  Sevenfold for Bryceland’s

 

Boots  Saint Crispin’s for Bryceland’s

 

Glasses  Retro Specs

 

 

注目のショップBryceland’s Coの共同設立者でもある香港のKenji Cheung(張 振威)さんです。

The Rake Japanのブログを書いてくれているEthan Newtonさんのビジネスパートナーで、

今、アジアの中で個人的に最もカッコいいと思っている友人のひとりです。

香港最大のデンタル サプライヤーTesco Dental Ltd.のCEOでもあります。

 

3ピーススーツはダルクオーレ。

Bryceland’sの完全別注によるモデルです。

自分は昨年、ナポリのダルクオーレの工房から徒歩10分のところに住んでいたので

よく遊びに行っていたのですが、ここまでスタイルを変えた彼らの服は初めて見ました。

Bryceland’sのスタイルをダルクオーレの技術で表現した、といったほうがしっくりくるのかな?

 

ややドロップしたショルダーラインや、下がり気味にカーブしたゴージの角度、

カッタウェイのフロント、ハイウエストのトラウザーズ等、どれも男らしくて最高にカッコいいですね。

このスタイルに、ヘビーウェイトのサージがとてもよくマッチしています。

 

 

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ラウンドのタブカラーシャツは香港のアスコット チャン。

とても評判がいいので、自分も試してみたいシャツのひとつです。

 

ネクタイは加賀健二さんのセブンフォールド社に別注した三つ巻仕様。

ノットをキュッと小さく結んで、でも軽やかな雰囲気もあって、これがとてもカッコいいですね。

セブンフォールドは、個人的に最も好きなブランドのひとつです。

 

 

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足元はSaint Crispin’sの内羽根式外鳩目のレースアップブーツ。

ここはコレクションの幅が大変広く、その中からどれを抜くか、どうモディファイするかで

印象がガラリと変わるので、ある意味バイヤーの感性が最も問われる靴ブランドなんですよね。

 

その点、Bryceland’sのセレクトはヴィンテージ感たっぷりな写真の別注モデルを筆頭に、

どれも最高にいいところを突いているように思います。

往年の紳士よろしく、ドレッシーなレースアップブーツをスーツに合わせるのはとても新鮮ですね!

 

メガネはRetro Specsの50 年代製ヴィンテージで、Shuronのフレーム。

14歳から集め出して300本以上所有(うちヴィンテージは約100本)しているそうです。

 

「自分にとって服はパーソナリティを表すものであり、トレンドを追って着るものではありません。

私が長い年月を経ても価値が褪せないヴィンテージに魅力を感じるのもそれが理由ですし、

これからヴィンテージとなり得るような普遍的な価値をもった服にこそ魅力を感じるんです。

それを表現しているのがBryceland’sです。

トレンドを追った過去の服は、友人にあげるなどして半年前にすべて手放しました」

 

この潔さが、これだけカッコいい彼の今のスタイルを生み出しているのだと思います。

 

 

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この日はウォルサムのポケットウォッチをつけていて腕時計はしていませんでしたが、

Kenjiさんはヴィンテージロレックスを25本ほど所有するロレックスマニア。

デイトナは2本のポール・ニューマン(6241と6263)を愛用しているほか、

最近はバブルバックに凝っていて、こちらも5-6本所有しているそうです。

 

ちなみに愛車は991GT3、Macan S、M3とのこと。

 

 

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そして、Kenjiさんのスタイルを決定づけるのが、インディアンジュエリー。

すべてナバホのもので、タイクリップは50年代(1,2枚目の写真)、リングは20年代(左手)と30年代(右手)、

ブレスレットは1910~20年代と、垂涎もののオンパレード!

 

「ナバホのアクセサリーは10点ほど所有しています。

アメリカのマニアの友人に探してもらったり、香港や原宿のRRL、

東京に来た際に何軒も回って探しているのですが、

サイズもあるのでなかなか最高のものに出会えないんです。

だから、出逢えたジュエリーには運命的なものを感じます」

 

僕が知っているアジアの友人たちは皆本当に服が大好きで、目を輝かせながら話してくれるので、

ワクワクがこっちまで伝わってきていつもとても楽しくなってしまうのですが、Kenjiさんはその最たる例。

 

「これ、今回見つけたんだよ~。50年代製かなぁ。カッコいいでしょ? ちょっと着てみて!」

 

会うといつもこんな感じです。そしてお互い情報交換。

といっても僕より全然詳しいので、教えてもらうことのほうが多いですが(笑)。

 

Kenjiさんはオフのヴィンテージスタイルも最高にカッコいいので、

機会があったらまたご紹介したいと思います。

Mauro Crimi(Sartoria Crimi)

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  • On Jul 29th, 2015
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マウロ・クリーミ Mauro Crimi(Sartoria Crimi)

Mauro4

シチリアの州都パレルモでサルトリアを営むSartoria Crimiのマウロ・クリーミさんです。

 

パレルモはローマ、ミラノ、ナポリ、トリノに次ぐ、人口約70万人を擁するイタリア第5の都市。

同地で一番の賑わいを見せているサルトリアが、ここクリーミです。

 

自分とマウロさんが出会ったのは7年前。

正月明けのナポリ取材を前に年末のバカンスで訪れたシチリアで、ふと未知のシチリア仕立てに興味が湧き、

いきなりピンポーンと工房を訪ねたのが、その後の友人関係の始まりでした。

 

サルトリア クリーミは、カルメロ・クリーミさん(この道63年)が1970年に開いたサルトリア。

息子のマウロさんは2代目で、12歳のときに父から学びはじめ、その後ミラノの仕立て学校、

ヴェルサーチのオートクチュール部門を経て現在に至っています。

ちなみに自分が知っている2代目サルトの中では最も仕事に熱心な1人で、毎朝7時から工房に入って親子で作業に勤しんでいます。

 

この日のマウロさんはスーパー150’sのタスマニアンで仕立てたシチリアらしいアイボリーのスーツをご着用。

「1980年代までのパレルモでは、このようなコロニアルスタイルの紳士をよく見かけたものです。

当時の紳士が着ていたのはリネンやコットンのスーツでしたが、今日ではタスマニアンという選択肢も加わりました。

昔ほどではないですが、パレルモには今でもアイボリーのスーツをオーダーするお客様がいるのです」

 

市内からクルマを軽く飛ばし、かつて王侯貴族の保養地だったモンデッロへと抜ける道には古い邸宅が建ち並んでいます。

それらの美しい邸宅を眺めていると、コロニアルスタイルのスーツはこの街に深く根差したものなんだと納得させられます。

 

ところでクリーミの上着は、ゴージや肩線、背中、腕の縫い合わせがすべて片倒しになっています。

そんな土着的でユニークな仕立てに、マウロさんの現代的な感性、軽やかな仕立てをミックスさせているのが彼らの持ち味。

唯一無二のスタイルがウケてか、今では海外からのお客さんも数多く抱えています。

来日オーダー会を望んでいる彼らが日本にやってくる日も近いうちに訪れるのでしょうか?

Massimo Massaccesi(Yacht Club Capri )

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  • In Capri
  • On Jul 13th, 2015
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マッシモ・マッサッチェーシ Massimo Massaccesi(Yacht Club Capri)

massimo3

hat   100% Capri

linen pull-over  100% Capri

linen trousers   Sartoria Napoletana

shoes  Santoni

watch  Rolex

 

99年にヨットクラブカプリを創立し、昨年まで同クラブの名誉会長を務めていた、

カプリ島名誉市民のマッシモ・マッサッチェーシさんです。

 

アントニオ・パニコの工房にお気に入りの生地を何着も預けていたり、

ベルルッティだけで100足以上(革靴は200足以上)所有していたり、

自宅にお邪魔して見せてもらったこともあるのですが、

シガー、万年筆、ライター、独楽をコレクションしていたりと、多彩な趣味をお持ちの方です。

 

「サルトはパニコ、インダストリアルではアットリーニが私の中でのナンバーワン。

シャツはローマのバッティストーニ、靴はベルルッティとサントーニが好きですね。

それと、上質な素材、美しい色を好みます。

夏はリネン、そして色は白がいい。白のリネンジャケットも好きでよく着ます。

昼間は白と美しい色の組み合わせを楽しんで、夜はシックな装いをするのが私のスタイルです」

 

そんなマッサッチェーシさんのこの日のスタイルは、100%カプリのリネン製プルオーバーシャツに、

サルトリア ナポレターナのリネンパンツ、サントーニのスニーカーという組み合わせ。

時計はラバーBのラバーベルトでカスタムしたロレックスのデイトナ18KYGです。

 

氏の着こなしから個人的に学びたいのは、リゾートスタイルにおけるサイジングの塩梅。

流行りのスリムフィットを普段と同じ感覚でリゾートでも着てしまうと、

ときに場違いな印象になってしまいます。

実際、イタリアの高級リゾートで富裕層が着ている服は、

リラックスフィット、上質な素材と仕立て、限りなくシンプル、

決まってこの3つの要素が揃ったものです。

ヴァカンスの場ですから、自分も相手もリラックスできる服であることが大切なんだと思います。

その点、パリッときれいにアイロンのかかった上質な白のリネンシャツをサラリと羽織った

マッサッチェーシさんのスタイルは理想的といえます。

 

根っからの粋人であるマッサッチェーシさんは、こんなことも言ってました。

「青の洞窟を貸し切って、葉巻仲間を集めてそこでゆったり葉巻を吸いたいなと思っているんです」

かなり誌的な光景になりそうで、興味津々です。

今度こういうのをTHE RAKEで取材してみたいな、と密かに目論んでいるところです。

Gianluca Munzi(Il Conte)

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  • In Terni
  • On Jun 29th, 2015
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ジャンルーカ・ムンツィ  Gianluca Munzi(Il Conte)

Gianluca Munzi2

cotton jacket MP di Massimo Piombo
shirt Finamore
tie Drake’s
cotton trousers Isaia
shoes Church’s

 

ローマから約75km(電車かクルマで約1時間)北上した、ウンブリア州テルニにあるセレクトショップ「Il Conte」のオーナー、

ジャンルーカ・ムンツィさんです。

ユーモアのセンスにあふれ、ふるまいもとても紳士的で、人望も大変厚く、

僕が知るなかで最もエレガントなイタリア紳士のひとりです。

 

「IL CONTE」(イル コンテ)はテルニ中心部のローマ通りに

トータル、サルトリア、スポーツカジュアルの3タイプのショップを構え、

Kiton,Sartorio,MP di Massimo Piombo,Isaia,Finamore,Barba,Aspesi,Drumohr,Massimo Alba,Incotex,

Filson,Drake’s,Hancockなど、さまざまなテイストのブランドが絶妙にミックスされて展開されています。

クラシックに敬意を払いながらも、しっかりトレンドを俯瞰してセレクトした

コンテンポラリークラシックスタイルが、彼らしい持ち味。

お店にはこれまでに何度か足を運んでいますが、人口11万人の地方都市のお店とは思えないほど

いつもお客さんたちで賑わっています。

 

ちなみにジャンルーカさん、イタリア屈指の葉巻クラブ「Camisa Blanca」の代表でもあり、

テニスやゴルフのチルコロ「Tennis Club Terni」の代表でもあります。

 

テルニは人口11万人の小さな街でありながら、ジャンルーカさんが紳士クラブとお店という

2つの社交の場を提供していることもあって、お洒落な紳士が本当にたくさんいます。

(彼の友人たちを何人も知っていますが、皆本当にスタイルをもっていて半端なくエレガントです)

 

「私のスタイルのベースにあるのは80年代のラルフ ローレンです。

私はそれを自分らしく解釈し、今の時代にあったスタイリングで着るよう心がけています。

ただし、ネイビーのジャケットとレジメンタルタイは常に私のベーシックアイテムです。

テルニの街や緑のある自然に出かける際はベージュのパンツをベースにしたコロニアルスタイルを、

海に出かける際やヨットクラブの集まりには白のパンツを合わせるのが好きですね」

 

厚手のコットンツイルのジャケパン、レジメンタルタイの色柄と幅、全体の色合わせ、かなり好みです。

自分の中での決まったスタイルを守りながら、素材やシルエット、ネクタイのわずかな変化で

アップデートしていく彼のスタイルは、クラシックを極めていくうえでとてもよいお手本になります。

 

IL CONTE

http://www.ilconte.info/home.php

Giancarlo Maresca(Cavalleresco Ordine)

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  • In Napoli
  • On Jun 1st, 2015
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ジャンカルロ・マレスカ Gianncarlo Maresca(Cavalleresco ordine) 

Maresca4

イタリア国内に11の支部、約380名のメンバーを擁するイタリアきっての紳士クラブ

「Cavalleresco Ordine dei Guardiani delle Nove Porte」の騎士団長(Gran Maestro)、Giancarlo Marescaさんです。

 

大変な博学で『Monsieur』や『Arbiter』といったイタリアで影響力のある雑誌にも毎号のように寄稿されており、

イタリアのファッション界においてとても高名なお方です。

(2年前に引退されましたが、本職は弁護士でした)

 

スーツはEnzo Carfora(創刊号とIssue03で紹介している、ナポリで最注目の若手サルト)、

シャツは10年以上前に仕立てたMerolla & De L’ero、タイはヴィンテージ、

シューズはPeron & Peron、チーフはRubinacci、ハットはBorsalinoです。

 

「大切なのはStagione(季節)とOccasione(オケージョン)。

ワードローブは季節によってわけられていますし、場にふさわしい格好というものがあります。

その2つを踏まえることは絶対です。そのうえで個々の着こなしを楽しめばよいのです」とマレスカさん。

 

シャツのカフにループをつけてカフの上に時計をするのは、氏の定番スタイル。

襟やカフの縁をプクッと丸く膨らませた特別な仕立て“Bombarozzo”も、

マレスカさんをはじめとするクラブのメンバーが好む仕様です。

(バッティストーニやサバティーニなど、ローマのシャツの仕様をマレスカさんがリクエスト)

 

パンツは決まってSenza passante(ベルトループなし)。

これはマレスカ氏に限らずピッティなどを見ていても、ス ミズーラではこの仕様が好まれているようです。

最新号の表紙を飾っているラポ・エルカーンも、スーツのときは絶対ベルトループなし、と取材時に話していました。

 

氏のクラブの会合は各都市順番に月1回の割合で開催され、豪華でユニークなメンバーがイタリア全土から集います。

ちなみにナポリ支部の長はMaurizio Marinellaさんです。

クラブの皆さんはウェルドレッサー揃いですので、追ってここでご紹介したく思っています。

ジェンナーロ・サンティッロ Gennaro Santillo(left),サヴェーリオ・サンティッロ Saverio Santillo(right)

Santillo

ナポリからひたすら南下したイタリア本土の最南端カラブリア州のシャツメーカーSantilloから、

ジェンナーロさんとサヴェーリオさんのサンティッロ兄弟です。

 

南イタリアでは昨今ナポリに続いてプーリア州のブランドが注目されていますが、

ここカラブリアは未だファッション未開の地。

そんななかひとり気を吐いているのが、1970年にカタンツァーロ(州都で人口約9万人)で創業した

ハンドメイドのシャツメーカー、サンティッロです。

最近は海外からの注目も高まっているようです。

 

左は兄で営業を担当しているジェンナーロさん。

 

「テーラードをいかに今の雰囲気で着こなすか。

今日のような限りなく薄い襟芯のシャツ、シャツのように軽やかな仕立てのジャケットなど、

タイドアップしていても、常に軽やかさ、柔らかさのある着こなしを心がけています。

それと色使い。カラブリアの強い陽射しには、明るいきれいな色が映えるんです」

 
美しいロールが表現されたシャツの襟や風になびいたジャケットのラペルからは、

確かに上質かつ柔らかな仕立てが伝わってきます。

タイドアップしつつも軽やかに見せるいいお手本ですね。。

 

弟で生産部門のサヴェーリオさんは、袖付けに特徴のあるジャケットをご着用。

ジェンナーロさんのジャケットとはまた違った雰囲気ですが、彼ら兄弟が着ているのは、実はすべてサンティッロです。

そう、彼らはシャツだけでなく、スーツやジャケット、タイのコレクションも手がけています。

 

「知られていませんが、カラブリアには固有の仕立て文化が残っています。

伝統の技術を継承し、世界に打ち出していくことこそが私たちの使命だと思っています」

 

サンティッロのコレクションにはどれも素晴らしい仕事が息づいていますが、

残念ながら日本にはまだほとんど入ってきていません。

近い将来本格展開される日が来ることを願っています。

 

そうそう、彼らは手編みのニットタイを手掛けていて、これがまた素晴らしい出来映えです。

こちらはTHE RAKEで仕込んでいる最中ですので、完成したら誌面でご紹介する予定です。

お楽しみに。