The RAKES of the YEAR 8

今、最も注目すべき洒落者たち
The Rake Lifetime Achievement Award

May 2020

text nick scott photography rose callahan

special thanks to The Polo Bar,New York

 

 

 

米メンズ・ファッション界で最も尊敬される男

Alan Flusser/アラン・フラッサー

1945年、ニュージャージー生まれ。デザイナー、スタイリスト、服飾評論家。服飾関係の著書多数。ニューヨークにて自らの店、アラン・フラッサー・カスタムを運営している。『ヴァニティ・フェア』誌が選ぶ「世界のベストドレッサー」に過去20年間にわたり登場している。

 

 

 私たちは“時代の瀬戸際”に立たされていると、デザイナーそして服飾評論家のアラン・フラッサーは言う。

 

「ビジネスウェアのカジュアル化は30年ほど前から始まり、多くの男性たちが戸惑いを覚えています。スーツと決別した瞬間から、たくさんの問題が起こります。今や、男性たちの朝は、シャツ、トラウザーズ、ソフトジャケットなどを、どう組み合わせればよいか悩むことから始まります」

 

 ワードローブの基準を定めることが重要だと彼は考えている。

 

「今では、私自身の着こなしも、20年前のサヴィル・ロウ時代と比べ、さまざまなジャンルを組み合わせたものに変化しています。ただし、ワードローブに追加する際の基準は変わっていません。伝統に則ったものであるのか、時代に左右されないものであるのか、という基準です」

 

 彼は1987年の映画『ウォール街』で、マイケル・ダグラスが着たパワースーツを生み出した。もし、2019年にダグラスが主演を務めるならば、どんな衣装を用意するのか?

 

「より体にフィットしたカットや軽量なファブリックを取り入れることを除いて、全体的な雰囲気は同じでしょう」

 

 フラッサーはよくこんなことを言う。「将来に向けた一番の目標は“未来の一部になる”ことだ」と。

 

 

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