THE NEW Audi S8

正真正銘のフラッグシップ

December 2020

自動車業界のトレンドセッターといわれるアウディ。

そのトップ・オブ・トップに位置する韋駄天セダンをご紹介しよう。

 

text tatsuya kushima

 

 

Audi S8/アウディ S8

全長×全幅×全高:5185×1945×1475mm ホイールベース:3000mm エンジン:4リッターV8直噴ツインターボチャージャー+マイルドハイブリッド(48Vリチウムイオン電池搭載) 最高出力:420kW(571ps)/6000rpm 最大トルク:800Nm/2000-4500rpm トランスミッション:8速ティブトロニック 駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD) ステアリング位置:左右 タイヤサイズ:265/35R21 ¥20,100,000 Audi(アウディ コミュニケーションセンター TEL.0120-598-106)

 

 

 

 自動車業界において世界的なトレンドセッターであるアウディは、常に新しいものを提案してきた。その最たるものは、1980年に発表した“quattro(クワトロ)”四輪駆動システムだが、それ以外にも1994年リリースのAudi A8に採用したオールアルミ製ボディ“アウディスペースフレーム”などがある。今日のプレミアムブランドでは当たり前の様式を彼らは積極的に開発し取り入れてきたのだ。

 

 そして今日では一大ブームとなったSUVをフルラインアップするのと同時に、各モデルの電動化を進めている。アウディのSUVモデルQシリーズはQ2 / Q3 / Q5 / Q7 / Q8と、幅広くSUVニーズに応えているはご存じの通り。それにピュアEVとなるAudi e-tronの日本導入もビッグニュースだ。

 

 がしかし、彼ら自身の本流も忘れてはいない。それがここでスポットを当てるAudi S8。これこそアウディブランドの正真正銘のフラッグシップモデルと呼べる一台だ。

 

 

 

 

 その理由はふたつある。ひとつはセダンであること。というのも、アウディブランドの礎となるモデルはやはりセダン。80年代のAudi 80や同100などがそれである。

 

 ふたつ目は“S”の冠を付けたスポーツモデルであること。そもそも創業時からアウディはスポーツマインドの溢れるメーカー。かつてのラリー活動、近年のル・マン24時間レース、それに今日のフォーミュラE( 電気自動車のフォーミュラカーレース)もそうだ。モータースポーツでの活動データが市販車の開発に役立っているのは言わずもがなである。

 

 以上ふたつのポイントでできたのがAudi S8である。写真はその最新モデル。2020年8月にリリースされた。

 

 エンジンは4リッターV8ツインターボで最高出力は571ps、最大トルクはなんと800Nmに達する。ネットサーフィンしてもらえればわかるが、もはやスーパーカーの数値だ。組み合わされるのは8速ティプトロニックトランスミッション、駆動方式はフルタイム四輪駆動システムのクワトロとなる。

 

 さらなるニュースは48Vリチウムイオン電池を搭載したマイルドハイブリッドであること。これにより燃費向上と排出ガス規制に対するメリットを高めている。スポーティなだけでなく電動化トレンドも抜かりはない。

 

 この他にも見るべきポイントはいくつもあるが、どこも秀逸であることは確か。アウディのフラッグシップモデルに妥協点は微塵も感じられない。

 

 

エクステリアのポイントは前後バンパーが専用設計になることや4本出しの楕円エキゾーストフィニッシャーを装備すること。それと21インチというロープロファイルタイヤとオリジナルのホイールが目立つ。インテリアではカーボンのデコラティブパネルやレザーのスポーツシートが特徴だ。高級感の中にスポーティさが溢れ出るのがグッド。運転面ではダイナミックホイールステアリング(4輪操舵)に注目。リアが最大5度逆位相に切れるので取り回しも良い。もちろん、中高速域では同位相に働くのでダイナミックな走りができる。

 

 

本記事はIssue37(2020年11月25日発売号)にて掲載されたものです。
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