The Armoury & Yohei Fukuda

すべての男が持っているべき
2大巨頭、渾身の英国靴

July 2018

 

メンズウェア業界を牽引するアーモリーと日本の職人技を世界に知らしめた福田洋平氏監修の

オリジナルシューズが2年の歳月を経てついに完成!

 

text yoshimi hasegawa photography ken wu(lightseed studio)

 

基本となる正統派英国靴

モデル名は香港のストリートから名付けられた。グロスター(左)はウィングチップでブラックカーフとバーガンディ、ペダー(右)はキャップトウで黒とモカカーフ、ウィンダム(奥)はセミブローグのキャップトウでブラウンスエードとエスプレッソカーフの各2色展開。すべてUS$495。アーモリーのHPから購入可能(日本語対応可)。All by The Armoury

 

 

 

 

これさえあればあらゆる場面に対応できる

 

 基本のワードローブにはどんな靴を揃えるべきなのか? そのひとつの回答が、香港とニューヨークに店を持つメンズウェアショップ、アーモリーが満を持して今回発表したオリジナルシューズだ。

 

 デザインはアーモリーでビスポークのトランクショーを行っている福田洋平氏が監修。英国ノーザンプトン有数のファクトリーで作られている。

 

 このために新たに製作され、「始め」と名付けられたラスト(木型)はイングリッシュ・ソフト・チゼルトウ、甲が薄めでボールジョイントが広めのアジア人にフィットする作り。オークバークのレザーソール、グッドイヤーウェルティッドのヒドゥンチャネルと、既製靴でありながら英国靴として正統派の作りには、福田氏の経験と美学が反映されている。

 

 アーモリーの共同設立者マーク・チョー氏は「ビスポークと既製靴はラストやソールの構造などが全く違います。始める前は、私たちでさえ想像できなかったほど困難な挑戦でしたが、アーモリーを代表する最高のプロジェクトのひとつになったと自負しています」と語る。

 

 

同じグロスターでも色により異なる着こなしが可能。チョー氏(左)はネイビーブレザーにグレイのトラウザーズ、寒色系に靴のバーガンディが絶妙のバランス。シー氏(右)はフランネルのチョークストライプのタウン&カントリーの要素を靴の黒で引き締めている。ふたりともリヴェラーノ&リヴェラーノを着用。

 

 

 ユニークなのはつま先と甲が一枚革で、イミテーションのステッチドキャップトウとウィングになっていること。通常より早く足に馴染み、ヴァンプ(爪先革)に皺が入りにくい利点があるという。

 

 同じく共同設立者のひとり、アレン・シー氏はこのコラボレーションの意義をこう話す。

 

「Yohei Fukuda の靴は大変人気が高く、今では納期は2年です。さらにビスポークは高価なので誰もが買えるものではありません。今回のオリジナルシューズを通して、より多くの方に福田氏の靴を体験していただけることを誇りに思っています」

 

 

福田氏のシグネチャーである、チゼルトウのトウシェイプが美しい。

 

 

「たとえ私がこのモデルを全部持っていないとしても」と、最後に笑いながらチョー氏は言った。

 

「すべての男性が持っているべき靴、そうしたコンセプトでこの3モデルを選びました。私たちは男性が喜んで持てるもの、クオリティに感謝できて、長い間持てるものを提供したい。これさえあればあらゆる場面に対応できる、着こなしの基本となる靴です」

 

手入れによって靴を育てる。Brift H の長谷川裕也氏によるビデオもHPで公開。