SPECIAL EDITION
RADO×THE RAKE & REVOLUTION
Captain Cook "Ghost Captain"

ラドーのレトロな名作を
THE RAKE & REVOLUTIONが別注!

December 2018

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 ラドーについて考えたときに最初に思い浮かぶのは、先駆的なステータスだ。それはケースの素材などにおける革新に見られ、他のどのブランドにも勝るペースで進化を遂げてきた。1962年に、タングステンカーバイド製のケースとサファイアクリスタルの風防を用いた、世界初のスクラッチレジスタント(耐傷性)ウォッチ「ダイヤスター 1」を発売。1972年には「ダイヤスター」に初のゴールドケースを採用し、1986年にはブレスレットにセラミックを使用している。

 

 

左から:世界初のスクラッチレジスタント(耐傷性)ウォッチ「ダイヤスター 1」(1962年)/ケースとブレスレットにブラックのハイテクセラミックを使用した「セラミカ」(1990年)/世界でもっとも硬い時計「V10K」(2002年)

 

 

 1990年、ラドーは初のフルセラミックの時計「セラミカ」を発表後、1993年にはセラミックとチタンを融合した新素材セラモスを時計業界に持ち込んだ。1998年には、初のプラズマハイテクセラミックスを使用した「セラミカ」を発表。2002年にはダイヤモンドと同等の硬度(10,000ビッカース)を誇る世界一硬い素材の時計「V10K」を作り出した。この製品を実現できたのは、ハードメタルの回路基板から時計を製作し、木星の気圧を再現できる炉を用いて人工ダイヤモンドで時計全体をコーティングしたことによる。

 

 あまり知られていないかもしれないが、ラドーにはダイバーズウォッチの歴史もある。2017年には、1962年に発表した極めてクールで魅力的なヴィンテージのダイバーズウォッチ「キャプテン クック」を、現代版オマージュとして復刻させた。ラドーは、新世代の消費者たちがヴィンテージのダイバーズウォッチを好むという流行にしっかりと応えているのだ。また、37mmという当時のケースサイズによる完璧なプロポーションを、新モデルでも維持したことは賞賛すべきである。

 

 

ハイテクとヴィンテージが出合うとき

 

 ラドーの新作には、グレイブラウンのダイヤルや、古ぼけたトリチウムを思わせる夜光インデックスなど、レトロな感覚が確かに表現されているが、最新の「キャプテン クック」には極めて優れた現代的なイノベーションも搭載されている。その好例が、ラドー特有の高度なセラミック加工技術を用いた、ハイパークロームのベゼルだ。また、風防にはオリジナルのアクリルに代わり、非常に魅力的で完璧なスクラッチレジスタントのサファイアクリスタルが用いられている。

 

左が1962年の「キャプテン クック」。右が2017年に復刻された「キャプテン クック」。

 

 

 時針はアロー形、分針はソード形、秒針は矢尻つきの針はクールかつ視認性に優れ、夜光処理されているため薄暗いところでも識別が容易だ。さらに安全性を高めるメカニズムとして、駆動中は12時の位置にあるラドーの錨形のロゴが回転する。これはラドーの自動巻きモデルすべてに見られる機能で、無断複製を防いでブランドを守るために考案されたものである。

 

 ムーブメントは、最長80時間のパワーリザーブを誇る自動巻きのキャリバーETA C07.611。また3時位置にある小窓には赤字の日付表示を備えている。

 

Rado  ×  The  Rake  &  Revolution Captain  Cook  “Ghost  Captain” (Image © Revolution)

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 ねじ込み式リュウズではないため防水機能は100mだが、一般的なダイビングや、セーリング、ジェットスキーなど、大半のマリンスポーツでの使用に十分耐えうることは間違いない。最も重要な点は、これほど素晴らしいスタイルと信頼できる性能を備えながらも、2,000米ドルを切るという、スイス製腕時計として破格の価格設定だろう。

 

 

“ゴースト”の魅力

 

 我々は2018年のバーゼルワールドで、ラドーCEOのマティアス・ブレシャンに「キャプテン クック」への愛情を伝えたところ、この素晴らしい腕時計を限定版としてコラボレーションできないかという話し合いがスタートした。これまでのREVOLUTION誌の限定ウォッチの中には、各製品固有のヴィンテージ感を高めるべく、あえて古びた趣を与えたものがいくつかある。ところが、通常モデルの「キャプテン クック」は既にヴィンテージ感を極めており、美しい姿に到達している。ダイヤルとインデックスの絶妙なカラーリングを見ればそれは明らかだ。だから、我々は最初に1962年の「キャプテン クック」からさらにアンティークな方向へと試作したが、それは気障な感じを与えるようになり、どことなく魅力に欠けるデザインだった。

 

 

 そのため、一部の特別な腕時計が見事に年月を経た雰囲気を纏っているのはどういう手法によるものなのかを研究した。そのうちのひとつが「ゴースト」、つまり幻影のような色彩のベゼルであり、日光と海水に長時間さらし、外気に触れた結果として、単色のブラックからきわめて魅力的で透明感あふれるグレイに変色しているものだった。場合によっては、同じ環境に晒した文字盤も通常のブラウンではなく魅力的なグレイの色調になっている。特に、この方法で仕上げたコメックスのダイバーズウォッチをいくつか見てきた。その結果、ベゼルと文字盤の両方が幻影のようなグレイで、どこか幻惑的かつ優美な外観の時計として完成しているのだ。

 

 こうして、ラドーとTHE RAKEとREVOLUTION誌による「キャプテン クック」の限定モデル“ゴースト キャプテン”のアイデアがまとまり始めた。感動的なのは、ハイパークロームにおけるラドーの優れた社内製造能力により、グレイセラミックで完璧な陰影を描いて文字盤を際立てられたことだ。この製品では、人工的に経年感を生み出した夜光インデックスではなく、あえてすっきりした白のアワーマークを従来通り使うことにした。その方が、主流のグレイやシルバーのカラースキームと好対照を成すと思ったからだ。

 

 “ゴースト キャプテン”はグレイのレザー製NATOストラップを採用する一方、同じくグレイのファブリック製NATOストラップも付属する。また、この製品の魅力でもある驚異的な価格設定を保つため、できる限り価格を通常ヴァージョンに近づけた。ブレシャンはこう語る。

 

「37 mmの『キャプテン クック』に対する情熱を聞けてとても嬉しかった。それは、当社がこの製品で大成功を収めてきた証。今回コラボレートした限定版のスタイルは、2017年モデルとはまったく異なり、当社のアイコンである製品が新たな次元を示したもの。当社にとっても喜ばしいことだ」

 

 

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 ラドーとTHE RAKE、そしてREVOLUTION誌による限定の「キャプテン クック “ゴーストキャプテン”」は、世界限定150本で、2018年12月発売予定(日本未展開)。

 

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RADO×THE RAKE & REVOLUTION

キャプテン クック“ゴースト キャプテン”

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レザー製とファブリック製のNATOストラップが付属。

ムーブメントは C07.611キャリバー。

時・分・日および日付機能を備え、パワーリザーブは80時間。

100m防水。自動巻き、グレイのハイテクセラミック&SSケース、37.3mm。

 

 

text wei koh photography munster

fashion styling marie lee assisted by joe tan