JAPONISM “Kyoto Premium Collection”

日本の美意識を宿した最高級カーボン

January 2021

photography jun udagawa

 

写真の2本とも「市松」の織柄。左:βチタンのバネ性のあるテンプルで、抜群のフィット感と掛け心地を実現。スタイルを問わないウェリントンシェイプの1本。「JS-02C」¥175,000右:ワタリからヨロイまで一体感のあるデザインが特徴。テンプルにカーボン西陣織を使用したモデル。「JP-020C」¥148,000 both by Japonism(グロス 銀座 TEL.03-5579-9890)

 

 

 

 航空・宇宙産業の技術研究から生まれた最先端素材、カーボン。圧倒的な軽さと堅牢性を兼ね備え、クルマや時計にも積極的に採用されて久しい。マットブラックのクールで男性的な見た目も相まって、人気の素材である。カーボンと聞いて思いつくのはあの模様だ。炭素繊維の織り方なのだろう、良くも悪くも単調で、一様なデザインになりがちである。

 

 そんな中、福井県鯖江のメガネ製造技術を世界に発信するブランド、ジャポニスムは、2018年にカーボンフレームを美しく進化させたコレクションを発表した。なんとカーボンの繊維を、京都の伝統工芸技術である西陣織の技術で織り上げて、メガネフレームにしたのだ。黒一色の表面の中に、550年以上の歴史と伝統を持つ西陣織の繊細で優雅な模様が浮かび上がる。あくまでさりげないこの美意識の中に、日本らしさが宿っている。

 

 ジャポニスムは、以前からさまざまな先端素材をいち早くメガネフレームに取り入れてきたが、やはりこのコレクションは業界内でも大きな反響を呼び、その年のIOFT(国際メガネ展)でメガネ大賞 機能・技術部門を受賞した。そしてついに今季、このプレミアムコレクションの第2弾が登場したのだ。

 

 フロントやテンプルに、正方形が交互に連なった伝統的な織柄「市松」と、折り目が山型に見える「山形斜紋」の2種類の柄を採用したラインナップで、今回も“西陣織”と“鯖江のメガネ作り”というふたつの日本のプレミアムが見事に融合している。末長く愛用できる最高級カーボンフレームを今こそ手にしたい。

 

 

本記事は2021年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue38